BIMと3Dスキャンはどうやって連携する?建物をBIM化する流れを解説

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2026/04/27

BIMと3Dスキャンはどうやって連携する?建物をBIM化する流れを解説


 
既存建物の改修や維持管理において、「図面が残っていない」「図面と現況が一致していない」といった課題は非常に多く見られます。
こうした問題に対して、近年急速に普及しているのがBIMと3Dスキャンの連携(スキャンtoBIM)です。
 
3Dレーザースキャナによって建物を高精度に計測し、その点群データをもとにBIMモデルを構築することで、現実空間をそのままデジタル上に再現できます。
従来の手作業による実測では±10〜20mm程度の誤差が発生するのが一般的でしたが、スキャン技術を活用することで±2〜3mmという高精度な再現が可能となりました。
 
本記事では、BIMと3Dスキャンの連携の仕組みから、建物をBIM化する具体的な流れ、導入時に押さえておくべきポイントまでを体系的に解説します。

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BIMと3Dスキャンの違いと連携の仕組み

BIMと3Dスキャンはどちらも建物をデジタル化する技術ですが、その役割は大きく異なります。

両者の違いを理解することで、なぜ連携が必要なのかが明確になります。

3Dスキャンは「現実をそのまま取得する技術」

3Dスキャンは、レーザーを照射して対象物までの距離を計測し、その結果を点の集合(点群データ)として記録する技術です。

1回のスキャンで数百万〜数千万点の座標データを取得できるため、建物の形状や寸法を非常に高い精度で再現できます。

ただし、この時点では単なる点の集合であり、壁や設備といった意味情報は含まれていません。 

BIMは「情報を持った建物モデルを構築する技術」

BIMは、建物を構成する要素に対して、寸法・材質・用途・設備情報などを持たせた3次元モデルを構築する技術です。

設計だけでなく、施工や維持管理にも活用できる点が特徴であり、単なる3Dモデルとは異なり「情報管理」が本質となります。

連携によって「デジタルツイン」が実現する

3Dスキャンで取得した点群データをBIMに取り込むことで、現実と一致した情報モデルが完成します。

この状態はデジタルツインと呼ばれ、設計・施工・運用のすべてのフェーズで活用可能な基盤データとなります。

建物をBIM化する流れ

BIM化は単なるモデリング作業ではなく、「計測・処理・再構築・検証」という複数の工程で構成されます。

各工程の精度が最終成果に大きく影響するため、段階的に進めることが重要です。

【1】要件定義と事前調査

最初に行うべきは、BIM化の目的を明確にすることです。

改修設計、維持管理、設備更新など用途によって必要なLOD(詳細度)は大きく異なります。

また、図面の有無や建物の構造、スキャンが難しい箇所(天井裏・設備スペース)なども事前に確認しておく必要があります。この工程が不十分だと、後工程で手戻りが発生しやすくなります。 

【2】3Dレーザースキャンの実施

現地でレーザースキャナを用いて建物を計測します。一般的には、1スキャンポイントあたり数分で計測が完了し、数百万点のデータを取得できます。

延床面積1,000㎡程度の建物であれば、30〜50ポイント程度のスキャンが必要となり、作業期間は1〜2日が目安です。

死角を減らすためにスキャン位置を適切に配置することが重要です。

【3】点群データの処理

複数のスキャンデータを統合し、不要なノイズを除去する工程です。

これをレジストレーションと呼び、精度に直結する重要な作業となります。

さらに、座標系の調整や形式変換を行い、BIMソフトで扱える状態に整えます。

ここでの処理精度が低いと、後のモデリング精度にも影響します。 

【4】BIMモデリング

処理済みの点群データをもとに、壁・床・天井・設備などをBIMモデルとして再構築します。

単に形状をなぞるのではなく、各要素をオブジェクトとして定義し、属性情報を付与することが重要です。

用途に応じてLOD200〜LOD400の範囲で詳細度を調整します。

【5】精度検証と納品

完成したBIMモデルと点群データを重ね合わせ、誤差を確認します。

一般的には±2〜3mm以内が許容範囲とされ、この基準を満たしていれば実務で十分に活用可能です。

その後、RVTやIFC形式で納品し、必要に応じて検証レポートや点群データも提出します。

BIM化によって得られるメリット

BIM化は単なるデジタル化ではなく、業務全体の効率と精度を向上させる効果があります。

設計精度の向上

高精度な点群データをもとにモデル化することで、現況とのズレがほとんどない設計が可能になります。

これにより、図面の信頼性が大幅に向上します。

手戻りの削減

BIM上で干渉チェックを行うことで、施工段階での問題を事前に発見でき設計者・施工者・発注者の間で認識のズレが起きにくくなります。

維持管理の効率化

設備情報や部材情報をモデルに紐づけることで、点検・修繕・更新の管理が効率化されます。

長期的な運用コストの削減にもつながります。

BIM化データ作成にかかる費用

BIM化データ作成費用は、自社作成と外注依頼では導入コストを抑えるなら外注化がおすすめです。

データ作成費用の目安

BIM導入には、費用が必要です。
 

  • ●ソフト費用
  • ●ソフト利用パソコン等(高性能なパソコンやサーバー )
  • ●BIMを扱える人材の確保と育成

 
外注化すると、これらを用意する必要はありません。
BIM化データ作成を外注する場合の費用は、建物の規模や細部(LOD)の作り込みによって大きく変動します。

まとめ

BIMと3Dスキャンの連携は、既存建物を高精度にデジタル化するための有効な手法です。
特に、図面が存在しない建物や現況とのズレが大きいケースでは、その効果は非常に高いといえます。
 
スキャンによって現実を正確に取得し、BIMで情報として再構築することで、設計精度の向上や手戻り削減、維持管理の効率化といったメリットが得られます。
さらに、適切なLODを選択することで、コストと効果のバランスを最適化することも可能です。
 
今後はデジタルツインの普及により、BIMと3Dスキャンの連携はさらに重要性を増していくと考えられます。
既存建物の活用や改修を検討している場合は、早期の導入が大きな価値を生むでしょう。
 
既存建物のBIM化やスキャン導入をご検討の際は、まずはお気軽にヤマイチテクノまでご相談ください。

この記事の監修者

1989年入社以来、長年のCADシステムの営業経験を活かし現在3Dレーザースキャナーを中心に営業展開。東日本を担当する。

3Dレーザースキャナーの
販売・レンタル・計測業務受託

ハードウェア/ソフトウェアの販売から、機材のレンタル、計測業務受託まで
ヤマイチテクノは幅広い「3D技術」でお客様のご要望を叶えるお手伝いをいたします。