金属3Dプリンターとは?造形方式の種類・メリット・デメリットを解説

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2022/04/06

金属3Dプリンターとは?造形方式の種類・メリット・デメリットを解説

3Dプリンターには、樹脂で造形するもののほかにも金属の粉末を用いて造形するものもあります。金属3Dプリンターの中にもさまざまな造形方式があるため、造形したいものやメリット・デメリットなどを踏まえて最適なものを選ぶことが大切です。ここでは、金属3Dプリンターの造形方式の種類やメリット、デメリットなどについて詳しくご紹介します。

金属3Dプリンターの造形方式の種類

金属3Dプリンターの造形方式の中でも一般的なものと、近年注目を集めているものをご紹介します。

パウダーベッド方式

パウダーヘッド方式とは、金属粉末にレーザーや電子ビームを照射し、粉末を溶かして造形する方式です。造形制度が高いことがメリットで、また多くのメーカーから発売されているため、豊富な選択肢があります。一方、造形に時間がかかることに加え、造形後に余分な金属粉末を取り除く必要があるなど、いくつかのデメリットもあります。

メタルデポジッション方式

メタルデポジッション方式は、金属粉末を噴射しつつレーザーを照射し、溶けた金属を積層させていく方式です。パウダーベッド方式と比べて速く造形でき、さらに金属粉末の除去も不要というメリットがあります。一方、パウダーベッド方式と比べて造形できる形状に制限があり、精度も劣ります。

バインダージェット方式

バインダージェット方式は、金属粉末を敷き詰め、そこに液体のバインダーを噴射して造形していく方式です。メリットは、造形スピードが速いことに加えて、サポート材が不要、形状の制限が少ないことなどです。一方、脱脂と焼結を経て完成となるため、手間がかかるというデメリットもあります。

ADAM方式

ADAM方式は、熱を加えると柔らかくなる性質の樹脂に金属粉末を混ぜたものに熱を加えて造形していく方式です。樹脂を造形物から取り除く脱脂という作業を行い、その後に造形物を焼結させて完成となります。メリットは、精度が高い造形物を短時間で造形できることです。また、金属粉末が飛び散ることに起因する粉塵爆発の心配もありません。

さらに、他の金属3Dプリンターと比べて導入コストが大幅に低いこともメリットです。デメリットは、脱脂や焼結などの工程が必要なことです。

金属3Dプリンターのメリット

金属3Dプリンターには、次のメリットがあります。

形状の自由度が高い

金属3Dプリンターは、複雑な形状の造形物にも対応できます。複数のパーツに分解して造形せず、完成物を1回で造形することも可能です。

小さなパーツも低コストで造形できる

従来の金属加工では、小さなパーツであっても金型を作る必要がありましたが、金属3Dプリンターはデータを準備するだけで造形できます。素材のコストだけで造形物を作ることができ、コストを大幅に抑えられます。

試作品を手軽に造形できる

従来の金属加工では、試作品を作るのにも準備物とコストがかかります。金属3Dプリンターは試作品をデータだけで作ることができます。また、データを修正することで造形物の調整も可能です。時間とコストを抑えられるため、試作品開発のハードルが下がります。

金属3Dプリンターのデメリット

メリットが多い金属3Dプリンターですが、次のようなデメリットもあります。

造形方式別に知識の習得が必要

金属3Dプリンターにはさまざまな種類があり、それぞれ仕上がりが異なります。それぞれに応じたデータ作成、設定などの知識を習得しなければ、完成度を上げることは難しいでしょう。造形物に合わせて数種類の金属3Dプリンターを使い分ける場合は、それだけ知識の習得に時間と手間がかかります。

費用対効果を実感しづらい

金属3Dプリンターは発展途上の技術のため、まだまだ改良の余地があります。また、一般的に広く流通しているわけではなく、その使い方も理解できずに購入する企業も少なくありません。この場合、金属3Dプリンターが事業に役立っているのかどうかを実感できず、費用対効果を見出しづらい可能性があります。

3Dプリンターを導入する際はプロに相談

金属3Dプリンターを導入する際は、自社に必要かどうかを含め、プロに相談することが大切です。事業内容を踏まえ、どのようなものに金属3Dプリンターを使えるのか、どの種類が最適なのかなど、アドバイスを得ることを検討しましょう。

まとめ

金属3Dプリンターは、従来の金属加工とは異なり低コストで造形できます。その一方で、専門知識が必要、費用対効果を見出しづらいといった注意点もあります。金属3Dプリンターのメリットを得るために、まずはプロに相談することをおすすめします。

ヤマイチテクノでは、3Dプリンターの導入を検討されている方に親身にアドバイスしておりますので、まずはお気軽にご相談ください。

この記事の監修者

1989年入社以来、長年のCADシステムの営業経験を活かし現在3Dレーザースキャナーを中心に営業展開。東日本を担当する。

3Dレーザースキャナーの
販売・レンタル・計測業務受託

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