iOS16に導入予定の「RoomPlan」APIとは?簡単に間取りを3Dモデル化

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2022/07/14

iOS16に導入予定の「RoomPlan」APIとは?簡単に間取りを3Dモデル化

Appleは年次開発者会議で、次期OSのiOS16に「RoomPlan」APIを導入することを発表しました。
3Dの間取りを簡単に作成できるため、不動産業をはじめとしたさまざまな分野で役立つ可能性があります。
ここでは、RoomPlanの特徴や役立つ分野などについて詳しく解説します。

ARKitとは

ARKitは、開発者向けのARフレームワークです。
ARKitを使用したARアプリは、iPhone・iPadに搭載されている単眼カメラで撮影した空間を認識し、物体の上にデジタルなキャラクターやモノなどを設置できます。
さらに、実物のサイズや環境光の測定も可能です。近年、社会現象になった「ポケモンGO」もARアプリの1つですが、ARKitは現実空間の構造認識が可能であることが特徴です。

例えば、家具の長さの計測のほか、ARで家具を配置して設置できるかどうかやサイズ感を確認することができます。
医療分野では、人体のモデルを用いて手術箇所を事前に把握するのにも使用されています。

RoomPlanとは

RoomPlanは、ARKitで動作するAPIです。iPhoneやiPadのカメラとLiDARスキャナによって家具の種類や部屋のサイズなどの要素を含む3D間取り図を作成できます。
部屋の中をスキャンして間取り図データを作成し、それを出力することでさまざまな分野に使用できるのです。
スキャンに必要なのはiOS16を搭載したiPhoneやiPadのみで、大型機材などを持ち運ぶ必要はありません。

Appleは、LiDARスキャナやARKitなど、XR系の技術に注力しています。

出力できるファイル形式

RoomPlanは、検出された対象物のサイズ、家具の種類などの情報をUSDまたはUSDZファイルとして出力できます。
USDZに互換性があるCinema 4D、Shapr3D、AutoCADなど、さまざまなツールで使用でき、細かな調整が可能です。

RoomPlanが役立つ分野

RoomPlanが役立つ分野は、不動産やホスピタリティなどです。
その場で部屋の見取り図を作成すれば、多くの情報に基づいた判断ができるようになるため、判断の精度が高まります。
また、データを関係者間で共有すれば、速やかな認識合わせや意見交換にも繋がるでしょう。
さらに、現場の状況を3Dモデル化して保全することも可能なため、メンテナンス業務にも使えます。
現場のデータを残したい、後から分析したいといったニーズに応えられるでしょう。

ARKitに搭載されているその他の機能

ARKitには、間取り図の3Dモデル化の他にも次のような機能が搭載されています。

4K動画撮影

ARを楽しみながらバックカメラで4K動画の撮影ができます。
撮影した動画をSNSに投稿したり、ARを活用した映像制作に活用したり、4K以外の動画と同じように扱えます。

東京にARオブジェクトを設置できる

有名なスポットにARオブジェクトを設置できる「Location Anchors(ロケーション・アンカー)」という機能が搭載されています。
世界の一部の都市のみが対象なのですが、バージョンアップにより東京も対象となりました。

インスタントAR

LiDARスキャナを使用すると、スキャン操作をせずにARオブジェクトを配置できます。

モーションキャプチャー

人の動きをリアルタイムでキャプチャし、体の動きや姿勢を用いたAR操作ができます。

トラッキングの併用

フロントカメラでフェイストラッキング、バックカメラでワールドトラッキングを行い、動きや表情によってARコンテンツ同時に行えます。
これにより、顔の動きや表情でARコンテンツに影響を与えることが可能です。

Scene Geometry(シーン・ジオメトリ)

「Scene Geometry(シーン・ジオメトリ)」は、周囲の地形図を作成し、床や壁、窓、天井などを識別する機能です。
現実空間に近いARオブジェクトを取り扱えます。

ピープル・オクルージョン

ピープル・オクルージョンとは、現実空間に存在する人や物の後ろをARコンテンツが通り過ぎることを実現する機能です。
より臨場感のあるAR体験ができます。

まとめ

iOS16に導入予定の「RoomPlan」APIを活用すれば、間取りを簡単に3Dモデル化できます。
不動産をはじめとしたさまざまな分野で利用でき、業務効率化や意思判断のスピードアップなどに繋がります。
さらに高精度な3Dモデルを手に入れたい場合は、3Dスキャナーを用いたスキャニングが必要です。
3Dスキャナーの購入やレンタルなどを検討される際は、ヤマイチテクノまでお気軽にご相談ください。

この記事の監修者

1989年入社以来、長年のCADシステムの営業経験を活かし現在3Dレーザースキャナーを中心に営業展開。東日本を担当する。

3Dレーザースキャナーの
販売・レンタル・計測業務受託

ハードウェア/ソフトウェアの販売から、機材のレンタル、計測業務受託まで
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