ドローンのレーザー測量とは?種類・メリット・デメリット・活用シーン

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2023/07/13

ドローンのレーザー測量とは?種類・メリット・デメリット・活用シーン


 
ドローンのレーザー測量は、ドローンに搭載されたレーザースキャナーを使用して地形や建物の精密な測量を行う方法です。
測量方法の種類に応じて特徴が異なるうえに、メリットだけではなくデメリットもあるため、事前に基本情報を確認して導入の可否を判断しましょう。
 
本記事では、ドローンのレーザー測量の特徴や航空レーザー測量との違い、メリット・デメリット、活用シーンなどについて詳しく解説します。

ドローンのレーザー測量とは

ドローンのレーザー測量は、ドローンに搭載されたレーザースキャナーを使用して地形や建物を精密に測量する方法です。
レーザースキャナーから発するレーザーは、対象物から跳ね返って機器に戻ってきます。
この情報から対象物までの距離や形状などを計測します。
 
取得したデータは専用ソフトに取り込むことで、地図情報や3Dモデルの作成が可能です。

航空レーザー測量との違い

航空レーザー測量とは、航空機に搭載したレーザースキャナーや撮影機などで行う測量のことです。
ドローンのレーザー測量との違いについて詳しく見ていきましょう。

カバーできる範囲と解像度

航空レーザー測量は、航空機を使うことで広い地域を撮影できるため、一度に多くのデータを取得できます。
しかし、撮影距離が遠いため、データの解像度はやや低くなります。
大規模な地域の地形把握や標高情報の収集には適しています。
 
一方、ドローンのレーザー測量はドローンが近距離から測量するため、特定の箇所の測量が可能です。
特に細かな地形の把握や建物の詳細な測量に適しています。

行える地域

航空レーザー測量は上空から測量するため、人が入り込むことが難しい地域や広大な地域でも測量できます。
ドローンのレーザー測量はドローンが到達できる範囲に限定されます。

天候の影響

航空レーザー測量は天候の影響を受けてレーザーが対象物にうまく届かない場合があります。
つまり、データの正確性が天候に左右されます。
一方、ドローンを用いたレーザー測量は航空機と比べて雨風の影響を受けにくいため、ある程度一貫性のあるデータを取得できます。

コスト

航空レーザー測量は、機材の運用や飛行費用に高いコストがかかります。
一方、ドローンのレーザー測量は機器本体の価格は当然ながら測量にかかる費用も低いため、航空レーザー測量に比べて低コストで運用できます。

ドローン測量の種類

ドローンを用いた測量には、レーザー測量のほかに写真測量やグリーンレーザー測量があります。
それぞれの特徴について詳しく見ていきましょう。

写真測量

光学カメラを使用して地上を撮影する測量方法です。
撮影した写真をつなぎ合わせることで地形の詳しい写真を作成します。
レーザー測量よりもコストが低いものの、障害物にさえぎられて写真1枚あたりの情報量が減るため、行える場所は限られています。

レーザー測量

ドローンに3次元レーザースキャナーを搭載し、反射した光線の情報を基に地表との距離を測定する方法です。
写真測量よりも精密な地表データを取得できますが、機材費用が高く測量費用が高額になることがデメリットです。

グリーンレーザー測量

水底まで到達する特殊なグリーンレーザーを使用し、水辺を測量する方法です。
水の透明度に精度が左右されますが、水陸両方のデータを同時に取得できます。
また、機材費が高く、大型のドローンが必要な場合があります。

ドローンのレーザー測量のメリット

続いて、ドローンのレーザー測量のメリットについて詳しく見ていきましょう。

高精度のデータを取得できる

ドローンの低空からの測量により、高精度のデータを取得できます。
レーザーが散乱・反射する心配が少なく、安定的に高精度な測量結果を得られます。

狭い場所や人が入れない場所も測量できる

ドローンを使用した測量では、コンパクトで小回りが利く特性を活かし、狭い場所や人が入れない地域でも測量を行うことができます。
例えば、建物の屋根や高い塔、橋の下など、従来の測量方法ではアクセスが難しかった場所でもドローンが活躍します。
ドローンは空中を自由に移動することができるため、建物の屋根や高所に立ち入ることなく、必要なデータを収集することが可能です。
また、橋の下やトンネル内など、人が入り込むことが難しい場所でもドローンが柔軟に測量を行うことができます。

