測定器とは?役割や種類から選び方まで解説
測定器は、製造現場や研究開発、さらには日常生活においても、正確なデータを取得するために欠かせないツールです。
この記事では、測定器の基本的な定義から、その役割や種類、さらには適切な測定器を選ぶためのポイントまでを詳しく解説します。
測定器とは
測定器とは、物理的な量を測定するための装置や機器を指します。
長さ、温度、重さ、圧力、加速度など、さまざまな物理量を測定するための機器があります。
具体的な例として、ノギスやマイクロメーター、温度計などが挙げられます。
これらは、日常生活から製造現場、研究施設に至るまで、幅広い分野で使用されており、正確な数値を得るために不可欠な道具です。
測定器は、計測器や測定機と混同されることがありますが、それぞれに微妙な違いがあります。
測定器は、対象の物理量を直接測定し、その値を表示する機器です。
たとえば、ノギスは物体の外径や厚みを直接測定し、その数値を読み取ることができます。
また、温度計は対象物の温度を測定し、その結果を数値として表示します。
測定器の役割
測定器は、製品の品質管理や研究開発において、重要な役割を果たしています。
たとえば、製造現場では、製品の寸法や形状が設計図通りに作られているかを確認するために測定器が使用されます。
不良品の発生を防ぎ、製品の品質を安定させることができます。
測定器の役割は、単に数値を得ることだけではありません。
得られたデータをもとに、製品の改良点を見つけ出し、生産プロセスを最適化することも可能です。
たとえば、ある製品の寸法が設計値からわずかに外れていた場合、その原因を追究し、製造工程を調整することで、次回以降の生産においてはより精度の高い製品を作り出すことができます。
また、測定器は研究開発の現場でも欠かせないツールです。
新しい素材や製品の特性を把握するために、物理的な量を正確に測定することが必要です。
測定器を使用することで、研究者はデータに基づいて仮説を立て、実験結果を分析することができます。
測定器と計測器の違い
測定器と計測器は、しばしば混同されがちな用語ですが、それぞれに異なる意味があります。
測定器は、単純にある物理量を測定し、その値を示す機器を指します。
一方、計測器は、測定器を含むより広範な意味を持ち、特定の目的に応じて物理量を計測するための装置やシステム全体を指します。
日本産業規格(JIS Z 8103)によると、測定は「ある量を、基準として用いる量と比較し数値や符号を用いて表すこと」と定義されています。
これに対して、計測は「特定の目的を持って、事物を量的にとらえるための方法や手段を考究し、その結果を用いて目的を達成させること」とされています。
この定義からもわかるように、計測は測定を含む広い概念であり、測定器はその一部に過ぎません。
さらに、「測定器」と「測定機」という用語も存在します。
測定器は手に持って使用する小型の機器を指し、測定機はモーターなどの駆動部を備えた装置で、機械的な動作を伴うものです。
このように、測定器、計測器、測定機はそれぞれ異なる特徴を持っており、用途や目的に応じて使い分けられています。
測定器の種類
測定器にはさまざまな種類があり、用途や対象物に応じて使い分けられます。
以下に、代表的な測定器の種類をいくつか紹介します。
マイクロメーター
マイクロメーターは、ノギスよりも高い精度で測定ができる測定器です。
通常、1μm単位での測定が可能で、特に薄いフィルムや精密部品の厚みを測定するのに適しています。
用途に応じて、外側マイクロメーターや内側マイクロメーター、デプスマイクロメーターなど、さまざまな種類があります。
ノギス
ノギスは、物体の長さや太さを測定するための測定器です。
外側用ジョウを使用して外径を測定したり、内側用ジョウで内径を測定したりすることができます。
また、段差測定や深さ測定も可能です。ノギスは、金属加工や木工の現場で広く使用されており、その精度は0.1mm単位まで測定可能です。
三次元測定機
三次元測定機は、物体の形状や位置を三次元空間で測定する装置です。
接触式と非接触式の2種類があり、接触式ではプローブを使って測定点を物理的に測ります。
非接触式では、レーザーや光を利用して測定します。
三次元測定機は、航空宇宙や自動車産業など、高精度な測定が求められる分野で活躍しています。
レーザートラッカー
レーザートラッカーは、レーザー光を用いて対象物の三次元座標を高精度で測定する装置です。
リフレクタに向けてレーザーを照射し、反射して戻ってくる光を解析することで、対象物の位置を正確に把握します。
大型構造物や精密機器の位置合わせに利用されており、自動化システムにも対応しています。
測定器の選び方
測定器を選ぶ際には、以下のポイントに注意する必要があります。
測定の目的に合わせて選ぶ
まず、測定する目的を明確にしましょう。
たとえば、製品の寸法を測定するのか、温度を測るのか、圧力を測定するのかによって、選ぶべき測定器は異なります。
測定目的を明確にすることで、適切な測定器を選ぶことができます。
対象物に合った測定器を選ぶ
対象物の形状や材質によっても、適した測定器は変わります。
たとえば、複雑な形状を持つ対象物や柔らかい材質の物体を測定する場合は、非接触式の測定器が適しています。
一方、硬い物質やシンプルな形状であれば、接触式の測定器でも十分です。
求める精度の測定器を選ぶ
測定器の精度も選定の重要なポイントです。
測定の精度が高いほど、細かい差異を検出できますが、通常はコストも高くなります。
まとめ
正確な測定を行うためには、測定目的や対象物に適した測定器を選ぶことが不可欠です。
また、計測器や測定機との違いを理解することで、さらに適切な機器選びが可能となります。
ヤマイチテクノでは、三次元測定機を取り扱っておりますので、測定器をお探しの方はお気軽にご相談ください。
1989年入社以来、長年のCADシステムの営業経験を活かし現在3Dレーザースキャナーを中心に営業展開。東日本を担当する。
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