3Dプリンター・スキャナーで文化財を守る方法|メリットも解説

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2023/02/14

3Dプリンター・スキャナーで文化財を守る方法|メリットも解説

文化財は後世に残すべきものですが、老朽化や災害などの影響で品質を保持できず、破損したり倒壊したりすることがあります。
このような場合は修繕が必要ですが、元の構造データがなければ正確な修繕はできません。
図面を作成するには手作業で測量が必要となり、多大なコストと時間がかかるうえに、正確性も担保できないでしょう。

そこで注目されているのが3Dレーザースキャナーで点群データを取得し、専用ソフトで3Dモデルを作成する方法です。
今回は、3Dプリンター・スキャナーで文化財を守る方法やメリットについて詳しく解説します。

3Dスキャン・プリンティング技術で文化財を守る方法

3Dスキャン・プリンティング技術によって文化財を守るには、次のように作業します。

  • 1. 3Dスキャナーで文化財の点群データを取得する
  • 2.専用ソフトで3Dモデルを作成する
  • 3.3Dプリンターで出力する

3Dプリンターで出力したものを観察することで、修繕ポイントや注意点などが見えてくるでしょう。
事前にシミュレーションもできるため、工事の精度向上や効率化、リスクの軽減などにつながります。

3Dスキャン・プリンティング技術の文化財への活用方法

3Dスキャン・プリンティング技術の文化財への活用方法には、次の3つがあります。

文化財の修繕・復元

文化財を復元する際は、破損箇所の形状から元の構造を考える必要があります。
従来では、職人が設計図を手描きして、元の形状を予測していたのです。
しかし、手描きでは膨大な時間がかかるうえに、その間に災害や自然劣化によって修繕箇所の状態が変わる可能性もあります。

3Dスキャンであれば短時間で高精度なデータを取得できるため、時間的な問題の解決につながります。
また、専用ソフトで修正・編集するため、何度も現場に足を運ぶ必要もありません。
このように、3Dスキャン・プリンティング技術は文化財の修繕・復元にかかる時間を大幅に削減するとともに精度を高められるため、積極的な活用が進められています。

文化財のレプリカの作製

3Dレーザースキャナーで取得した文化財の点群データをもとに3Dモデルを作製し、それを3Dプリンターで出力することで、レプリカを作製できます。美術館や博物館に展示して世に広めたり、研究に使用したりします。
また、大規模改修のシミュレーションを行う際にも役立つでしょう。

従来は職人が手作業でレプリカを作製していましたが、多大なコストと時間がかかることが問題でした。
3Dレーザースキャナーと3Dプリンターを活用することで、さまざまなコストを削減しつつ高精度なレプリカを作製できます。

デジタルアーカイブ化

文化財を修繕するにしても、老朽化や災害で倒壊するケースが少なくありません。
元の設計図があれば複製は可能ですが、図面が失われていたりそもそも存在しなかったりするケースもあります。

このような現状を解消するために、文化財のデジタルアーカイブ化が進められています。
3Dレーザースキャナーで取得した点群データを元に3Dモデル化し、デジタルアーカイブ化することで後世に残すことができます。

また、一般公開することで情報共有し、研究や学習に役立ててもらうことも可能です。

文化財の保全に役立つ3Dレーザースキャナーの選び方

文化財の保全に3Dレーザースキャナーを活用したい場合は、次のポイントを押さえて選びましょう。

接触式と非接触式

3Dレーザースキャナーには、接触式と非接触式があります。
接触式は、物体に直接触れてスキャンします。
精度が高いもののスキャナーが入り込めない部分のスキャンはできません。

非接触式は、光投影法やレーザー切断方式によって物体に触れずにスキャンする方式です。

光投影法とレーザー切断方式

光投影法は、文化財にパターン光を当てることで生まれたパターンの歪みからデータを取得します。
スピーディーで精度が高いことがメリットですが、明るい場所では使用できません。

汎用性の高さであればレーザー切断方式が優れているでしょう。
物体に照射して反射する光を受け、距離の情報からデータを取得できます。
光投影法よりも時間がかかりますが、明るい場所での計測や光沢のある物体の計測も可能です。

据置タイプ・ハンディタイプ

据置タイプは、3Dレーザースキャナーを固定してレーザーを照射します。
また、物体をテーブルや台座に置き、自動回転させながら照射する装置もあります。

ハンディタイプは手ぶれによる精度の低下が懸念されますが、人が持って歩けるため、据置タイプと比べて取り回しやすいことがメリットです。

まとめ

3Dレーザースキャナーや3Dプリンターを活用することで、文化財の保全やデジタルアーカイブ化などが可能になります。
ヤマイチテクノでは、目的に応じた3Dレーザースキャナーや3Dプリンターの選び方や導入方法などについてアドバイスしておりますので、まずはお気軽にご相談ください。

この記事の監修者

1989年入社以来、長年のCADシステムの営業経験を活かし現在3Dレーザースキャナーを中心に営業展開。東日本を担当する。

3Dレーザースキャナーの
販売・レンタル・計測業務受託

ハードウェア/ソフトウェアの販売から、機材のレンタル、計測業務受託まで
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