フォトグラメトリとは?3Dスキャンとの違いや活用方法を解説

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2023/08/03

フォトグラメトリとは?3Dスキャンとの違いや活用方法を解説

 

フォトグラメトリは、写真や画像を用いて物体の3次元モデルを生成する技術です。
19世紀半ばから始まり、今では広く普及しています。
複数の画像から物体の形状やテクスチャを読み取り、リアルな3DCGコンテンツを制作することが可能です。
 
今回は、フォトグラメトリの特徴や3Dスキャンとの違い、活用方法などについて詳しく解説します。

フォトグラメトリとは

フォトグラメトリ(Photogrammetry)は、写真測量法のことで、対象物をさまざまな角度から撮影し、それらの写真をコンピューターで解析して3Dモデルを生成する手法です。
生成する3Dモデルのリアルさに応じて必要な画像データの数は異なり、一般的には100枚前後の写真が必要とされています。

フォトグラメトリの活用方法

フォトグラメトリは、次のように活用されています。

AIやロボット関連

フォトグラメトリは、AIロボットや無人コンビニなどに幅広く活用されています。
さまざまなアングルから撮影された物体のデータをAIに読み込ませ、物体の把握や認識のための重要な教師データとして使用できます。

また、無人店舗で客が手に取った商品のデータを照合し、選択および購入のデータとしての活用も可能です。

バーチャル世界における実際の商品の再現

バーチャルECやメタバース内で、現実世界の商品を再現するための方法としても活用されています。
フォトグラメトリによる撮影は手間がかかる一方、現実と見違えるほどにリアルな3Dモデルを作製できます。

地形調査、測量、史跡保護など

フォトグラメトリは、航空写真やドローンで撮影された画像を用いて地形や建造物の三次元モデルを作成する際に活用されます。
これにより、土地の測量や地形の変化のモニタリング、歴史的な建造物や遺跡の保護・保存活動などが可能です。

3DCGゲームなどの制作

フォトグラメトリは、3DCGの制作においても重要な役割を果たしています。
リアルな環境やキャラクターを再現するために、実際の物体や風景を写真撮影し、フォトグラメトリによって三次元モデル化します。
これにより、ゲームや映像作品内の世界をより現実的に描くことが可能となります。

フォトグラメトリと3Dスキャンの違い

フォトグラメトリと似たものに3Dスキャンがあります。
それぞれの違いは以下のとおりです。

 

項目 フォトグラメトリ 3Dスキャン
データ化手法 写真を解析・統合して作成 レーザーや白色光で座標を取得
価格 数十万円~数百万円程度 数百万円程度
修正のしやすさ 撮影箇所の修正が容易 部分修正が難しいが高精度なデータの取得が可能

フォトグラメトリに必要なもの

続いて、フォトグラメトリに必要なものについて詳しく見ていきましょう。

カメラ

カメラはフォトグラメトリに必須です。
高性能なデジタル一眼レフカメラが理想的ですが、スマートフォンのカメラでも解像度や機能次第では利用できます。
 
高性能カメラほど、細かいディテールや色の違いをキャプチャし、より高精度な3Dモデルを生成できます。

パソコン

フォトグラメトリのデータ処理は計算量が多いため、処理能力が高いパソコンが望ましいです。
特に大規模なデータセットを扱う場合や複雑な解析を行う場合には、高性能なパソコンを使用した方がよいでしょう。
 
また、処理速度が早いほど、3Dモデルの生成や修正を迅速に行えます。

ソフトウェア

フォトグラメトリを実行するためには、専用のソフトウェアが必要です。
ソフトウェアごとに特長や使い勝手が異なるため、目的や作業フローに合ったソフトウェアを選ぶことが重要です。
無料の体験版を試すことで、自分に合ったソフトウェアを見つけることができるでしょう。

フォトグラメトリで撮影できるもの・できないもの

撮影できるもの 撮影できないもの
・多彩な模様があるもの ・つるつるした質感のもの
・白飛びしやすいもの
・非常に小さなもの
・形状が非常に複雑な植物や昆虫など
・撮影時に制止させることが難しいもの
・ガラスのような透明のもの
・鏡のように反射するもの

フォトグラメトリによる3DCGモデルの作製の流れ

フォトグラメトリによる3DCGモデルの作製の流れを紹介します。

【1】機材や環境の準備

まずは、機材や撮影環境を準備します。商品や製品は専用のスタジオで撮影するのがベストです。
都市や建物などを撮影する場合は、ドローンを使用することも検討しましょう。

【2】撮影

角度を変えて必要枚数の写真を撮影します。ブレや反射に注意しましょう。
質の高い写真が高精度の3DCGモデルの作製につながります。

【3】3DCG合成処理をする

写真から3DCG合成処理を行います。

写真をパソコンに取り込み、専用ソフトで3DCGモデルを生成しましょう。

 

【4】レタッチする

3DCGモデルの表面質感に違和感があれば修整を行い、現物に近い形を作り出します。

まとめ

フォトグラメトリを活用することで、AIやロボットの教育データやバーチャル世界における3DCGモデルの作製などが可能です。
また、フォトグラメトリの活用を検討する際は、3Dレーザースキャナーによる3Dスキャンも候補に入れてみてください。
 
3Dレーザースキャナーを使えば、短時間で対象物の詳細なデータを取得できるため、短時間で3DCGモデルの作製が可能です。
ヤマイチテクノでは、3Dレーザースキャナーの特徴や使い方など、さまざまな情報提供と最適な製品のご提案を行っておりますので、お気軽にご相談ください。

この記事の監修者

1989年入社以来、長年のCADシステムの営業経験を活かし現在3Dレーザースキャナーを中心に営業展開。東日本を担当する。

3Dレーザースキャナーの
販売・レンタル・計測業務受託

ハードウェア/ソフトウェアの販売から、機材のレンタル、計測業務受託まで
ヤマイチテクノは幅広い「3D技術」でお客様のご要望を叶えるお手伝いをいたします。