船舶設計で3Dスキャンはどのように使われている?事例を紹介

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2024/03/13

船舶設計で3Dスキャンはどのように使われている?事例を紹介


 
船舶の設計と定期的な検査には、さまざまな課題が依然として存在しています。
技能の適正や業界知識の不足などがその一例です。
こうした課題に対し、ハンディ3Dレーザースキャナーは、その高い精度と素早さによって、船舶の開発を加速し、品質管理プロセスを効率化する可能性を秘めています。
 
本記事では、船舶設計における3Dスキャンの活用方法や事例などについて詳しく解説します。

船舶設計における3Dスキャンの有用性

船舶設計の初期段階では、多くの場合、親船の幾何形状を基にしています。
新しい船の静水圧や強度に影響を与えるこの形状は、親船を参考にしているにも関わらず、親船の元図面が入手できないケースが頻繁に見られます。
このような状況は船舶設計において大きな課題となります。
 
このような場合、従来の手法では、テープや定規などのツールを用いて船舶の寸法データを手動で取得するのが一般的でした。
建築エンジニアは、自らの知識と経験を駆使して、正確なデータや線を作成する必要があります。
これらのデータと線は、後の計算に利用されます。
しかしながら、このような手法は非常に時間と労力を要します。
 
一方、船全体の3Dデータを捉えることができる3Dスキャナーは、わずかな時間と低コストで船舶の設計と開発に大きな競争力をもたらします。
例えば、船の胴体や構造物の形状を短時間でキャプチャし、そのデータを即座に利用できるため、設計プロセスが迅速化されます。
これにより、設計者はより効率的に船舶の設計に取り組むことができ、品質向上とコスト削減に貢献します。

船舶設計における3Dスキャンの活用事例

Rodosto Marin社では、製品構造の最適化や新製品の開発に向け、2隻のボートの実物大を測定するためにハンディ3Dスキャナーを活用しました。
 
CADデータから、Rodosto Marin社はシャーシの構造と機能を改善し、再度構造設計を行う必要がありました。
しかしながら、新製品の開発が急務であったため、効率的な製品開発を目指してハンディ3Dスキャナーを採用しました。

船舶設計に活用できる3Dスキャナー

船舶設計に活用できる3Dスキャナーを2つ紹介します。

Leica AS1スキャナー

船舶設計に活用できる3Dスキャナーの1つとして、Leica AS1が挙げられます。
このスキャナーはLeicaレーザートラッカーAT960との組み合わせにより、最大直径60mまでの計測が可能です。
 
また、驚異的なデータ取得速度を誇ります。
1秒間に最大120万までのデータポイントを300Hzで取得できます。
さらに、革新的なSHINE(システマチック ハイインテリジェンス ノイズエリミネーション)技術により、最大のレーザー幅でも最大フレームレートで作業でき、生産性が向上します。
 
このスキャナーは、マットブラックはもちろん、反射しやすいカーボンファイバーまで、あらゆる材質や光沢が強いワークでも性能が劣化することなく、ほぼすべての表面形状を測定できます。
さらに、ロボットや加工機、AGV(自動ガイド付き車両)などと組み合わせることで、あらゆる自動計測も可能となっています。
 
例えば、船舶の構造や部品を測定する際、Leica AS1を使用することで、船体の表面形状や寸法を高速かつ高精度に取得できます。
これにより、船舶の設計プロセスが効率化され、品質管理が向上することが期待されます。
 

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Artec Leo

Artec Leoは、業界で唯一のワイヤレスでありながらスタンドアロンの3Dスキャナーです。
5インチのHDディスプレイを搭載しており、状況を確認しながらスキャンが可能なので、スキャン漏れなどのエラーを未然に防ぐことができます。
また、新しいNVIDIA Jetson TX2プロセッサを搭載しており、高速で正確な高品質のデータキャプチャを実現できる万能3Dスキャンソリューションとなっています。
 
Artec Leoを使用することで、船舶の構造や部品を簡単かつ迅速にスキャンできます。
そのワイヤレスの特性により、作業空間での自由度が高まり、操作が容易になります。
さらに、高速で正確なデータキャプチャにより、船舶の設計プロセスが効率化され、品質管理が向上します。
 

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船舶設計に3Dスキャナーを活用するメリット

船舶設計に3Dスキャナーを使用するメリットは多岐にわたります。
高精度なデータ取得、効率的なデザインプロセス、複雑な形状の測定、データの保存と共有、品質管理の向上などが挙げられます。
これらの利点により、設計作業が迅速化し、品質が向上します。
 
さらに、デジタル形式でのデータ保存により、共有やバックアップが容易に行えます。
結果として、船舶設計における3Dスキャナーの活用は、効率性や品質向上に大きく寄与します。

まとめ

船舶設計には3Dスキャナーを活用するのがおすすめです。
ヤマイチテクノでは、船舶設計に適した3Dスキャナーを数多く取りそろえております。
お客様の用途や予算など、さまざまな条件に適した製品をご提案いたしますので、まずはお気軽にご相談ください。

この記事の監修者

1989年入社以来、長年のCADシステムの営業経験を活かし現在3Dレーザースキャナーを中心に営業展開。東日本を担当する。

3Dレーザースキャナーの
販売・レンタル・計測業務受託

ハードウェア/ソフトウェアの販売から、機材のレンタル、計測業務受託まで
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