リバースエンジニアリングとは?コピーとの違いやメリット・悪用を防ぐ対策法

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2022/01/24

リバースエンジニアリングとは?コピーとの違いやメリット・悪用を防ぐ対策法

 

リバースエンジニアリングは、製品の製造方法やメカニズムなどを知る際に役立つ手法です。製品を無断でリバースエンジニアリングすることに違法性はないのか気になる方が多いのではないでしょうか。ここでは、リバースエンジニアリングとコピーとの違い、違法性、活用するメリットなどについて詳しくご紹介します。

リバースエンジニアリングとは

 

リバースエンジニアリングとは、製品や部品を測定し、図面に起こすことです。3Dスキャナーを使用して高精度の3Dデータを作成する方法もあります。通常、設計と言えばアイデアを3Dモデルや図面に起こすことです。そして、図面や設計情報に基づいて製品や部品を作製します。リバースエンジニアリングは、この工程を逆の順序で行います。

リバースエンジニアリングの目的は、製品のデータを取り込むことで、仕組みや仕様、技術、設計などを明らかにすることです。リバースエンジニアリングで得た情報を自社製品の開発に取り入れたり、改善点を見つけたりします。

リバースエンジニアリングの用途

リバースエンジニアリングは、技術の獲得、自社製品と他社製品の互換性の確保、製品の改善点の発見などを目的に行います。そのほか、マルウェア解析や脆弱性パッチ開発など、セキュリティ性の向上のための分析にも役立ちます。

リバースエンジニアリングとコピーの違い

リバースエンジニアリングを検討するにあたり気になるのがコピーとの違いではないでしょうか。リバースエンジニアリングは、他社製品をデータ化して開発に取り入れるものですが、コピーはリバースエンジニアリングで得た情報をそのまま使用することを指します。
リバースエンジニアリングは合法、コピーは違法です。ただし、場合によっては著作権法や特許法に抵触する恐れがあります。リバースエンジニアリングが合法と見なされる要件について詳しく見ていきましょう。

研究・開発が目的

製品のソースコードは著作物のため、著作権法に守られています。他社が著作権を持つ製品のソースコードを無断で複製・抽出することは著作権法違反に該当する恐れがあります。なお、アイデアは著作物ではないため、ソースコードを複製するのではなく、コードの作成に至る発想を真似することは問題ありません。つまり、研究開発の一環としてアイデアを得ることを目的にリバースエンジニアリングを行うことは合法です。

分析・解析のみ行う

リバースエンジニアリングは、特許法にも関連しています。特許法は、特許物の製造や販売、展示、輸入、輸出などを規制する法律です。リバースエンジニアリングで得た情報を用いてこのような行為をした場合は違法となります。ただし、研究・試験を目的とする特許発明には特許権の効力が及びません。リバースエンジニアリングで取得した情報の分析・解析のみ行うのであれば、特許権の侵害にならないのです。

 

リバースエンジニアリングのメリット

リバースエンジニアリングを用いるメリットは、開発期間の短縮やコスト削減などです。製品開発は、何度も失敗と成功を繰り返して1つの製品を完成させます。そのため、長い開発期間と高いコストがかかります。
リバースエンジニアリングで既存技術や発想を参考にすれば、比較的短い期間かつ低コストで新製品を開発できるのです。開発期間が短くなれば、それだけ次の新製品の開発に時間を割けるようになります。また、低コストで開発できれば製品の末端価格も抑えられるため、ユーザーにもメリットがあります。

リバースエンジニアリングの悪用を防ぐための対策

リバースエンジニアリングの技術を用いた不正行為を防ぐために、さまざまな対策を施すケースがあります。例えば、ダミーコードを組み込むことで解析作業を煩雑にする方法が挙げられます。そのほか、デバッガの監視下にあることを検知し、制御フローに変更を加えるアンチデバッグ機能も対策法の1つです。
ただし、これらの対策法は解析コストを上げることで不正行為を諦めさせるためのものであり、高度な技術や豊富な経験を持つ人物によって無効化される可能性もあります。つまり、リバースエンジニアリング技術を用いた不正行為を完全に防ぐ方法は確立されていません。

まとめ

リバースエンジニアリングを活用すれば、開発期間の短縮やコスト削減を実現できます。リバースエンジニアリングは方法や目的を誤ると違法行為となるため、細心の注意を払って実施する必要があります。リバースエンジニアリングを実施する際は、必要に応じて3Dスキャナーを用意しましょう。精度や速度、ソフトの品質、価格など、さまざまな項目に着目して、用途や使用頻度、使用環境に適した3Dスキャナーを選ぶことが大切です。3Dスキャナーの購入を検討されている方は、ヤマイチテクノにお問い合わせください。

この記事の監修者

1989年入社以来、長年のCADシステムの営業経験を活かし現在3Dレーザースキャナーを中心に営業展開。東日本を担当する。

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