3Dスキャナーのスキャンから3Dデータができるまでの流れ

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2022/04/15

3Dスキャナーのスキャンから3Dデータができるまでの流れ

3Dスキャナーは、対象物の情報をデータ化して取り込む機器です。取り込んだデータはそのままでは使用できず、処理をしなければなりません。3Dスキャナーの購入を検討している方は、大体の流れを把握しておくことが大切です。ここでは、3Dスキャナーのスキャンから3Dデータができるまでの流れについて詳しくご紹介します。

3Dスキャナーでデータを作るまでの手順

3Dスキャナーは、次の手順で使用します。

1.3Dスキャナーで対象物をスキャンする

3Dスキャナーで対象物をスキャンします。据え置きタイプとハンディタイプがあり、対象物の大きさや性質に合わせて選びます。据え置きタイプは、対象物を回転させたり動かしたりして、可能な限り不足のないデータを作成します。専用のターンテーブルを使用することで、ある程度は自動でスキャンできるものもあるので、気になる方は購入時に問い合わせてみましょう。

ハンディタイプの3Dスキャナーは、撮る角度や位置を変えて何パターンもスキャンします。ハンディタイプの場合、スキャンする人の技術によってデータの完成度に差が生じやすい点に注意が必要です。

2.スキャンしたデータの後処理

スキャンしたデータは、そのままでは使用できません。スキャンしたデータは点群データとして組み合わせていく必要がありますが、多くの製品は自動で点群データを組み合わせることができます。

この点群データをポリゴンデータに変換し、後処理を行います。後処理では、表面の不要な凹凸をなめらかにしたり穴があいているデータを埋めたりします。また、スキャンデータに含まれる不要なデータの削除も行うべき後処理の1つです。

この後処理が不十分だと、3Dプリンターで出力しても完成度が高い造形物になりません。

3.3Dデータの完成

後処理が完了したら3Dデータは完成です。3Dデータの拡張子はSTL形式で、そのまま特別な処理をすることなく3Dプリンターで造形できます。ただし、3DCADソフトに取り込んでも編集はできず、さらに別の処理が必要になります。

なお、3Dデータの後処理を自動で行えるソフトもあります。自動処理であれば、3Dスキャナーでスキャンしてから3Dデータを完成させるまでの時間を短縮できます。また、人的コストも削減できるでしょう。ただし、自動処理の精度に加え、手作業で微調整ができるかどうかもチェックしてください。精度が低すぎると、結局は調整に時間と手間がかかってしまうため、精度が高いものを選ぶことが大切です。

3Dスキャナーによるスキャンのメカニズム

3Dスキャナーによるスキャンから3Dデータの完成までについて理解できれば、予備知識として3Dスキャナーによるスキャンのメカニズムを押さえておきましょう。理解が深まることで、用途に適した3Dスキャナーを選べるようになります。

3Dスキャナーのメカニズムは次のとおりです。

接触式3Dスキャナー

接触式3Dスキャナーとは、対象物にセンサーやプローブで接触し、その部分の凹凸を測定し、座標として取得する3Dスキャナーです。非接触式と比べて精度が高い一方で、大きな対象物の測定が困難、プローブが入り込めない複雑な形状の対象物を測定できないなど、デメリットもあります。

レーザー光線方式

レーザー光線方式は非接触式3Dスキャナーの1つです。

ラインレーザーを交叉させた状態で対象物に照射し、反射した光をセンサーで受けて距離を計測する「三角法方式」、対象物に照射したレーザーが帰ってくるまでの時間と、スキャナーの移動方向から発射したレーザーの角度から位置情報を求める「TOF方式」、対象物に照射して返ってきたレーザーの位相差で対象物との距離を測定する「位相差方式」があります。

パターン光投影方式

パターン光投影方式は、非接触式3Dスキャナーの1つです。プロジェクターから対象物にパターン光を照射し、投映されたパターンが凹凸によって変化するところを捉えることで、3次元座標データをスキャンします。LEDを使用しているため、人体の形状をスキャンする際にも使えます。

まとめ

3Dスキャナーでスキャンしたデータは、そのままでは使用できません。後処理で凹凸部分を滑らかにしたり不要なデータを削除したりして、精度の高い3Dデータに仕上げます。その際には専用ソフトを使用するため、ある程度の知識が必要です。3Dスキャナーの導入を検討する際は、このような処理ができるかどうかも視野に入れることが大切です。

ヤマイチテクノでは、3Dスキャナーのスキャンデータの後処理に関することや、機種選びなど、さまざまなアドバイスをしております。まずはお気軽にご相談ください。

この記事の監修者

1989年入社以来、長年のCADシステムの営業経験を活かし現在3Dレーザースキャナーを中心に営業展開。東日本を担当する。

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