3次元測量の「編集」では何をする?処理の種類やデータの活用方法を解説

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2024/07/10

3次元測量の「編集」では何をする?処理の種類やデータの活用方法を解説


 
3次元測量の「編集」は、収集された測量データを活用可能な情報に変換するために不可欠なステップです。
データのノイズ除去や統合、必要な情報の抽出などが行われ、最終的に精度の高い三次元モデルが生成されます。
 
本記事では、3次元測量の「編集」で行うこと、処理の種類、データの活用方法などについて詳しく解説します。

点群データの編集の方法

3Dスキャナーで取得した点群データを活用するためには、適切な編集が必要です。
編集の方法には、メッシュデータへの変換や点群データと3Dモデルの合成などがあります。
以下では、代表的な編集方法を具体的に解説します。

クラス分け処理(クラスタリング)

クラス分け処理、またはクラスタリングは、点群データを特定の属性や特徴に基づいて分類する方法です。

たとえば、建物のファサードと地面、植栽を分けることで、各要素を個別に分析できます。

これにより、必要な情報を迅速かつ効率的に抽出でき、設計や分析作業が容易になります。

色付け処理

色付け処理では、点群データに色情報を付加します。

これにより、視覚的な認識が向上し、例えば建物の外観色や地表面の特性をより正確に把握できます。

実際のプロジェクトでは、色付けされた点群データを利用して、設計の確認やプレゼンテーションに役立てることができます。

反射強度属性表示

反射強度属性表示は、各点の反射強度情報を視覚化する方法です。

これにより、素材の種類や表面の状態を詳細に分析できます。

例えば、道路の舗装状態や建物の外壁の劣化具合を評価する際に有用です。

この情報は、維持管理や修繕計画の策定において重要な役割を果たします。

点群データの処理の手順

点群データの処理は、次の手順で行います。

【1】ノイズ除去とデータ統合

点群処理ソフトは、スキャナーで取得したデータのノイズ除去を行い、異なるスキャンデータを統合して高精度な3Dモデルを作成できます。

【2】3Dモデリングとメッシュ生成

メッシュデータは、点群データの各点を頂点として辺と面でつなぎ合わせた3Dモデルで、カクカクとした見た目が特徴です。
精度の高いメッシュデータを作成するためには、多くの頂点が必要です。
具体的には、密度の高い点群データを使用し、多くの頂点を形成することで、より詳細で正確な3Dモデルを作成できます。
 
メッシュデータへの変換には、専用のソフトウェアと専門的な知識・スキルが必要です。
 
メッシュデータをさらにCADで扱いやすくするために、サーフェスデータに変換します。
サーフェスデータは、メッシュデータとよりも曲面がなめらかなため、高精度の3Dモデル化が可能です。

【3】CADに読み込む

サーフェスデータをCADに読み込むと、操作や編集が可能となり、3Dモデルを利用した施工管理や2D図面への変換を実現できます。

編集した点群データの活用方法

編集した点群データの活用方法について詳しく見ていきましょう。

建築・土木分野での活用

編集された点群データは、建築や土木分野で広く利用されています。
具体的には、建物やインフラの現況を正確に把握し、設計や施工管理に役立てることができます。
 
たとえば、点群データを用いて建物の詳細な3Dモデルを作成し、BIM/CIMシステムと連携させることで、設計から施工、維持管理まで一貫した情報管理が可能となります。
これにより、プロジェクトの効率化と品質向上が期待できます。

災害時の被害確認

点群データは災害時の被害確認にも活用されます。

たとえば、地震や土砂崩れなどの大規模な災害が発生した際に、ドローンや地上型レーザースキャナーを用いて迅速に被災地の点群データを取得することで、現地の状況を正確に把握できます。

これにより、迅速な復旧計画の策定や被害状況の記録が可能となります。

重要文化財の保存と復元

重要文化財の保存と復元にも点群データは非常に有用です。

たとえば、奈良県の東大寺にある「執金剛神立像」を3D技術を用いて、当時の鮮やかな色彩や形状を復元した事例があります。

このように、点群データを用いることで、歴史的建造物の詳細な記録と正確な復元が可能となり、文化遺産の保護に寄与します。

インフラ管理とメンテナンス

点群データはインフラ管理とメンテナンスにも利用されます。

たとえば、道路や橋梁の現況を点群データで取得し、3Dモデルとして再現することで、劣化箇所の特定や修繕計画の立案が効率的に行えます。

また、工場やプラント設備の保守メンテナンスにも点群データが活用され、現況の詳細な把握と管理が可能です。

まとめ

3次元測量の「編集」は、データの活用可能性を最大限に引き出す重要な工程です。

ノイズの除去やデータの統合、情報の抽出などを通じて、高精度な三次元モデルが生成されます。

ヤマイチテクノでは、3Dレーザースキャナーを数多く取り扱っておりますので、どうぞお気軽にご相談ください。

この記事の監修者

1989年入社以来、長年のCADシステムの営業経験を活かし現在3Dレーザースキャナーを中心に営業展開。東日本を担当する。

3Dレーザースキャナーの
販売・レンタル・計測業務受託

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