構造物調査に3Dレーザースキャナーが選ばれる理由とは?メリットや選び方も解説
構造物調査において、3Dレーザースキャナーはその高い精度と効率性からますます注目を集めています。
従来の測量方法では得られなかった詳細なデータを短時間で取得できるため、建設現場やインフラの管理、文化財の保存など、多岐にわたる分野で活用されています。
本記事では、3Dレーザースキャナーが構造物調査に選ばれる理由、具体的なメリット、最適な機種選定のポイントについて詳しく解説します。
構造物調査に3Dレーザースキャナーが選ばれる理由・メリット
構造物調査に3Dレーザースキャナーが選ばれる理由は次のとおりです。
巨大な構造物との相性が良い
構造物の調査で目視や打音検査などを行う際は、対象物に近づく必要があります。
巨大な構造物の検査では、高所作業車が必要な場合もあり、時間と手間が増大します。
しかし、3Dレーザースキャナーを使えば、100メートル以上離れた箇所でも正確に状態をチェックでき、手間を大幅に減らせます。
たとえば、橋梁の調査では、橋の下部や側面などアクセスが難しい箇所も遠隔から詳細にスキャンできます。
また、プラント施設では、高所に設置されたパイプや機器の点検を地上から行うことができ、作業の安全性と効率性が向上します。
コストダウン
3Dレーザースキャナーは、広範囲を一度に計測できるため、従来の方法と比較して点検にかかる時間や作業員の人数を減らすことができます。
これにより、作業時間と人的コストの両方を軽減することが可能です。
たとえば、トンネルの定期点検では、スキャナーを使うことで、手作業での点検と比べて大幅な時間短縮が実現し、トンネル閉鎖時間を最小限に抑えることができます。
データの正確性と迅速なフィードバック
3Dレーザースキャナーは、高精度の点群データを短時間で取得できるため、現場で即座にデータを確認し、必要に応じて再測定を行うことができます。
たとえば、高層ビルの外壁検査では、スキャナーを用いることで、一度のスキャンで詳細なデータを取得し、その場で問題箇所を特定できます。
これにより、補修作業の計画が迅速に立てられ、工期の短縮につながります。
3Dレーザースキャナーの構造物調査の事例
3Dレーザースキャナーの構造物調査の事例について詳しく見ていきましょう。
橋梁
橋の点検では、地上や足場からでは届かない箇所の点検が必要です。
専用の足場を設置する方法では、少しずつ足場を動かして点検を行うため、時間と手間と費用がかかります。
3Dレーザースキャナーを使って全体を素早く調査し、異常が見つかった部分を重点的に確認する方法が広まりつつあります。
たとえば、老朽化した橋の点検で、スキャナーを使用することで短時間かつ安全に全体の状況を把握し、迅速に補修計画を立てることができます。
プラント
巨大で複雑な構造を持つプラントでは、全体の形状を把握しにくく、増改築によって設計図が不明瞭になることも少なくありません。
3Dレーザースキャナーを使うことで、3Dモデルによる視覚的な全体像の把握や、詳細な設計図の作成が可能です。
擁壁
崖や盛り土によって設置される擁壁は、経年劣化や地震によってダメージを受ける可能性があります。
3Dレーザースキャナーを搭載した自動車(MMS)を使って移動しながら計測することで、広範囲の擁壁を迅速に調査できます。
たとえば、山岳地帯の擁壁調査でもMMSを使って効率的にヒビ割れや変形を発見し、必要な補修作業を迅速に行うことができます。
構造物調査に使う3Dレーザースキャナーの選び方
構造物調査に使う3Dレーザースキャナーは、次の観点から選定しましょう。
用途
TLSの選定には、対象現場や用途に応じた機種を選ぶことが重要です。
広範囲を一度にスキャンできる機種や、軽量で携帯しやすい機種などがあります。
たとえば、山間部の道路工事では広範囲をカバーできるTLSを選定することで、効率的な測量を実現できます。
精度と測定範囲
測定の精度と範囲も選定のポイントです。
高精度な測定が必要な場合や、広い範囲をカバーする必要がある場合は、それに応じた機種を選ぶことが求められます。
たとえば、都市部の再開発プロジェクトでは、高精度と広い測定範囲を兼ね備えたTLSを使用することで、正確なデータをスピーディーに取得できます。
サポートとメンテナンス
購入後のサポート体制やメンテナンスの容易さも考慮する必要があります。
迅速なサポートと定期メンテナンスにより、TLSの性能を長期間維持し、トラブルの発生を未然に防ぐことができます。
まとめ
3Dレーザースキャナーは、構造物調査において高い精度と効率性を提供し、さまざまな現場での利用が進んでいます。
巨大な構造物の調査における手間とコストを削減し、迅速かつ正確なデータ取得を可能にする3Dレーザースキャナーの導入は、今後ますます重要となるでしょう。
ヤマイチテクノでは、3Dレーザースキャナーを数多く取り扱っており、条件に合った製品をご提案できますので、まずはお気軽にご相談ください。
1989年入社以来、長年のCADシステムの営業経験を活かし現在3Dレーザースキャナーを中心に営業展開。東日本を担当する。
3Dレーザースキャナーの
販売・レンタル・計測業務受託
ハードウェア/ソフトウェアの販売から、機材のレンタル、計測業務受託まで
ヤマイチテクノは幅広い「3D技術」でお客様のご要望を叶えるお手伝いをいたします。