3Dプリンターノズルが摩耗するとどうなる?問題点と摩耗を防ぐ方法

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2024/03/07

3Dプリンターノズルが摩耗するとどうなる?問題点と摩耗を防ぐ方法


 
3Dプリンターのノズルが摩耗すると、造形物の品質や精度に深刻な影響を及ぼす可能性があります。
摩耗が進行すると、造形物表面に凹凸や線状の痕跡が現れ、最終製品の外観が劣化します。
さらに、ノズルの摩耗により造形物の寸法精度が低下し、部品の組み立てや機能に支障をきたすことがあります。
 
本記事では、3Dプリンターノズルが摩耗したときの症状や問題点、摩耗を防ぐ方法などについて詳しく解説します。

3Dプリンターノズルが摩耗する原因

3Dプリンターノズルは、次のような原因で摩耗します。

加熱と冷却の繰り返し

ノズルは造形時に高温に加熱され、造形後に急激に冷却されます。
この繰り返しの過程で、ノズルには膨張応力や疲労亀裂が生じ、材料特性が変化します。

研磨の性質を持つ素材の使用

特殊な繊維を含む素材の使用により、ノズルの内壁が削れます。
これにより、穴のサイズや形状が不均一になり、精度が低下します。

高温の環境

高度なプラスチック印刷では、ノズルを高温に保持する必要があります。
長時間の過熱により、ノズルの形状が歪み、耐久性が低下します。

3Dプリンターノズルの摩耗によるリスク

3Dプリンターのノズルが摩耗することには、次のような問題があります。

ベッドが定着しにくくなる

ノズルの摩耗が進むと、ベッドにフィラメントが適切に定着しなくなる可能性があります。
プリント中にモデルがズレたり、歪んだりするリスクが生じます。
特にFDM方式の3Dプリンターでは、ベッドへの定着が悪化しやすいため、ノズルの摩耗状況を定期的にチェックすることが重要です。

プリント品質の低下

ノズルの摩耗により、プリントの品質が低下する可能性があります。
摩耗したノズルは正確なフィラメントの流れを妨げ、均一な層厚や細かな詳細を再現する能力が低下します。
その結果、完成品の表面仕上げが悪化し、精度が低下します。

3Dプリンターノズルの摩耗を防ぐためのポイント

3Dプリンターノズルはどうしても摩耗するものですが、次のポイントを押さえることで摩耗を抑えることが可能です。

フィラメントの硬さに合ったノズルを選ぶ

ノズルを選ぶ際には、使用するフィラメントの硬さに応じて適切なものを選ぶことが重要です。
フィラメントの材質や硬さによって耐摩耗性が異なるため、硬度の高いフィラメントには硬度の高いノズルを使う必要があります。
例えば、カーボンファイバーのフィラメントには、耐摩耗性が高いルビー製やサファイア製のノズルが適しています。

プリンターの使用頻度に応じて選ぶ

ノズルを選ぶ際には、プリントする頻度に応じて適切なものを選ぶことも重要です。
耐摩耗性が高いノズルは一般に価格も高くなります。
したがって、頻繁にプリントする場合とそうでない場合では、適切なノズルの選択が異なります。
例えば、カーボンファイバーやグラスファイバーのフィラメントを頻繁に使用する場合は、耐摩耗性が高く、比較的高価なルビー製ノズルが適しています。
 
一方、年に1回しか使用しない場合は、価格が手頃なノズルを頻繁に交換する方がコスト効率が良いでしょう。
ノズル選びには、フィラメントの素材やコスト、プリント頻度などを考慮することが重要です。

耐久性に優れた3Dプリンターノズルの素材

耐久性のある高性能3Dプリンターノズルには、次のような素材が使われています。

真鍮

真鍮は安価でありながら、熱伝導率が高い特徴があります。
これにより、素早く均一に加熱することができます。
しかし、真鍮の研磨材は比較的柔らかいため、摩耗が早く起こることがあります。
真鍮のノズルは主にPLAやABSなどの一般的なフィラメントに適しています。

硬化鋼

硬化鋼は非常に耐久性があり、特殊な複合材料に対する耐性があります。
これにより、層の密着性が向上し、高品質なプリントが実現します。
しかし、硬化鋼は高価であり、熱伝導が遅いという欠点があります。

ルビー

ルビーは硬度、耐熱性、熱安定性に優れています。
また、低摩擦特性により、材料の固着を防ぎます。
ルビーのノズルは材料費が高価ですが、耐久性が非常に高いため、長期間にわたって安定した性能を提供します。

炭化タングステン

炭化タングステンは硬度と強度に優れており、ダイヤモンドと同等の耐摩耗性を持っています。
そのため、腐食性や高温、脆性の媒体の取り扱いに適しています。

銅・ニッケル合金

銅・ニッケル合金は熱特性が高く、低摩擦で非粘着性の特性を持っています。
バランスが取れており、多くの面で優れていますが、高価な傾向があります。

まとめ

3Dプリンターノズルが摩耗すると造形物の精度が低下するため、どうしても定期的な交換が必要です。
充実したサポートを提供している3Dプリンターの業者から購入すると安心です。
 
ヤマイチテクノでは、さまざまな3Dプリンターの中からお客様に適したものをご提案しております。
まずはお気軽にご相談ください。

この記事の監修者

1989年入社以来、長年のCADシステムの営業経験を活かし現在3Dレーザースキャナーを中心に営業展開。東日本を担当する。

3Dレーザースキャナーの
販売・レンタル・計測業務受託

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