建設業「省力化補助金」で地上型3Dレーザースキャナーを購入する方法
近年、建設業界では深刻な人手不足が続いており、現場の効率化が急務となっています。
そうした背景から、国が主導する「省力化補助金」の活用が注目されています。
この制度は、ロボットやIoTなどの省力化機器を導入することで、業務の自動化・効率化を図り、生産性を向上させることを目的としています。
この記事では、建設業が「省力化補助金」を活用して地上型3Dレーザースキャナーを導入する方法とその効果、申請の流れについて詳しく解説します。
地上型3Dレーザースキャナーとは
地上型3Dレーザースキャナーは、構造物や地形などを非接触でスキャンし、三次元の位置情報を高精度に取得する装置です。
従来の測量機器とは異なり、広範囲を短時間で計測できるため、複雑な地形や構造物でも効率よく測量できます。
取得したデータはBIMやCIMとの連携も可能で、図面作成や施工管理に活用され、施工全体の精度向上につながります。
「省力化補助金」で3Dスキャナー導入が可能
人手不足が常態化している建設業界では、少人数での現場対応が求められる中、地上型3Dレーザースキャナーのような省力化機器の導入が効果を発揮します。
補助金の対象となる機器として、国の「省力化製品カタログ」に登録されている製品であれば、導入経費の1/2が補助されます。
登録済みの地上型3Dレーザースキャナーはすでに10製品以上あり、導入のハードルが下がっているのが現状です。
補助金の概要と申請条件
補助金の概要と申請条件を紹介します。
補助金額と補助率
省力化補助金は、企業規模に応じて上限額が異なります。
従業員数が21~50名の場合、最4,000万円(賃上げ条件を満たす場合)まで補助を受けることが可能です。
- 補助率(中小企業):補助金額1,500万円までは1/2(賃上げ条件を満たす場合は2/3)、1,500万円を超える部分は1/3
- 対象経費:機器本体の購入費、設置費用、導入支援サービス費 など
申請できる事業者の要件
申請できる事業者の要件の一例は下記のとおりです。
- ●労働生産性の年平均成長率が+4.0%以上増加している
- ●事業所内最低賃金が事業実施都道府県における最低賃金+30円以上の水準であること
- ●次世代育成支援対策推進法に基づく一般事業主行動計画を公表等(従業員が21名以上の場合)
詳しくは、以下の中小企業省力化投資補助金の詳細ページよりご覧ください。
▼独立行政法人中小企業基盤整備機構「中小企業省力化投資補助金」
https://shoryokuka.smrj.go.jp/ippan/about/
建設現場における地上型3Dレーザースキャナーの導入効果
建設現場における地上型3Dレーザースキャナーの導入効果について詳しく見ていきましょう。
作業時間を短縮し、現場の回転率を向上
地上型3Dレーザースキャナーは視通範囲を一括で計測できるため、従来の人力による測量作業と比較して大幅な時間短縮が可能です。
これにより、現場の回転率が高まり、複数の現場を同時進行で進める体制が整います。
少人数での対応が可能になり、人員配置が柔軟に
地上型3Dレーザースキャナーの導入により、これまで複数人で対応していた測量作業を1人でも遂行できるようになります。
特に、操作性に優れた機種を活用すれば、現場における人員数を最小限に抑えながらも正確なデータ取得が可能です。
慢性的な人手不足に悩まされている建設現場においては、人的リソースの有効活用や外注依存の軽減につながり、全体の人件費や外注コストの削減にも効果を発揮します。
繁忙期でも柔軟に人員を配置できる体制を築くことができ、業務の安定化にも寄与します。
測量精度が向上し、施工品質も安定
地上型3Dレーザースキャナーは、複雑な構造物や広範囲な地形でも、高密度かつ高精度な三次元データを短時間で取得できます。
その結果、従来の手作業や視認に頼った測量では得られなかった緻密な情報が得られ、施工前の計画精度が飛躍的に向上します。
結果として、設計図通りの正確な施工が実現しやすくなり、手戻りや修正工事のリスクも低減します。
現場の品質管理が安定することで、顧客満足度の向上や次の受注にも好影響を及ぼすことが期待されます。
省力化補助金の申請の流れ
省力化補助金の申請の流れは下記のとおりです。
【1】補助金制度を正しく理解する
まずは、最新の公募要領を確認して、自社が対象となるか確認しましょう。
申請には「gBizIDプライム」の取得も必要です。
【2】製品カタログから対象製品を選定
3Dレーザースキャナーは製品カタログに登録されており、登録済み製品から選ぶ必要があります。
製品ページでは販売事業者の情報も確認できます。
【3】販売事業者と連携して書類を準備
補助金の申請は販売事業者と共同で行う形になります。
導入目的、課題、見込まれる効果などを共有しながら申請書を作成し、申請受付システム「jGrants」から提出します。
【まとめ】補助金を活用して、測量業務を効率化
「省力化補助金」は、建設業が抱える人手不足や作業効率の課題を解決する強力な手段です。
特に地上型3Dレーザースキャナーのように、省力化と精度向上を同時に実現できる機器は、補助対象としても非常に優れています。
補助金を活用することで、初期費用を抑えつつ先端機器を導入できるチャンスです。
現場の生産性向上と人員の負担軽減を目指して、ぜひ積極的に制度の活用をご検討ください。
ヤマイチテクノでは、「省力化補助金」に対応した地上型3Dレーザースキャナーを取り扱っており、製品選定から導入支援までサポートいたします。

1989年入社以来、長年のCADシステムの営業経験を活かし現在3Dレーザースキャナーを中心に営業展開。東日本を担当する。
3Dレーザースキャナーの
販売・レンタル・計測業務受託
ハードウェア/ソフトウェアの販売から、機材のレンタル、計測業務受託まで
ヤマイチテクノは幅広い「3D技術」でお客様のご要望を叶えるお手伝いをいたします。