【3Dプリンターの活用事例】樹脂金型やプレス金型への活用のポイント

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2023/03/07

【3Dプリンターの活用事例】樹脂金型やプレス金型への活用のポイント

 

3Dプリンターを使用すると、3Dデータを元に樹脂や金属を用いて金型を作成できます。
従来では、手作業や機械加工によって金型を作製していましたが、3Dプリンターで作製する企業も増えています。

そこで今回は、3Dプリンターの活用事例として、樹脂金型やプレス金型への活用のポイントやメリットなどについて詳しく解説します。

3Dプリンターによる樹脂型の作製

樹脂金型は、高温で溶かした樹脂を注入して成形するための金型です。
高温の樹脂に耐えるために、金型そのものは金属を切削加工して作成します。
金属から金型を作るには時間とコストがかかるため、生産数が少ない製品用に作る場合は十分な利益が出ないという問題があります。

このような問題を解決するのが、3Dプリンターで作る光硬化性樹脂の型です。
光硬化性樹脂は高温の環境下でも柔らかくなったり溶けたりしないため、高温の樹脂に耐えることができます。

ここで気になるのが、同じ樹脂同士が触れると結合してしまう可能性ではないでしょうか。
光硬化性樹脂は製品の材料となる熱可塑性樹脂と組成が異なるため、結合する心配はありません。

3Dプリンターで光硬化性樹脂の樹脂型を作ることで、樹脂金型ではコストと利益のバランス上どうしても難しかった小ロットでの製品の生産が可能になります。

3Dプリンターによるプレス型の作製

3Dプリンターは、プレス型の作製にも役立ちます。
プレス金型は金属を切削加工して作られていますが、これは金属板を挟んで成型する際の摩耗と圧力に耐える必要があるためです。
樹脂金型と同じく作製には時間とコストがかかるため、小ロットの生産には対応できませんでした。

そこで注目されているのがオニキスとカーボンファイバーを組み合わせたプレス型です。
金属板に触れる表面は摩耗と圧力に耐えられるオニキスを使用し、内部には優れた強度を持つカーボンファイバーを組み込むことで、プレスに耐えられる型になります。
3Dプリンターを使用すれば、これらの素材を使用したプレス型を低コスト・高効率で作製できます。

3Dプリンターで型を作るメリット

3Dプリンターで型を作ることには、コスト削減や作製時間の短縮などのメリットがあります。
各メリットについて詳しくみていきましょう。

コストを抑えられる

3Dプリンターを使用する場合、1個数千円~数万円で型を作製できます。
一方、金型は小さいものでも数百万円以上ものコストがかかります。コストと品質は比例するケースがありますが、3Dプリンターで作る型については比例しません。
むしろ、手作業ではなく機械で型を作るため、品質は金型よりも安定していると言えるでしょう。

小ロットに対応できる

小ロットの生産において、金型を作ることは通常できません。
金型の作製には多大なコストと時間がかかることで、小ロットでは利益よりも金型のコストの方が高くなるためです。
一方、3Dプリンターで作る場合はコストを抑えられるため、小ロットの生産に対応できます。

また、形状が少しだけ異なる多種目の製品の小ロット生産も可能になります。
競合他社が小ロットに対応していない場合、自社にとってのアドバンテージとなるでしょう。

型を速やかに作製できる

3Dプリンターで型を作るのにかかる時間は1日~数日程度と、1ヶ月程度かかる金型よりも早く作製できます。
型を早く作製できれば生産開始も早くなるため、より短納期での納品が可能になります。

修正が簡単かつ短時間で行える

金型の修正には金属加工が必要なため、どうしても時間がかかります。
3Dプリンターで作った型は、3Dデータを簡単に修正するだけで新しい型を作製できます。
修正が簡単かつ短時間で行えるため、短期間で型のブラッシュアップが可能です。

試験的ものづくりに役立つ

試験的ものづくりは、小ロットで生産して試験販売し、売れ行きが好調だった製品のみ本格的に生産する方法です。
3Dプリンターを使うと、低コストかつ短期間で型を作製できるため、試験的ものづくりに役立つでしょう。

3Dプリンターで型を作るデメリット

3Dプリンターは低コストかつ短期間で作れる一方で、次のデメリットがあります。

耐久性が低い

耐久性が低いため、長期間は使用できません。
また、1つの型で作れる数は数十個程度のため、大量生産したい場合は複数の型を作る必要があります。

サイズが限られる

3Dプリンターで作る型は、金型とは異なりサイズが限られます。
また、型を作れる3Dプリンターの機種や素材も限定されているため、専門業者に選び方のアドバイスを受けたうえで機器を選ぶ必要があります。

まとめ

3Dプリンターで作る型は、樹脂金型やプレス金型の代わりとなります。
低コストかつ短期間で作製できるため、小ロット&多種目の製品にも対応可能です。

3Dプリンターの導入を検討する際は、ヤマイチテクノまでお気軽にご相談ください。
ご希望を踏まえて最適と思われる3Dプリンターをご提案いたします。

この記事の監修者

1989年入社以来、長年のCADシステムの営業経験を活かし現在3Dレーザースキャナーを中心に営業展開。東日本を担当する。

3Dレーザースキャナーの
販売・レンタル・計測業務受託

ハードウェア/ソフトウェアの販売から、機材のレンタル、計測業務受託まで
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