ドローンを用いた橋梁点検のメリット|導入時の注意点も解説

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2023/01/20

ドローンを用いた橋梁点検のメリット|導入時の注意点も解説

国土交通省道路局によると、令和元年12月辞典における橋梁の数は全国約72万で、そのうち7割以上の約51万が市町村道です。これだけ多くの橋梁の維持管理には莫大なコストと人的リソースが必要でしょう。そこで注目されているのがドローンを用いた橋梁点検です。

今回は、ドローンを用いた橋梁点検のメリットや導入時の注意点などについて詳しく紹介します。

橋梁点検の課題

国や自治体が管理している橋梁は、5年に1回の点検が必要です。国家資格を有する技術者が品質確保できているかどうかを目視や打診、触診などで点検します。小さくアクセスが容易な橋梁であれば、比較的短時間で点検できるでしょう。

しかし、大きなものや交通規制を伴うものについては、点検に莫大な時間とコスト、人的リソースが必要です。

ドローンとは

ドローンの定義は、無線操縦で動かす無人機です。元々は無人の車両や航空機、船舶などを指す名称でしたが、2010年以降には「無人で遠隔操作または自動操縦できる200g以上の機体」をドローンと呼ぶようになりました。

ちなみにドローンと混同されやすいラジコンヘリも200g以上の場合はドローンに含まれます。ただし、プロペラが4つのものをドローン、1~2つのものをラジコンヘリと呼ぶことが一般的です。

ドローンを用いた橋梁点検のメリット

ドローンを用いた橋梁点検には、次のメリットがあります。

コスト削減

橋梁点検の際は、交通規制や足場の作成などが必要になるため、莫大なコストがかかります。また、巨大な橋梁はそれだけ点検箇所が多いため、多くの技術者の派遣が必要です。点検も複数日に及ぶため、労力も大きくなります。

ドローンは橋梁を撮影できるため、損傷箇所の確認が可能です。損傷箇所にレベルをつけて、作業員の割り振りを決めるのにも役立つでしょう。

効率化

ドローンに広角カメラを搭載することで、広範囲の撮影が可能です。従来のカメラとは異なり高画質のため、拡大することで細部まで確認できます。

過去の点検記録を容易に検索できる

場合によっては過去の点検記録を参照しますが、紙の資料を探すのには手間と時間がかかります。また、資料の保管スペースも問題になるでしょう。ドローンで撮影した写真データはデジタルファイルとして保管するため、点検年月日や橋梁の名称などで容易に検索できます。

安全性の向上

ドローンを用いた橋梁点検には、高所作業による労働災害のリスクがありません。また、事前にドローンで危険な場所を撮影し、安全面のリスクを把握して必要な対策を講じたうえで作業員が点検を行うこともできます。

ドローンを用いた橋梁点検の注意点

ドローンを用いた橋梁点検を行うにあたり、機器の選び方や法律などに注意点があります。次の注意点を押さえてドローンの導入を検討しましょう。

一定以上の性能のものを使用する

画質が荒いカメラを使用すると、損傷箇所の見落としにつながります。どれだけ安価でも、橋梁点検を効率化するという目的を達成できなければ元も子もありません。また、暗い場所は可視カメラでの撮影が困難なため、赤外線カメラも搭載したドローンを選びましょう。

 

赤外線カメラは熱を感知して温度の差異を映し出すことができるため、橋梁内部の損傷まで確認可能です。

現行の法律では点検サポートにしか使えない

ドローンを用いた橋梁点検は、2023年1月時点において法律では認められていません。5年に1回は技術者による点検箇所の近接目視が義務づけられています。近接目視には、触診および打診による点検方法が含まれているため、これらの点検が行えないドローンでは法定点検の条件を満たすことができません。

あくまでも、作業を少しでも効率化したり、安全性を高めたりするためのものと認識しましょう。もちろん、法改正によってドローンによる点検ができるようになる可能性もあるため、今から準備を進めておくのも1つの方法です。

3Dレーザースキャナーも橋梁点検に役立つ

3Dレーザースキャナーとは、スキャンした対象物の点群データを取得できる機器です。点群データを専用ソフトに取り込むことで3Dモデルを作成できます。損傷図作成や損傷調査などの効率化やコスト削減、安全性の向上などを実現できることから、すでに橋梁点検に導入されています。

福岡県が管理する弁天橋の修繕にあたり、3Dレーザースキャナーを用いた損傷調査や損傷図作成が行われました。ドローンと3Dレーザースキャナーを組み合わせることで、橋梁点検の作業効率が高まると考えられます。

まとめ

ドローンを用いた橋梁点検には、安全性の向上や業務効率化などのメリットがありますが、法律の問題からドローンだけで点検を完了することはできません。まずは、3Dレーザースキャナーを導入して、損傷図作成や損傷調査の効率化を図ることをおすすめします。

 

ヤマイチテクノでは、3Dレーザースキャナーの提案だけではなく、選び方や使用方法のアドバイスまで対応しておりますので、お気軽にご相談ください。

この記事の監修者

1989年入社以来、長年のCADシステムの営業経験を活かし現在3Dレーザースキャナーを中心に営業展開。東日本を担当する。

3Dレーザースキャナーの
販売・レンタル・計測業務受託

ハードウェア/ソフトウェアの販売から、機材のレンタル、計測業務受託まで
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