自動運転と測量で注目されている「LiDAR」とは?原理や方式などを解説

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2023/08/10

自動運転と測量で注目されている「LiDAR」とは?原理や方式などを解説


 
LiDARは、測量や自動運転などで用いられている技術です。
測量においては3Dレーザースキャナーにも活用されており、建築や医療、文化財保護などさまざまな分野で用いられています。
今回は、LiDARの意味や原理、方式などについて詳しく解説します。

LiDAR(ライダー)とは

LiDARは、レーザー光を用いて対象物までの距離や形状などを計測する技術です。
主に自動車の自動運転支援システムに活用され、ミリ波レーダーよりも優れた人や障害物の検知能力を持ち、自動運転の進化に寄与しています。
かつては航空測量や地形図作成などで使用されてきましたが、近年ではさまざまな分野で応用が広がっています。
 
例えば、競技におけるボールの飛距離の測定、スマートフォンやARヘッドセットなどにおける対象物との距離の計測にも役立てられています。

LiDARの原理

LiDARは、センサー装置から対象物に向けてレーザー光を放射し、その光が物体に当たって跳ね返ってくるまでの時間を測定することで、物体までの距離や形状を測定します。
 
LiDARが使用するレーザー光は紫外線、赤外線、近赤外線などの不可視光線であり、電波と比べて光束密度が高く波長が短いため、高精度での計測が可能です。
この特性により、誤差が少なく、遠距離からでも小さな物体の計測が行えます。

LiDARが活用されている分野

LiDARは、次のような分野で活用されています。

自動運転

LiDARは自動運転技術において重要な役割を果たしています。

自動運転車は複数のセンサーを使用し、カメラやミリ波レーダーと組み合わせています。

LiDARは対象物までの距離測定や障害物の検知に優れており、カメラやミリ波レーダーの役割を補完します。

 

自動運転車には既にLiDARを搭載した車種が存在しており、今後のさらなる普及が期待されます。

3Dマッピング

LiDARを車両やドローンに搭載して移動しながら3次元データを取得する3Dマッピングシステムがあります。

道路や建物、トンネルなどの情報を収集し、インフラ設備の管理や現況把握に活用されます。

ドローンに搭載したLiDARは森林やジャングルの下に隠れた地形データの取得にも使われ、文化遺産のサーベイにも貢献しています。

測量

LiDARを用いた測量には地上レーザー測量と航空レーザー測量の2つの方法があります。

地上レーザー測量は固定型と車載型があり、航空レーザー測量は航空機やドローンに搭載して空中からレーザーを照射します。

固定型LiDAR、ハンディLiDAR、UAV LiDARなどが測量に利用されています。

LiDARを用いた測量が活用されている分野

LiDARによる測量は、次のような分野で活用されています。

農業

LiDARは農業で肥料の効果的な使用を促すために用いられています。

畑の地形図を作成し斜面や日照時間を把握し、作物の収量ゾーンを分類することで最適な肥料投入が可能になります。

考古学

LiDARは考古学においても活躍しています。

現地作業計画の補助や森林下の特性マッピングなどに用いられています。

高分解能のデジタル高度マップを通じて未知の遺跡や地形を検出できます。

生物学および保護

林業ではLiDARを用いてキャノピーの高さやバイオマスを測定しています。

地理情報を生成する仕組みにより、植生や生物多様性の研究にも応用されています。

地質学と土壌学

微妙な地形特徴や植生下の地表標高を測定し、物理的・化学的プロセスの研究に役立てられています。
地質や土壌調査、氷河監視にも使用されており、環境変化の分析に寄与しています。
 
上記のほか、建築や医療など、幅広い分野で活用されており、なくてはならない技術になりつつあります。

測量用LiDARのタイプ

測量用LiDARには、次の3タイプがあります。

固定型LiDAR

周囲にレーザーを照射し、短時間で3D情報データを取得できます。

操作が容易で計測精度は1ミリメートルと優れており、フルカラーの3Dデータも取得できます。

文化財の復旧や工場の改修工事の現況測定など、建築や文化遺産管理などで利用されています。

ハンディLiDAR

持ち運び可能な3Dレーザースキャナーで、GPSと組み合わせて自己位置推定を行います。
GPSを必要としないため、屋内や地下でも使用できます。
また、小型で軽量なため車両やドローンにも搭載可能です。地下や狭い空間、屋内外でのさまざまな測量に活用されます。

UAV(ドローン)LiDAR

UAV LiDARは無人航空機(ドローン)とLiDAR技術を組み合わせた測量システムです。

山間部や難易度の高い場所でも使用でき、人件費を削減しながら低コストで測量が可能です。

鉱山調査や電力線検査などに利用されています。

まとめ

LiDARは、今後も発展を続ける見込みの技術であり、さまざまな分野で活用が進められています。

測量においては業務効率化や生産性の向上、測量品質の向上なども期待できるでしょう。

ヤマイチテクノでは、用途に応じて最適な製品をご提案しておりますので、どうぞお気軽にご相談ください。

 

この記事の監修者

1989年入社以来、長年のCADシステムの営業経験を活かし現在3Dレーザースキャナーを中心に営業展開。東日本を担当する。

3Dレーザースキャナーの
販売・レンタル・計測業務受託

ハードウェア/ソフトウェアの販売から、機材のレンタル、計測業務受託まで
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