プローブ計測とは?役割や種類・使い方などを解説

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2024/08/12

プローブ計測とは?役割や種類・使い方などを解説


 
プローブ計測は、精密なデータを得るために欠かせない手法であり、製造業から医療分野に至るまで広く活用されています。
本記事では、プローブ計測の基本的な定義から、その役割や種類、さらには正しい使用方法までを詳しく解説します。

プローブ計測とは

プローブ計測とは、測定対象に触れたり近づけたりすることで、その物理量を測定する手法を指します。
プローブは、英語で「Probe」と表記され、「探る」「調べる」などの意味を持ちます。
測定機器におけるプローブは、測定物に接触または挿入する針の部分を指し、その役割は、精度の高いデータを得るために極めて重要です。
 
プローブ計測は、さまざまな分野で広く利用されています。
例えば、医療分野では、超音波プローブが体内の状態を画像化するために使われます。
 
また、工業分野では、三次元測定機に取り付けられたプローブが、部品の寸法や形状を高精度で測定するために使用されます。
プローブ計測は、対象物の特性を正確に把握するための基本的な手段であり、その精度や信頼性は、測定の成功を左右します。

プローブ計測の役割

プローブ計測の役割は、正確で信頼性の高いデータを提供することです。
特に製造業や品質管理の現場では、プローブ計測で取得するデータが製品の品質を保証するための基礎となります。
例えば、自動車部品の製造において、プローブを用いた計測で得られる寸法データは、設計通りの精度で部品が製造されているかを確認するために不可欠です。
 
また、研究開発の分野でも、プローブ計測は重要な役割を果たします。
新しい素材や製品の特性を理解するためには、微細な構造や表面の特性を正確に測定しなければなりません。
 
プローブ計測で取得できるデータは、研究者が仮説を立て、実験結果を分析するための基盤となります。
 
さらに、プローブ計測は安全管理の面でも重要です。
例えば、電流プローブは、電気設備の安全性を確認するために使用され、異常電流が流れていないかをモニタリングします。
こうした計測は、設備の故障や火災のリスクを低減するために不可欠です。
このように、プローブ計測は、精度の高いデータを提供し、品質保証や安全管理を支える重要な役割を担っています。

プローブ計測の種類

プローブ計測には、対象物や用途に応じてさまざまな種類があります。
以下に、代表的なプローブ計測の種類を紹介します。

【1】タッチトリガープローブ

タッチトリガープローブは、測定対象物に直接接触して三次元データを取得するタイプのプローブです。
このプローブは、スタイラスと呼ばれる針状の部分が対象物に触れることで信号が発生し、その瞬間の位置データを取得します。
タッチトリガープローブは、三次元測定機で広く使用されており、部品の外形寸法や形状を高精度で測定するのに適しています。
例えば、航空機部品の寸法管理に利用されることが多く、製品の安全性と信頼性を確保するために欠かせません。

【2】変位測定プローブ

変位測定プローブは、電気センサーによって測定対象物の表面形状をスキャンし、そのデータを測定機に中継するタイプのプローブです。
このプローブは、非接触での測定が可能であり、柔らかく変形しやすい物体や、接触による影響を受けやすい素材の測定に適しています。
例えば、電子部品の薄膜の厚さを測定する際に使用されます。
変位測定プローブを使用することで、物理的な接触による測定誤差を回避し、精度の高いデータを得ることができます。

【3】近接プローブ

近接プローブは、レーザーやビデオ技術を用いて対象物の距離や位置を測定するプローブです。

このプローブは、非接触での測定を行うため、対象物に直接触れることなく、位置や形状を高精度に計測することが可能です。

近接プローブは、特にクリーンルーム環境や高温・高圧の条件下での測定に適しており、半導体製造や宇宙開発の分野で利用されています。

例えば、半導体ウェハーの表面形状を測定する際に、この近接プローブが使用されます。

【5】電圧プローブ

電圧プローブは、オシロスコープと対象物を電気的に接続し、電圧を測定するプローブです。

電圧プローブは、電気信号の波形や特性を測定するために不可欠であり、電子機器の開発や修理において広く利用されています。

例えば、スマートフォンの回路設計において、電圧プローブを使用して各部の電圧レベルを確認し、回路の動作が正しいかを検証します。

プローブ計測の方法

プローブ計測を正確に行うためには、いくつかの重要なステップと注意点を守る必要があります。

ここでは、プローブ計測の基本的な方法について解説します。

【1】補正を行う

プローブ計測の精度を確保するためには、測定前に必ずプローブの補正を行うことが重要です。
補正とは、プローブ測定の精度を高めるために、基準となるデータとの比較を通じて、プローブの動作や計測値のズレを調整するプロセスです。

例えば、Leica T-Probeでは、専用のソフトウェアを使用してスタイラスごとに始業前点検を実施し、測定前に補正が必要かどうかを確認します。
これにより、プローブが適切に動作し、正確なデータが得られることを保証します。
 
補正を怠ると、プローブが正しく機能せず、誤った測定結果が得られる可能性があります。
特に、複数の作業者が同じプローブを使用する場合、他の作業者が異なる補正を行っている可能性もあるため、常に測定前に補正作業を実施することが重要です。

【2】測定機と測定物との接続を短くする

プローブ計測において、測定機と測定対象物の接続部分をできるだけ短くすることが、精度を保つ上で非常に重要です。
接続するスタイラスが長くなるほど、測定の精度が低下します。
したがって、必要最低限の短いスタイラスを選び、無駄な長さを避けることで、より正確な測定を行うことができます。
 
例えば、複雑な形状を持つ部品や、アクセスが難しい測定箇所を計測する場合でも、最適な長さのスタイラスを選択することで、誤差を最小限に抑えることが可能です。

【3】プローブは定期的に交換する

プローブは長期間使用すると、先端が摩耗したり劣化したりすることがあります。
これにより、測定精度が低下する可能性があるため、定期的なプローブの交換が推奨されます。
 
定期的にプローブの状態をチェックし、必要に応じて交換することで、常に正確な測定結果を得ることができます。
また、使用期間や測定回数を基に交換スケジュールを設定し、計画的にメンテナンスを行うことも重要です。

まとめ

プローブ計測は、さまざまな分野で信頼性の高いデータを提供するための重要な手法です。
適切なプローブの選定と正確な使用方法を守ることで、製品の品質保証や研究開発、安全管理において大きな成果をもたらします。
 
ヤマイチテクノでは、様々な三次元測定機を取り扱っておりますので、プローブ計測を検討される際はお気軽にご相談ください。

この記事の監修者

1989年入社以来、長年のCADシステムの営業経験を活かし現在3Dレーザースキャナーを中心に営業展開。東日本を担当する。

3Dレーザースキャナーの
販売・レンタル・計測業務受託

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