広範囲を短時間で測量できる

ドローンは高い機動性を持ち、上空からの測量が可能なため、短時間で広範囲の土地を効率的に測量できます。
これにより、作業時間を大幅に短縮し、人件費の削減にもつながります。
 
例えば、数百ヘクタールに及ぶ広大な土地でも、わずか数日間の作業で測量を完了することが可能です。
この迅速な作業効率は、従来の測量手法とは比較にならないほどのスピードと効率性を提供します。
 
また、人件費の削減にもつながります。
従来の測量手法では、多数の作業員が現地に立ち入り、長時間の作業を行う必要がありました。
しかし、ドローンによる測量では、わずかな人員で遠隔操作を行いながら、効率的かつ安全に測量を進めることができます。
これにより、作業に要する人件費を大幅に削減できます。

ドローンのレーザー測量のデメリット

続いて、ドローンのレーザー測量のデメリットについて詳しく見ていきましょう。

長時間の測量には不向き

ドローンはバッテリーで稼働するため、その容量に応じて航空可能時間が変わってきます。
超広範囲の土地を一度に測量することは難しい場合があります。
ドローンの飛行時間はバッテリー容量に依存し、通常は20分から40分程度です。
 
ただし、ドローンは短い飛行時間である一方で、再充電やバッテリー交換が比較的容易であり、短時間で複数回の測量も可能です。
大規模な土地を測量する際には、複数のドローンを用いたローテーションや、特定の範囲ごとに分割して測量することも検討しましょう。

コストが高い

レーザー測量には高価な機材が必要であり、写真測量に比べて費用が高くなります。
レーザースキャナ-本体や関連機器、ドローン本体、保守費用などが含まれます。
しかし、高精度な測量結果が得られる利点もあるため、費用対効果を考慮してドローンのレーザー測量が適しているかどうかを判断しましょう。
 
大規模な測量プロジェクトや精密な測量が必要な場合には、ドローンのレーザー測量の利点が大きくなります。
一方、小規模な測量や精度にあまりこだわらない場合には、コスト面でのメリットが少なくなる可能性があります。

ドローンのレーザー測量の活用シーン

ドローンのレーザー測量は、次のようなシーンで活用できます。

土木工事

建設現場や道路工事など、地形や地盤の測量が必要な場合にドローンのレーザー測量が活用されます。

特に樹木の生い茂る地域や複雑な地形の場合でも、高精度なデータを取得できます。

電線点検

電力会社や通信事業者などは、送電線や通信ケーブルの点検にドローンのレーザー測量を利用します。

樹木との隔離評価やケーブルの位置確認など、人的コストと点検時間を削減できます。

森林計画

森林保安や林業計画においてもドローンのレーザー測量が活用されます。

樹木の分布や樹高、地形の変化などを詳細に把握することで、森林の管理や資源利用の最適化に役立ちます。

災害対応

自然災害や環境変化による被災地の復旧・再建においても、ドローンのレーザー測量が有効です。

地形や被害状況の把握、土地の安全性評価などを迅速かつ正確に行うことができます。

まとめ

ドローンのレーザー測量は、航空レーザー測量と比べて低コストで高精度のデータを取得できます。
導入時には、ドローンとレーザースキャナーの相性なども考慮しなければならないため、専門業者のサポートを受けることが大切です。
 
ヤマイチテクノでは、3Dレーザースキャナーを数多く取りそろえており、測量できる体制構築のサポートも行っておりますので、どうぞお気軽にご相談ください。

この記事の監修者

1989年入社以来、長年のCADシステムの営業経験を活かし現在3Dレーザースキャナーを中心に営業展開。東日本を担当する。

3Dレーザースキャナーの
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