3Dスキャンの後はデータ処理が必要!その理由と方法を解説

【ヤマイチテクノ】大阪・東京・名古屋

  • 3D

2024/01/05

3Dスキャンの後はデータ処理が必要!その理由と方法を解説


 
3Dスキャンを行った後、欠かせないのはデータ処理です。
3Dスキャンデータを有効に利用するためには、正確で整合性のあるデータ処理が不可欠です。
 
本記事では、3Dスキャン後にデータ処理が必要な理由や方法などについて詳しく解説します。

3Dスキャンデータの処理が必要な理由

データ処理が欠かせないのは、これらの利用目的に応じて点群データを整形し、高精度かつ信頼性のある形状データに変換するためです。
3D CADデータ化や設計に活かすには、処理されたデータが次の工程でスムーズに利用できるようにする必要があります。

3Dスキャンデータの処理の種類は2つ

3Dスキャンデータの処理には、点群データの処理とメッシュデータの処理があります。
それぞれ詳しく見ていきましょう。

点群データの処理

3Dスキャン時には、測定物以外のテーブルや周辺物も点データとして取り込まれたり、ノイズが発生することがあります。
このため、不要なデータを取り除く処理が必要です。具体的な作業としては、選択して削除したり、残したい部分を指定して一括削除したりします。
 
3Dスキャンデータは複数の角度から取得され、これらを合成して1つの3Dデータにします。
部品形状を全てデータ化するためには、複数の測定結果を合成することがあります。
合成作業は手動または自動で行え、精度が重要です。
マーカーの使用や重なり合う部分の点データの間引きも行われ、最終的に精緻なデータが得られます。

メッシュデータの処理

3Dスキャナーで取得したデータは、点と点を直線で結んで面を作り、STLデータやポリゴンデータなどのメッシュデータを生成します。
メッシュデータを効果的に活用するためには、以下のような処理が必要です。
 

処理 内容
エクスポート(出力)処理 メッシュデータをSTLなどの形式に変換し、後工程で使用可能な形にします。
処理にはデータ量に応じて数分から数十分かかることがあります。
スムージング処理 データのノイズやざらつきを取り除くために、スムージング機能を使用して表面を滑らかにします。
エッジや弦の長さ、角度、許容差などを設定してスムージングを行いますが、過度なスムージングは形状の誤差を引き起こす可能性があるため注意が必要です。
メッシュ分割 メッシュデータが粗い場合、メッシュ分割を行って細かく設定し、データの細部をキャプチャします。
例えば、点の数を増やすことで円を正確に表現できます。
穴埋め作業 3Dスキャナーは穴や入り組んだ形状の取得が難しい場合があります。
穴埋め作業では、欠損部を周囲の形状から予測し、なめらかにつなげます。
ブリッジ(橋渡し) 部分的に囲まれていない面を結びつけて形状を作成します。
要素の抽出・境界の編集 平面や穴の要素を抽出し、データを検査やリバースエンジニアリングに適した形状に編集します。
また、形状の境界を編集することもあります。

 
これらの処理を自動で行うソフトウェアも存在し、自動修復の性能はソフトウェアによって異なります。
全自動で最適化できない場合もあるため、手動作業と組み合わせて使用することが推奨されます。
これらの処理によって、3Dスキャンデータからクリーンで高品質なメッシュデータを得ることが可能となります。

3Dスキャナーの使用手順

3Dスキャナーによるスキャンからデータ処理、活用までの手順を紹介します。

【1】モデルをスキャンする

3Dデータを取得したいモデルをスキャンします。据え置き型ではモデルを回転させるか、回転テーブルなどを活用してスキャンを行います。
この際、モデルを均等にスキャンすることが重要です。
 
例えば、工業製品のケースをスキャンする場合、回転テーブルを使用してモデルを360度回転させつつ、3Dスキャナーが全体をキャプチャできるようにします。
これによって、製品の全体的な形状や細部まで正確なデータが得られます。
 
ハンディ型の3Dスキャナーの場合、様々な角度からスキャンする必要があります。
しかし、データの精度を確保するためには、最低限の回数で全体をカバーすることが必要です。
例えば、彫刻や芸術作品をスキャンする際には、複数の角度からハンディ型の3Dスキャナーを使用して、モデルの立体的な形状をしっかりと捉えることが求められます。

【2】スキャンしたデータのデータ処理をする

取得したモデルは、通常歪んだ形になっており、これを正確で利用可能なデータに変換するためにソフトウェアを使用します。
ソフトウェアによっては自動的に修正が行われますが、全ての部分が自動処理できない場合があります。
そのため、手動で修正が必要です。

【3】3Dデータを確認する

データ処理が完了した後、ソフトウェアによって生成された3Dデータを確認します。
この際、形状や表面の凹凸に特に注意して検証することが重要です。
特にハンディ型のスキャナーを使用した場合、正確なスキャンが難しいことがあるため、細部まで正確に撮影されているかを入念に確認する必要があります。

まとめ

3Dスキャン後のデータ処理は不可欠です。
スキャンデータの整形、合成、メッシュデータ処理など2つの主要な処理手法を解説しました。
ヤマイチテクノでは、3Dスキャナーの導入支援を行っております。
導入を検討している方はお気軽にご相談ください。

この記事の監修者

1989年入社以来、長年のCADシステムの営業経験を活かし現在3Dレーザースキャナーを中心に営業展開。東日本を担当する。

3Dレーザースキャナーの
販売・レンタル・計測業務受託

ハードウェア/ソフトウェアの販売から、機材のレンタル、計測業務受託まで
ヤマイチテクノは幅広い「3D技術」でお客様のご要望を叶えるお手伝いをいたします。