距離画像センサとは?写真の「奥行き」を測定する機能について解説

【ヤマイチテクノ】大阪・東京・名古屋

  • 3D

2023/04/26

距離画像センサとは?写真の「奥行き」を測定する機能について解説

 

距離画像センサは写真や3Dスキャナーなどに搭載されている技術です。
写真の奥行きを測定したり人の動きを立体的に捉えたりすることで、さまざまな機能に役立てられています。
今回は、距離画像センサの役割や機能の詳細、応用されている分野などについて詳しく解説します。

距離画像センサとは

距離画像センサとは、赤外線を対象物に照射し、反射して返ってくるまでの時間から距離を算出する機能です。
3Dスキャナーとも呼ばれる3次元測定器はレーザーを使用しますが、距離画像センサでは赤外線LEDを使用します。

距離画像センサの役割

距離画像センサの役割は、立体物の状態を捉えることです。
例えば、手を動かすことでゲームを操作するためには、カメラの前で動く人を立体的に捉えなければなりません。
この場合、距離画像センサで平面的な映像ではなく奥行きも含めた3次元情報を取得・処理するか、人の動作をデジタルに記録するモーションキャプチャの技術を使う必要があります。

距離画像センサはデジタル技術の発展とともに必要性が高まってきており、今後もさまざまな分野で活用されると考えられます。

なぜ写真は平面になるのか

距離画像センサを使えば、対象物を立体的に捉えることができます。
一方、デジタルカメラでは平面の映像しか取得できません。

カメラで対象物を撮影するというのは、対象物に当たって反射した光をセンサで検知し、信号を記録することを指します。
光の明るさと色を感知することでカラー写真を撮影できるのですが、通常のデジタルカメラでは光が反射した対象物までの距離は測定しません。

そのため、立体的に捉えることができず、平面の映像になるのです。

距離画像センサの種類

距離画像センサには、TOF方式やパターン照射方式などがあります。
それぞれの特徴や仕組みなどについて詳しくみていきましょう。

TOF方式

距離画像センサの中でもメジャーなのがTOF方式です。
TOFは「Time Of Flight」の略称で、照射したレーザーが対象物に当たって返ってくるまでにかかる時間から距離を算出します。
時間の測定には、周期的な現象の中の位置を表す量「位相差」を用います。

光は横波で周期を持っているため、位相差によって距離から時間を算出できるのです。
位相差を時間差に変換し、光の速度を計算に組み入れることで、対象までの距離を求めます。

パターン照射方式

パターン照射方式とは、反射する光のパターンのひずみから距離を測定する方式で、3Dスキャナーなどに用いられています。
使用するパターンは対象物の形状や性質において変える必要があるため、採用する機器の目的に応じてベストなパターンを考案しなければなりません。

距離画像センサの将来製

距離画像センサは、モーションキャプチャと同じく対象物を立体的に捉える機能としてゲームに活用されています。
また、監視カメラに導入することで、人の後ろに隠れている不審者を見つけることも可能です。
セキュリティやエンターテインメントなどの分野の発展において、距離画像センサは欠かせないものと言えるでしょう。

距離画像センサの開発状況

距離画像センサは、各メーカーが研究を重ねており、今後も優れた機能を持つものが登場することが期待されています。
2020年2月には、パナソニック インダストリアルソリューションズ社がアバランシェフォトダイオード(APD)画素を用いた新型のTOF方式の距離画像センサを開発しました。

車に搭載するのが主な用途で、250m先の物体を検出できます。
遠くの物体を検出することができれば、自動ブレーキなどの機能と関連させることで、より安全性が高い安全装置の開発が可能になります。

3Dスキャナーは各分野で大きな功績を挙げている

距離画像センサを搭載した3Dスキャナーは、建設や医療など、さまざまな分野で大きな功績を挙げています。
物体との距離を計測して点群データを取得し、専用ソフトで3Dモデルを作成できます。
危険な場所、複雑な地形など、人が立ち入ることが難しい場所も3Dスキャナーで安全を確保しながら測量できるのです。

また、アナログの測量と比べて所要時間が圧倒的に短いため、人的・時間的コストも大幅に削減できます。

まとめ

距離画像センサは、物体との距離を測定して立体的に捉えることができるものです。
3Dスキャナーをはじめとしたさまざまな機器に搭載されている技術であり、今後も発展し続けることが期待されています。
距離画像センサを使用した機器の中でも3Dスキャナーは、建設や医療などさまざまな分野で業務効率化やコスト削減を実現できます。

3Dスキャナーの導入を検討している方、興味がある方はヤマイチテクノまでお気軽にご相談ください。

この記事の監修者

1989年入社以来、長年のCADシステムの営業経験を活かし現在3Dレーザースキャナーを中心に営業展開。東日本を担当する。

3Dレーザースキャナーの
販売・レンタル・計測業務受託

ハードウェア/ソフトウェアの販売から、機材のレンタル、計測業務受託まで
ヤマイチテクノは幅広い「3D技術」でお客様のご要望を叶えるお手伝いをいたします。