クローラ型走行ロボットの試作機の製作は3Dプリンターで!メリットを解説

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2022/11/01

クローラ型走行ロボットの試作機の製作は3Dプリンターで!メリットを解説

ロボット技術はめまぐるしい発展を遂げており、掃除や接客、搬送といった複雑性が求められるサービスもロボットが担う時代が到来しています。
家庭用から産業用まで、用途に応じたロボットが開発されており、今後大きく発展する業界と言えるでしょう。

その中で、ロボットのものづくり改革に取り組んでいるのが「リコー」です。
リコーは、クローラ型走行ロボット(自立移動ロボット)の開発に3Dプリンターを使用しています。

今回は、リコーのクローラ型走行ロボットの開発における3Dプリンターの有用性について解説します。

クローラ型走行ロボットとは

クローラ型走行ロボットとは、あらゆる環境下に適応し、与えられた業務を遂行できるロボットです。
従来のロボットは、段差や草地など平坦ではない場所での活動が制限されていました。
活動できる区域が限られているうえに、状況次第では人の助けが必要になります。

それではロボットを活用するメリットを十分に得られないでしょう。
そこでリコーは、段差や草地などの平坦ではない場所でも活動できる「クローラ型走行ロボット」を開発しました。

移動方式にゴムベルトを採用することで、あらゆる形状の場所で活動できます。

クローラ型走行ロボットの特徴

クローラ型走行ロボットはあらゆる環境下で活動するために、移動方式が工夫されています。
移動方式にゴムベルトの走行部を持つクローラ型を採用することで、草地や砂利道、段差などでも活動できるようになりました。

また、建設現場での資材の運搬や牽引、ビル点検、警備、農作物の収穫などの作業を想定しているため、約60cmのサイズで時速3~5kmで走行できることを条件としています。
さらに、人と一緒に作業するため、その場の雰囲気になじむデザインにもこだわりを持っています。

3Dプリンターを活用できる設計

クローラ型走行ロボットの試作機は、3Dプリンターを使用することを前提とした設計です。
3Dプリンターを使用することで、短期間で作製できます。
試作機は検証・改善を繰り返すことが前提のため、なるべくコストを抑えつつ短期間で製作することが重要です。

クローラ型走行ロボットを構成する部品の中でも外装パーツは、最終段階で仕様やデザインを決定することが多いため、スケジュールの観点から通常工法での作製が難しいとのことです。

リコーの事例からわかる3Dプリンターのメリット

今回、紹介したリコーの事例からは、3Dプリンターを活用するメリットが見えてきます。
3Dプリンターのメリットについて詳しくみていきましょう。

短時間で製作できる

通常、金型を作って部品を製作するところ、3Dプリンターはデータをもとに製作します。
金型を作る工程、時間を削減できるため、それだけ期間中に製作できる部品の数が多くなります。

アイデアを簡単に具現化できる

さまざまなアイデアを出して金型を作り、実際に部品を製作する場合、コストの観点から具現化するものを厳選しなければなりません。

3Dプリンターは、機器を購入してしまえば材料費や電気代などだけで製作できます。

そのため、さまざまなアイデアを比較的容易に具現化し、実物ベースで採用する部品を選定できるのです。

コスト削減

3Dプリンターを使えば金型を使わずに作製できるため、金型の発注・作製にかかるコストを削減できます。

3Dプリンターは3Dデータと素材のみで部品を製作できるため、金型を外部に発注する必要もありません。

外部に発注する場合は情報漏えいのリスクを伴うため、経営リスクの観点からもなるべく3Dプリンターを使用した方がよいと言えます。

場所や量を問わない

金型を作製する場合は、ある程度の量を製作しなければ割に合いません。

3Dプリンターであれば、1個から気軽に製作できます。

また、3Dプリンターや素材を持ち運べる場合は、製作の場所に制限がほとんどかかりません。

容易に調整できる

変更や改良を加える場合は、新たに金型を作ることになります。

3Dプリンターは3Dデータを簡単に調整するだけで新規格で部品を作製できます。

また、使用していたパーツが製造中止になったとしても、3Dデータがあれば独自に製作することも可能です。

まとめ

リコーのクローラ型走行ロボットは、3Dプリンターで製作することを想定して設計されています。

それほどまでに3Dプリンターはコストカットや効率化の観点から有用なものであるということです。

今後も3Dプリンターは急速に普及することが見込まれています。

 

3Dプリンターは、ハンディタイプや据置タイプ、接触・非接触などがあり、用途に合わせて選ばなければなりません。

ヤマイチテクノでは、3Dプリンターの提供から選定のアドバイス、サポートまで対応しておりますので、まずはお気軽にご相談ください。

この記事の監修者

1989年入社以来、長年のCADシステムの営業経験を活かし現在3Dレーザースキャナーを中心に営業展開。東日本を担当する。

3Dレーザースキャナーの
販売・レンタル・計測業務受託

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