3Dスキャナーのデータ形式とは?必要な加工・変換の手順について解説

【ヤマイチテクノ】大阪・東京・名古屋

  • 3D

2024/02/28

3Dスキャナーのデータ形式とは?必要な加工・変換の手順について解説

3Dスキャナーを使用して物体や環境をスキャンすると、その結果得られるのが「点群データ」と呼ばれる情報です。
これは、スキャンした対象物の表面上に取得された数千または数百万の点の集合体であり、物体の形状や表面の詳細をデジタル形式で表現します。
しかし、点群データそのままでは使用しにくい場合があります。そのため、必要な加工や変換が必要になります。
 
本記事では、3Dスキャナーのデータ形式と、点群データを加工・変換する際の必要な手順について解説します。

3Dスキャナーのデータ方式

3Dスキャナーが生成するデータ形式は「点群」であり、数千から数百万の点の集合体で構成されます。
これはX、Y、Zの三次元座標を持ち、対象物の形状や表面の詳細を記述したものです。
しかし、このままでは利用が難しいため、点群データには前処理が必要です。
 
位置合わせやノイズの除去などの処理を行い、次に点群データからメッシュデータへの変換を行います。
メッシュデータはポリゴンで表現される表面モデルであり、3Dプリンターなどで利用可能な形式にデータを変換します。
 
最後に、メッシュデータをさらに加工して細部の再現や滑らかな表面を実現し、完成したモデルを得ることができます。
これらの手順を経て、3Dスキャナーで得られたデータを実用的な形に加工し、様々な応用に活用できるようになります。

点群データの処理と変換の手順

点群データの処理と変換の流れについて、詳しく見ていきましょう。

点群データの取り込み

まず、膨大な量の点群データを点群処理の専用ソフトウェアに取り込みます。

前処理

ソフトウェアが前処理として、位置合わせやノイズの除去などの処理を行います。
点群データには重複したデータが含まれている場合があり、それらを整理する必要があります。

解析

点群処理ソフトウェアが、データの解析を行います。
これには、各点の寸法の計測や干渉チェックなどが含まれます。

モデリング

解析が終わったら、次はモデリングです。
建築物の場合は、3Dモデルやメッシュデータの作成を行います。

データ出力

最後に、指定したフォーマットでデータを出力します。
これによって、処理された点群データが利用可能な形になります。

点群処理ソフトの選び方

点群処理ソフトを選ぶ際に重要なポイントはいくつかあります。
まず、大規模なデータを処理できるかどうかが重要です。
特に、建物などの大きな対象物をスキャンした場合、データ量が膨大になるため、それをスムーズに処理できるソフトを選ぶことが必要です。
 
次に、ワンストップで処理ができるかどうかもポイントです。
点群データの読み込みから加工、モデリング、最終的な成果物の作成まで、一つのソフトで行えるかどうかは、作業の効率性に大きく影響します。
複数のソフトを使う場合は、データの移行や整合性の確保に時間がかかる可能性があります。
 
さらに、CADやBIMなどの建築ソフトとの連携ができるかどうかも重要です。
点群データをCAD形式に変換したり、BIMモデルと統合したりすることで、建築プロジェクトの設計や施工管理に活用できます。

点群処理したデータの利用方法

点群処理したデータは、次のような方法で利用できます。

構造物の点検

点群データは、構造物の点検に広く活用されています。
正確な現状データを提供する点群データにより、構造物の位置や状態を正確に把握できます。
例えば、設備や機材の入れ替えや移動の際に、既存の機器との干渉を点群データでチェックできます。
また、老朽化が進んだ構造物の点検や、危険な場所への立ち入りを避けるためにも、ドローンなどを使って点群データを取得し、安全性を確保します。

重要文化財

重要文化財の保護や研究にも点群データが活用されています。
古い建造物や文化財の内部構造を正確に把握するために、点群データを取得し、3Dモデル化することが行われています。
これにより、図面が存在しない場合でも、詳細な情報を得ることが可能となります。
また、仏像や神社仏閣などの文化財の再現や復元にも、点群データが役立っています。

災害時の被害確認

災害が発生した際も、点群データは被害状況の確認や復旧作業に役立ちます。
例えば、火災や地震などの災害が発生した場合、点群データを活用して被害状況を詳細に把握し、過去の事例として教訓にすることが可能です。
また、広範囲な被災地での点群データの取得により、全体の被害状況を迅速に把握し、効果的な復旧活動を行うことができます。

まとめ

点群処理したデータは、構造物の点検や災害時の被害確認、重要文化財の保護など多岐にわたり活用されます。
点群データを処理するためのソフトは、自身に適したものを選びましょう。
 
ヤマイチテクノでは、3Dスキャナーを数多く取りそろえており、ソフトウェアもあわせてご提案が可能ですのでご相談ください。

この記事の監修者

1989年入社以来、長年のCADシステムの営業経験を活かし現在3Dレーザースキャナーを中心に営業展開。東日本を担当する。

3Dレーザースキャナーの
販売・レンタル・計測業務受託

ハードウェア/ソフトウェアの販売から、機材のレンタル、計測業務受託まで
ヤマイチテクノは幅広い「3D技術」でお客様のご要望を叶えるお手伝いをいたします。