土器・文化財・美術品などの測定は3Dレーザースキャナーが便利|メリットを解説

【ヤマイチテクノ】大阪・東京・名古屋

  • 3D

2023/01/16

土器・文化財・美術品などの測定は3Dレーザースキャナーが便利|メリットを解説

土器や文化財、美術品などは、経年劣化によっていずれは失われてしまう可能性があります。失われないにしても品質が大きく劣化し、維持・管理・修繕のコストが増加するでしょう。そこで注目されているのが、3Dデータを取得・保管する方法です。

形状や寸法のデータを取得することで、デジタルライブラリ化やレプリカの製作などに役立てられます。今回は、土器や文化財、美術品などの3Dモデル化に必要な3Dレーザースキャナーについて解説します。

土器・文化財・美術品を3Dモデル化する意義

土器・文化財・美術品は、人々の歴史や文化に深く関わるもののため、後世に残していく必要があります。しかし、古くに作られたものは、その素材の性質上どうしても劣化します。そこで注目されているのが3Dレーザースキャナーによる3Dモデルを作成し、形状や寸法の記録をすることです。

近年、さまざまな分野でデジタル化が進んでいますが、土器や文化財、美術品においても例外ではありません。保存した3Dモデルはデジタルライブラリとして、インターネット環境さえあれば場所を問わずに閲覧できる仕組みがあります。

例えば、学校からデジタルライブラリを参照すれば、社会見学として美術館を訪問しなくても歴史や文化の勉強が可能です。そのほか、レプリカを製作して美術品や土器に対する理解を深めたり、文化財の盗難や災害による消失を防いだりすることもできます。

従来の手動による記録の問題点

従来、美術品や土器などの記録には、実測図や写真などが用いられていました。これらは人の手によって記録するもののため、どうしても誤差が生じます。例えば、実測図は線画で形状を記録するものですが、三角定規やキャリパー、ノギスなどを用いて人の手で描くため、文様や質感、細かな装飾までは正確に再現できません。

また、破損部位の再現度については、人の判断に委ねられます。このような理由により、従来の方法では美術品や土器などを正確に記録することは難しいのです。

また、写真の場合は肉眼に近いレベルで形状や色を記録できますが、陰影やゆがみの影響で正確な計測ができません。さらに、フィルムの焼き付けや保管スペースの確保といった問題もあります。

そもそも3Dレーザースキャナーとは

3Dレーザースキャナーは、レーザー光を対象物に照射し、返ってきた光をセンサーで捉えることで、対象物の形状を計測する機器です。点状の座標値と記録され、それを元に3Dモデルを作成します。

文化財の保存に3Dレーザースキャナーを用いた事例

3Dレーザースキャナーは、すでに数々の文化財の保存に役立てられています。国内外の事例を紹介します。

ノートルダム大聖堂

ノートルダム大聖堂は2019年に消失しましたが、3Dレーザースキャナーによって取得した3Dモデルが保存されています。ノートルダム大聖堂の再建に向けて活用される予定です。もし、3Dモデルが保存されていなければ、過去の手書きによる実寸図や写真などを参考にすることになるため、再現度が低くなっていたと予想されます。

佐貫石仏

栃木県にある佐貫石仏も3Dレーザースキャナーによって3Dモデル化されました。石仏の形状を3Dモデル化することで、肉眼では確認が難しい細かな形状まで正確に把握できます。石仏の全体像も明らかになるという学術的な恩恵も得られた事例です。

土器・文化財・美術品の3Dモデル化の流れ

土器・文化財・美術品を3Dモデル化したい場合は、次の流れで準備・作業しましょう。

1.専門業者に相談

まずは、最適な3Dレーザースキャナーを選ぶために専門業者に相談することをおすすめします。3Dレーザースキャナーには接触式と非接触式があり、対象物に応じて適切なタイプのものを選ぶ必要があります。また、機器によって正確性や価格なども異なるため、予算と機能・性能のバランスを考慮しなければなりません。

2.3Dレーザースキャナーの導入

3Dレーザースキャナーを導入し、使い方を学習します。導入からレクチャーまで対応できる専門業者に相談することをおすすめします。

3.スキャン

実際に、3Dレーザースキャナーで文化財や美術品などをスキャンしていきます。

4.専用ソフトへの取り込み・3Dモデルの作成

取得した点群データを専用ソフトに取り込み、3Dモデルを作成します。これにもハイレベルな知識や技術は不要なため、デジタル化がそれほど進んでいない状況であっても心配はありません。

まとめ

土器・文化財・美術品などは、後世に残すために3Dモデル化することが大切です。デジタルライブラリやレプリカの製作など、さまざまな用途で仕様出来ます。3Dレーザースキャナーを導入する際は、専門業者に相談し、対象物や予算などに合ったものを選びましょう。ヤマイチテクノでは、3Dレーザースキャナーのご提案から導入サポートまで対応できますので、まずはお気軽にご相談ください。

この記事の監修者

1989年入社以来、長年のCADシステムの営業経験を活かし現在3Dレーザースキャナーを中心に営業展開。東日本を担当する。

3Dレーザースキャナーの
販売・レンタル・計測業務受託

ハードウェア/ソフトウェアの販売から、機材のレンタル、計測業務受託まで
ヤマイチテクノは幅広い「3D技術」でお客様のご要望を叶えるお手伝いをいたします。