3Dプリンターでサンゴ礁を復元!複雑な形状や生物に対応できる技術が登場

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2022/08/08

3Dプリンターでサンゴ礁を復元!複雑な形状や生物に対応できる技術が登場


サンゴ礁は地球温暖化をはじめとした環境要因によって、急激に減少しています。
そんなサンゴ礁を復元する3Dプリント技術をイスラエルの大学を中心とした研究チームが開発しました。
ここでは、3Dプリンターによるサンゴ礁の復元技術と知っておきたい基礎知識について解説します。

サンゴ礁の現状

サンゴ礁は、さまざまな海洋生物のすみかとして重要な役割を担っています。
しかし、近年の地球温暖化や都市化による自然破壊の影響で、急激に減少しているのが現状です。
このままサンゴ礁の減少が進むと海洋生物の生態系が壊れる可能性も否定できません。

サンゴ礁の復元に使える3Dプリント技術が登場

サンゴ礁が急激に減少している現状を受け、イスラエルのバル=イラン大学を中心とした研究チームがサンゴ礁の複雑な形状を再現する3Dプリント技術を開発しました。
サンゴ礁の保護には、天然のサンゴ礁の再生を支える魚や無脊椎動物などを引き寄せられるように、自然で適切なサイズに復元することが必要とされています。

しかし、これまでの3Dプリント技術ではサンゴの3次元的な複雑性が高い構造を再現することができませんでした。
また、広範囲への拡大も難しく、サンゴ礁の保護は実現できなかったのです。

サンゴ礁のデータをもとに3Dプリント技術を開発

同研究チームは、サンゴ礁の3次元的なデータを取得し、自然のサンゴ礁の構造を実現するための3Dプリント技術を開発しました。
まず、サンゴ礁のデータから精密な3Dモデルを作成するために、何千枚もの画像を撮影したようです。

データに基づき、セラミックベースで多孔質な3Dサンゴ礁をプリントしました。
天然素材を使用することで、複雑で多様性のあるサンゴ礁のプリントが容易になったとしています。
サンゴ礁の複雑な形状やしわなど、細かなディテールを個別に設定できます。

すでに、3Dプリントサンゴ礁をイスラエル南部のエイラート湾に設置しています。

3Dプリンターの用途

3Dプリンターは、サンゴ礁の復元のような用途以外にも、次のような用途で使用されています。

意匠確認

商品企画の際に、3Dプリンターで事前に立体模型を作成・共有すれば、イメージをより具体的に伝えることができます。

試作

3Dプリンターで製品の試作品を作ることで、金型の用意が不要になります。
短期間かつ低コストで精密な試作品を作製可能なため、トライアンドエラーのサイクルが早くなり、完成度が高い製品をスピーディーに作製できます。

治工具

製品の種類が多く、ロット数が少ない場合には、それだけ多くの治工具が必要です。
3Dプリンターで治工具を短期間で作製すれば、追加の加工や設計変更にもスピーディーに対応できます。

最終製品

最終製品を3Dプリンターで製造すれば、型が不要になります。
コスト削減と製造期間の短縮によって、利益率のアップが期待できます。

建設・建築模型

3Dプリンターで建物を再現することで、施工主に具体的なイメージが伝わるようになります。
また、建物の内部構造を把握しやすいため、工法を決める際の情報収集の面で役立ちます。

3Dプリンター活用による業務効率化の種類

3Dプリンターを活用することで、さまざまな場面における業務効率化を実現できます。
3Dプリンターによって実現できる業務効率化の種類を解説します。

フロントローディング(front-loading)

生産現場で起こり得る問題への対策を洗い出し、トラブルへの対処にかかる時間とコストを削減する手法です。
3Dプリンターで設計段階の製品を試作することで、実際に組み立てられるのか、正しく動作するのか、といった検討事項を実際に確認できます。

ラピッドプロトタイピング(Rapid Prototyping)

製品の動作を確認するためには、試作が重要です。しかし、製造に長い時間がかかるため、何度も試作できるものではありません。
3Dプリンターを使えば短期間で試作できるため、繰り返し試作することで製品の品質向上に繋げることも可能です。

ラピッドマニファクチャリング(Rapid Manufacturing)

特注品のようにロット数が少ない製品を3Dプリンターで作る手法で、コストを削減できます。
また、従来と比べて納期を短縮できるため、顧客満足度向上に繋がります。

まとめ

3Dプリンターがサンゴ礁の復元に用いられるようになり、今後の成果が期待されています。
これからも3Dプリンターを応用した環境保全の技術が開発されることでしょう。
産業では、すでに3Dプリンターはなくてはならない存在になりつつあります。
業務コストの削減、顧客満足度の向上などを求める場合は、3Dプリンターの導入を検討してみてはいかがでしょうか。

3Dプリンターや3Dスキャナーなどについてはヤマイチテクノまでご相談ください。

この記事の監修者

1989年入社以来、長年のCADシステムの営業経験を活かし現在3Dレーザースキャナーを中心に営業展開。東日本を担当する。

3Dレーザースキャナーの
販売・レンタル・計測業務受託

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