3Dプリンターに使用する素材一覧!樹脂・金属・石膏などのメリット・デメリット

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2022/04/10

3Dプリンターに使用する素材一覧!樹脂・金属・石膏などのメリット・デメリット

3Dプリンターは、素材から造形物を作る機器です。樹脂や金属、石膏など、さまざまな素材を使用できるため、造形できるものの種類も多彩です。素材を選ぶ際は、特徴・メリット・デメリットを踏まえる必要があります。そこで今回は、3Dプリンターに使用する素材の種類別に、特徴・メリット・デメリットを解説します。

3Dプリンターで使用する素材とは

3Dプリンターは、粉末や粘度のある物質などを必要に応じて加熱して造形に使います。そして、その素材を積層させることで立体物を造形するのです。例えば、熱溶解積層方式(FDM方式)では、樹脂を熱で溶かして紐状にしたフィラメントを使用します。

粉末焼結方式(SLS方式)では、樹脂や金属、石膏などの粉末を使用して、造形していきます。バインダージェッティング方式の場合は、粉末素材を使用します。

3Dプリンターに使用する主な素材一覧

3Dプリンターでは、主に次の素材を使用します。

ABS樹脂

ABS樹脂とは、アクリロニトリル、ブタジエン、スチレンの3つを結合した樹脂です。それぞれの頭文字を取り、ABS樹脂と呼ばれています。汎用性に優れており、幅広い性質の造形物に使用できます。メリットは、耐熱性や耐衝撃性、耐薬品性に優れていることに加え、造形後に研磨や塗装をしやすいことです。

一方、耐候性が低く、直射日光にさらされると変形や破損したり、冷やすと縮んで反り返ったりするリスクが高いというデメリットもあります。

ASA樹脂

ASA樹脂は、ABS樹脂を構成するブタジエンをアクリレートに置き換えた樹脂です。ABS樹脂と同等の特性を持ちますが、耐候性に優れており、屋外での使用に向いています。ABS樹脂のデメリットを解消した素材と言えるでしょう。

PLA樹脂

PLA樹脂は、デンプン由来の樹脂です。石油由来のABS樹脂の代替えとして開発されました。サステイナブルが注目されている現代において重宝されています。メリットは、ABS樹脂と比べて安定性に優れており、冷えても収縮して反り返る心配が少ないことです。

一方、耐衝撃性や耐熱性が低いことに加え、造形後の研磨や塗装がしにくいといったデメリットもあります。

PP(ポリプロピレン)樹脂

PP樹脂は、耐熱容器を初めとした製品に使用されている素材です。耐衝撃性や耐熱性、耐薬品性に優れていることに加え、軽くて扱いやすいというメリットがあります。一方、冷やしたときに大きく縮むため、熱溶解積層方式には向きません。近年では、熱溶解積層方式でも使用できるPP樹脂フィラメントも登場しています。

PET(ポリエチレン・テレフタレート)

PETは、ペットボトルに使用されている素材です。耐久性、耐熱性、強度に優れています。なお、3Dプリンターで使用する場合は、ペットボトルのように高い透明度は実現できません。

PC(ポリカーボネート)樹脂

PC樹脂は、強度や耐熱性に優れており、工業製品を中心に使用されています。同じプラスチックでも他の素材よりも強度が高く、軽いことが特徴です。耐熱性や耐候性もあるため、屋外に設置するものの造形にも使用できます。ただし、高温多湿の環境に弱いため、日本の夏、直射日光などに対しては適応できません。

アクリル樹脂

アクリル樹脂は透明度に優れている樹脂です。耐衝撃性と耐候性に優れているため、建物や自動車などに使用されています。表面に傷がつきやすいため、傷を避けるべき造形物には向いていません。ただ、自動車のように、傷がつくと修理費がかかることから傷を避けるべきものにも使用されることがあります。

ナイロン樹脂(ポリアミド樹脂)

ナイロン樹脂は、主に自動車やアパレル製品などに使われている素材です。耐衝撃性、耐熱性、耐薬品性に優れており、また柔軟性があります。一方、熱溶解積層方式では造形が困難であり、対応した機種の種類が限られています。

熱可塑性ポリウレタン

熱可塑性ポリウレタンは、ゴムやエラストマーなどの素材です。耐熱性と柔軟性に優れており、着色もできます。安定性が低いため、対応機種が限られています。

石膏

石膏は、フィギュアや模型などに用いられる素材です。コストが低く、短時間で造形できることがメリットです。一方、耐久性が非常に低く、取り扱いが難しいというデメリットもあります。

金属

金属は、鉄やニッケル、チタン、銅、シルバー、ステンレスなどの種類があります。自動車や医療機器など、あらゆるものに使用されています。

まとめ

3Dプリンターには、主に樹脂や金属、石膏などを使用します。樹脂には非常に多くの種類があり、造形物の性質に合わせて適切に選ぶ必要があります。ヤマイチテクノでは、3Dプリンターの目的に合わせて機種をご提案するだけではなく、使用できる素材についてもアドバイスいたしますので、まずはお気軽にご相談ください。

この記事の監修者

1989年入社以来、長年のCADシステムの営業経験を活かし現在3Dレーザースキャナーを中心に営業展開。東日本を担当する。

3Dレーザースキャナーの
販売・レンタル・計測業務受託

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