3Dスキャン専用スプレーとは?使用するシーン・理由・購入方法を解説

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2022/06/04

3Dスキャン専用スプレーとは?使用するシーン・理由・購入方法を解説

3Dスキャナーで対象物をスキャンする際は、3Dスキャン専用スプレーが必要な場合があります。ここで気になるのが、スプレーが必要な理由や購入方法ではないでしょうか。3Dスキャナーを正しく使うためにも、スプレーについてチェックしておきましょう。ここでは、3Dスキャン専用スプレーの効果や使用するシーン、購入方法などについて詳しく解説します。

3Dスキャン専用スプレーとは

3Dスキャナーとは、対象物に光を照射したり触れたりすることで3次元の座標データを取得する機器です。さまざまな角度からのショットを繋ぎ合わせて穴のないデータを作れば、より高精度なデータになります。

3Dスキャン専用スプレーは、対象物に光を照射するタイプの3Dスキャナーを使用する際に、対象物に拭きかけて使用します。

3Dスキャン専用スプレーを使用する理由

3Dスキャナーは、全ての対象物に使用できるわけではありません。黒いもの、光沢があるもの、鏡面のものに光を照射しても正確なデータを取得できないのです。3Dスキャナーは対象物に照射した光が機器に返ってきて、それをキャッチすることで3次元の座標データを取得します。つまり、光が機器に返ってこなければデータを取得できません。

黒、光沢、鏡面といった条件の対象物に光を照射しても反射しないため、データを取得できなかったり不十分なデータになったりします。

そこで使用するのが3Dスキャン専用スプレーです。対象物にスプレーを吹き付けることで光が正しく反射するようになるため、正しく3Dデータを取得できます。

3Dスキャン専用スプレーの注意点

3Dスキャン専用スプレーは万能ではなく、ときには不便な思いをすることもあります。使用する際の注意点について詳しく見ていきましょう。

全ての対象物に使用できるわけではない

対象物の性質状、スプレーを吹き付けられない場合もあるでしょう。また、吹き付けることの許可を得られないケースも少なくありません。さらに、スプレーを吹き付けても、自動車のヘッドライト、タイヤ、ガラスなどは3Dスキャナーでは正確な測定が困難です。

また、特定の部分のみを測定することもできません。この場合は、3Dデータを加工する段階で不要な部分を取り除くことになります。

完全に取り切れない場合がある

スプレーを拭きかけた対象物は、スキャン後に取り除く必要があります。スプレーを拭きかけた対象物には粉が付着するため、手ではたいたり水で洗い流したりとよいでしょう。ただ、多くのスプレーは放置すると粉が揮発してなくなります。

しかしながら、完全には揮発せずに対象物に残ってしまうケースが少なくありません。3Dスキャン専用スプレーにもさまざまな商品があるため、揮発性に優れていて対象物に残らないものを選びましょう。

精度にわずかに影響が出ることがある

3Dスキャン専用スプレーを対象物に拭きかけると、わずかながらスキャンの精度が低下する場合があります。必ず精度が低下するとは限らず、またデータに大きな影響が出ない可能性もあるため、まずは使ってみるのがおすすめです。少しの問題であれば専用ソフトで修正したり追加スキャンで取得したデータで穴を埋めたりして対処できます。

3Dスキャン専用スプレーの購入方法

3Dスキャン専用スプレーはネット通販で購入できますが、3Dスキャナーの販売会社に相談するのも1つの方法です。さまざまなスプレーがあるため、利用シーンや予算などを相談すれば最適と考えられる商品を提案してもらえるでしょう。

3Dスキャン専用スプレーの種類

3Dスキャン専用スプレーには、次のような種類があります。

酸化チタンセリサイト

化粧品の原料としても使用されている成分で、エタノールと混ぜてスプレーします。化粧品は肌に触れるため安全性を追求されているため、人体への影響の心配が少ないと言えるでしょう。ただし、エタノールが手に触れると、揮発する際に水分を奪い取るため肌が乾燥することがあります。

探傷検査用現像剤

部品の探傷検査現像剤として使用されている白いスプレーです。

昇華タイプスプレー

噴霧して数十分後で揮発するため、スキャン後の除去作業が必要ありません。3Dスキャナーのメリットは短時間で3Dデータを取得できることのため、スプレー剤の除去が必要になるとそのメリットを感じにくくなる可能性があります。そういった意味では、昇華タイプスプレーがおすすめです。

まとめ

3Dスキャン専用スプレーは、光沢があるものや黒色のものなどをスキャンする際に必要です。使用しなければ座標データを正確に取得できないため、必ず用意しておきましょう。3Dスキャナーやスプレーなどについてはヤマイチテクノまでご相談ください。

この記事の監修者

1989年入社以来、長年のCADシステムの営業経験を活かし現在3Dレーザースキャナーを中心に営業展開。東日本を担当する。

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