機材を背負って歩くだけでデータを取得できる3Dスキャナーとは?メリットを解説
3Dスキャナー技術の進化により、計測作業はますます効率的かつ手軽になっています。
特に、最近注目を集めているのが「ウェアラブル型3Dスキャナー」です。
機材を背負って歩くだけで広範囲のデータを迅速に取得できる画期的なシステムで、建築や土木、災害対応などの分野で活用が進んでいます。
従来の固定型スキャナーと比べて計測時間が大幅に短縮できる点や、複雑な形状の物体にも対応できる利便性が魅力です。
本記事では、ウェアラブル型3Dスキャナーの特徴やメリットについて詳しく解説します。
背負って歩ける3Dスキャナーとは?
近年注目を集めている3Dスキャナーの一種が「ウェアラブル型」または「バックパック型」です。
このタイプの3Dスキャナーは、機材を背負って歩くだけでデータを取得できるのが特徴で、赤外線レーザーを使って物体に照射し、その反射データから座標を記録します。
これにより、広範囲を短時間でスキャンすることが可能です。
背負って歩ける3Dスキャナーの特徴
ここでは、ウェアラブル型3Dスキャナーの特徴を解説します。
短期間で広範囲のデータ取得が可能
ウェアラブル型3Dスキャナーの大きな特徴は、広範囲のデータを短期間で取得できる点です。
たとえば、1日で約15,000平方メートルのエリアをスキャンすることが可能です。
従来の地上型3Dスキャナー(TLS:Terrestrial Laser Scanner)では、1回の計測に約30分かかることが多いですが、ウェアラブル型では同じ作業がわずか3分で完了します。
このように大幅な時間短縮が可能で、広いエリアや計測が頻繁に必要な場所での使用に最適です。
簡単な装着とシンプルな操作
ウェアラブル型3Dスキャナーは、機材を背負うだけで準備が整い、即座に計測を始められます。
設置場所や撮影計画、機材のセットアップなどが不要で、操作もシンプルなため、初心者でも扱いやすい点が魅力です。
迅速な対応が求められる建築現場や災害調査などでの利用に特に適しています。
複雑な形状の建物や空間にも対応可能
ウェアラブル型は、複雑な形状の建物や入り組んだ空間を移動しながらスキャンできるため、従来の固定型スキャナーでは難しかった場所でも正確なデータ取得が可能です。
データの取得漏れが少なく、多角的な視点から計測できる点が大きな利点です。
ハンディタイプ型3Dスキャナーとの比較
ウェアラブル型に加えて、最近では「ハンディタイプ型」の3Dスキャナーも普及しています。
ハンディタイプ型は、スマートフォンのカメラや専用の小型デバイスを使用して、近距離の対象物をスキャンする方式です。
高密度な点群データの取得が得意
ハンディタイプ型3Dスキャナーは、対象物に近接して計測を行うため、非常に詳細で高密度なデータを取得できます。
工業製品の検査やアート作品のデジタルアーカイブなど、精密な計測が必要な用途に適しています。
小型で持ち運びが容易
ハンディタイプ型はコンパクトで軽量なため、フィールド調査や移動が多い場合にも便利です。
特に、日常的なデジタル化作業や小型物体の計測に向いています。
ウェアラブル型3Dスキャナーのメリット
ウェアラブル型3Dスキャナーのメリットは次のとおりです。
計測時間の大幅な短縮
ウェアラブル型3Dスキャナーを使えば、計測時間が大幅に短縮されます。
設置やセットアップの手間が不要で、歩きながら計測できるため、広いエリアのスキャンもスムーズです。
柔軟な対応が可能
背負って移動しながら計測を行うウェアラブル型は、アクセスが難しいエリアや障害物が多い場所でも対応できます。
建設現場や森林、山岳地帯など、通常のスキャナーでは対応が難しい環境でも効果的にデータを収集できます。
多様な分野での活用が期待できる
ウェアラブル型3Dスキャナーは、建築や土木、災害調査、考古学など、多様な分野での活用が進んでいます。
複雑な形状や広大なエリアを迅速かつ正確に計測できるため、設計や分析において重要な役割を果たしています。
今後の3Dスキャナー技術の進化
3Dスキャナー技術は、さらなる小型化と高性能化が進むと予想されています。
ウェアラブル型やハンディタイプ型のスキャナーも、点群データの密度向上や色情報の取得能力が向上し、ますます精密で多機能な計測が可能になるでしょう。
3Dスキャナーはさらに多くの業界での導入が進み、作業の効率化と精度の向上に貢献することが期待されています。
まとめ
ウェアラブル型3Dスキャナーは、広範囲のデータを短時間で効率的に取得できる画期的な技術です。
装着が簡単で、移動しながら計測できるため、建築現場や災害対応など様々な分野で活躍しています。
今後も技術の進化が進み、さらなる高性能化と多用途への対応が期待される中、3Dスキャナーはますます重要なツールとなるでしょう。
1989年入社以来、長年のCADシステムの営業経験を活かし現在3Dレーザースキャナーを中心に営業展開。東日本を担当する。
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