顔を3Dスキャンする方法は?用途についても解説
近年、3Dスキャン技術が急速に発展し、スマートフォンや専用スキャナーを使って手軽に顔の3Dデータを取得できるようになりました。
3Dスキャンは趣味やエンターテインメントだけでなく、医療、歯科、CGI、顔認識など幅広い分野で活用されています。
本記事では、顔の3Dスキャンの方法とその用途について詳しく解説します。
顔を3Dスキャンする方法
顔の3Dスキャンを行う方法は、大きく分けて以下の2つに分類されます。
【1】スマートフォンを使用した3Dスキャン
最新のスマートフォンには高性能カメラやLiDARセンサーが搭載されており、専用アプリを使用することで簡単に顔の3Dスキャンが可能です。
特にiPhone 12 Pro以降のモデルや2020年以降に発売されたiPad Proは、Face ID用のTrueDepthカメラとLiDAR技術を活用して高精度のスキャンができます。
代表的な3Dスキャンアプリには以下のものがあります。
アプリ | 特徴 |
---|---|
Polycam – LiDAR 3D スキャナー | 処理はデバイス上で完結し、インターネット接続は不要。 スキャン回数に制限もなく、数秒で高品質な3Dデータを作成できます。 3Dデータで、任意の2点間距離を簡単に測定できます。 |
Scaniverse – 3D Scanner | 無料かつ高速で3Dガウス・スプラッティングを実現できるアプリです。 スマホだけで手軽に3Dスキャンを作成し、スキャンしたデータを世界地図上で共有できます。 |
3D Scanner App | 撮影からデータ編集、エクスポートまでの処理がスムーズに行えるため、手軽に高品質な3Dモデルを作成できます。 |
スマートフォンでのスキャンは手軽に行えますが、細かいディテールの再現性はプロ仕様のスキャナーに比べて劣ります。
【2】プロ仕様の3Dフェイススキャナーを使用
より高精度な3Dスキャンを求める場合は、専用の3Dフェイススキャナーを使用するのが最適です。
プロ仕様のスキャナーは、以下の技術を活用して高精度なスキャンを実現します。
- ●【構造化光3Dスキャン】・・対象物にパターンを投影し、変形を読み取って3Dデータを作成
- ●【LiDAR】・・レーザーを使って物体までの距離を計測
- ●【フォトグラメトリ】・・複数の写真を撮影し、ソフトウェアで3Dモデルを構築
顔の3Dスキャンの用途
顔の3Dスキャン技術は、エンターテインメントから医療、セキュリティまで幅広い分野で活用されています。
以下に代表的な用途を詳しく解説します。
3Dスキャンブースを利用
商業施設やイベント会場では、3Dスキャンブースを設置して顔や全身の3Dデータを取得するサービスが提供されています。
これらのブースには複数の高性能カメラが搭載されており、360度から一瞬で撮影し、正確な3Dモデルを作成することが可能です。
3Dスキャンブースは、高精度なスキャンができるだけでなく、利用者にとっても手軽で短時間で済むというメリットがあります。
例えば、大型イベントや観光地では、訪れた人の顔を3Dデータ化してフィギュアや3Dプリントアイテムとして提供するサービスが人気を集めています。
また、ファッション業界では、個人の体型をスキャンしてカスタムオーダーメイドの服やアクセサリーを製作する取り組みも進んでいます。
CGI・ゲーム・映画
3Dスキャンは、映画やゲーム業界で重要な技術として活用されています。
俳優の顔や表情を3Dスキャンすることで、リアルなCGキャラクターを作成し、映画やビデオゲームのアニメーションに使用できます。
例えば、大ヒット映画では、俳優の顔の動きをリアルタイムでキャプチャし、その表情をCGキャラクターに反映させることで、より自然で感情豊かな演技を再現しています。
ゲーム業界では、プレイヤーが自分の顔をスキャンし、ゲーム内のキャラクターとして使用できる機能も開発されています。
医療・歯科
医療分野では、3Dスキャンを活用して患者の顔の形状を正確にデータ化し、手術計画や治療の精度を向上させるのに役立てられています。
例えば、形成外科では、患者の顔をスキャンして手術前後のシミュレーションを行い、理想的な仕上がりを事前に確認することが可能です。
歯科分野でも、インプラント治療や矯正治療のシミュレーションに3Dスキャン技術が活用されています。
特に、歯並びの矯正では、患者の顔のデータをもとに最適な治療計画を立案し、患者ごとにカスタマイズされた矯正装置を作成することができます。
顔認証・セキュリティ
スマートフォンのFace IDに代表されるように、顔認証技術はセキュリティ分野で広く利用されています。
銀行のオンライン認証や空港の入国審査では、高精度な3Dスキャンを用いた顔認証システムが採用され、従来のパスワードや指紋認証に代わる高度なセキュリティ技術として活用されています。
また、企業のオフィスや研究機関では、顔認証による入退室管理システムが導入されており、不正アクセスを防ぐための重要な手段となっています。
さらに、警察や法執行機関では、犯罪捜査において顔認証技術を用いて指名手配犯の特定や監視を行うケースも増えています。
カスタム製品の制作
3Dスキャン技術を活用することで、個人の顔にぴったり合ったカスタム製品を制作することが可能です。
例えば、メガネフレームのデザインでは、顔の形状をスキャンして最適なフィット感を実現するオーダーメイドのメガネを製作することができます。
また、3Dプリンタと組み合わせることで、ユーザー自身の顔をスキャンし、フィギュアやアクセサリーとして再現できます。
例えば、ウェディングや記念日のギフトとして、自分や家族の顔を3Dプリントしたオリジナルの置物を作成するサービスも人気を集めています。
まとめ
顔の3Dスキャンは、スマートフォンを使った簡単な方法から、プロ仕様のスキャナーを活用した高精度な方法まで幅広い選択肢があります。
また、用途もCGI、医療、顔認証、カスタム製品の製造など多岐にわたります。
技術の進化により、今後ますます身近な存在となるでしょう。
ヤマイチテクノでは、3Dスキャンに必要な3Dレーザースキャナーをはじめ、関連製品を数多く取り揃えております。まずはお気軽にご相談ください。

1989年入社以来、長年のCADシステムの営業経験を活かし現在3Dレーザースキャナーを中心に営業展開。東日本を担当する。
3Dレーザースキャナーの
販売・レンタル・計測業務受託
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