3Dスキャナーの原理とは?メカニズムや活用シーンについて解説

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2024/04/08

3Dスキャナーの原理とは?メカニズムや活用シーンについて解説


 
3Dスキャナーは、立体物体をデジタルデータとして取り込む装置であり、その原理はさまざまな技術を組み合わせて構築されています。
原理を理解することで、利用シーンや向き不向きなどの理解が深まるでしょう。
 
この記事では、3Dスキャナーの原理、メカニズム、活用シーンなどについて詳しく解説します。

3Dスキャナーの原理

3Dスキャナーは、物体をデジタルデータ化するための先進技術であり、形状、サイズ、色、テクスチャを正確に捉え、3Dモデルとして再現します。
この技術は、設計、製造、品質管理、建築、教育など様々な分野で利用されており、デジタルアートやVR・AR技術との統合によって新たな表現や体験をもたらします。
 
3Dスキャナーは、物体表面の無数の点を測定して3Dデータを生成します。
これらの点は「点群データ」と呼ばれ、ソフトウェアを用いて編集や解析が可能で、最終的に3Dモデルとして再構築されます。

光学式スキャナーの原理

光学式スキャナーは、光を利用して物体の形状やサイズを測定する技術です。
スキャン方式別に原理について詳しく見ていきましょう。

パターン光投影方式

プロジェクターで特定のパターンの光を物体に投影し、その変化をカメラで捉えることで物体の形状を計測します。
例えば、自動車のデザインプロセスでは、パターン光投影方式を使用して、車体の曲線やディテールを精密に計測し、設計の正確性を確保しています。

ステレオカメラ方式

2つのカメラを使って物体を撮影し、その画像から物体の形状を再構築します。
例えば、自律走行車の開発では、ステレオカメラ方式を使用して周囲の環境を3Dで認識し、安全な走行領域を確保しています。

構造光方式

特定のパターンの光を対象物に投影することで生じた歪みをカメラで捉えることで、対象物の形を測定する仕組みです。
例えば、医療分野では、構造光方式を使用して患者の体表面をスキャンし、カスタムフィットの医療機器や装具を製作しています。

レーザースキャナーの原理

レーザースキャナーは、レーザー光で対象物の形状やサイズを測定します。
その原理と仕組みは、「タイムオブフライト方式 (ToF)」「位相差方式」「トライアングレーション方式」などがあります。

タイムオブフライト方式 (ToF)

レーザー光を物体に向けて照射し、その反射光をセンサーで検出して物体までの距離を測定します。
この方式は、建築分野での利用でよく使われています。
例えば、古い建物の修復や改装プロジェクトでは、外壁の凹凸や窓の位置を正確に把握することが必要です。
ここでレーザースキャナーが活躍し、建物全体の3Dモデルを作成し、設計プロセスをスムーズにします。

位相差方式

位相差方式とは、フェイズシフト方式とも呼ばれ、位相変調の周波数で調整したレーザー光を対象物に照射し、その光の放射と反射の位相差を測定することで距離を取得する方式です。
最速のレーザースキャナーであるとともに、ToFよりも高い精度と解像度を持ちます。

トライアングレーション方式

レーザー光を対象物に照射し、反射した光をカメラで捉えることで対象物の形状を測定します。
この方式は、工業用途や医療技術の分野で広く用いられています。
たとえば、自動車製造業では、レーザースキャナーを使ってエンジンや車体の部品を精密に測定し、製造工程の品質管理に活用しています。

また、医療分野では、患者の体表面や内部の解剖構造を正確に把握するために使用されています。
外科手術の前に患者の体表面をスキャンして、カスタムフィットの手術用具やインプラントを作成する際に役立ちます。

3Dスキャンが活用されている業界

3Dスキャンは、次のような業界で活用されています。

製造業

製造業界では、製品の設計、品質管理、製造プロセスの改善などに3Dスキャンが活用されています。
例えば、自動車メーカーは、車体や部品の形状を3Dスキャンして設計段階から製造プロセスまでの一貫性を確保し、製品の品質向上を図っています。

建築・不動産

建築業界では、建物や土地の測量や設計に3Dスキャンが利用されています。
建設現場での精密な測量や建物の点検、修復プロジェクトの計画立案に役立ちます。
また、不動産業界では、物件の内部や外部を3Dスキャンしてバーチャルツアーを提供し、顧客によりリアルなプレビュー体験を提供しています。

医療

医療分野では、カスタムフィットのプロテーゼや義肢の製作、外科手術のシミュレーション、解剖学の研究などに3Dスキャンが活用されています。
例えば、病気や事故で損傷した部位を3Dスキャンして、正確なカスタムフィットの治療法を提供することが可能です。

文化遺産

文化遺産保護の分野でも、古代遺跡や美術品、歴史的建造物のデジタル保存や復元に3Dスキャンが利用されています。
貴重な文化財を傷つけることなく、詳細なデータを収集し、将来の世代に継承するための重要な手段となっています。
 
これらの業界以外にも、エンターテインメント、教育、研究などさまざまな分野で3Dスキャンが活用されており、その可能性はますます広がっています。

まとめ

3Dスキャンは、製造業では製品の設計や品質管理、建築業界では建物の設計や修復、医療分野ではカスタムフィットの医療機器の製作など、多岐にわたる業界で活用されています。
その原理やメカニズムを理解することで、用途に応じて選べるようになるでしょう。
 
ヤマイチテクノでは、3Dレーザースキャナーの導入支援として、選び方のアドバイスや使い方の説明など、きめ細かにサポートしておりますので、まずはお気軽にご相談ください。

この記事の監修者

1989年入社以来、長年のCADシステムの営業経験を活かし現在3Dレーザースキャナーを中心に営業展開。東日本を担当する。

3Dレーザースキャナーの
販売・レンタル・計測業務受託

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