ハンディー型3Dスキャナーの選び方とは?選ぶときの手順も解説
ハンディー型3Dスキャナーは、取り回ししやすく、据え置き型ではスキャンが難しい箇所も高精度で計測できます。製品によって解像度や使いやすさ、使用するソフトなどが異なるため、十分に確認のうえでご自身に適したものを選ぶことが大切です。ここでは、ハンディー型3Dスキャナーの選び方と選ぶときの手順について詳しくご紹介します。
ハンディー型3Dスキャナーの選び方
ハンディー型3Dスキャナーの選び方について、詳しく見ていきましょう。
測定方式
ハンディー型3Dスキャナーの測定方式は、ランダムパターン投影方式とラインレーザーによる光切断方式に分類されます。ランダムパターン投影方式は、ランダムパターンのLED光を物体に投映し、そのパターンの歪みをカメラで撮影することで形状を計測します。スピーディーにデータを取得できるほか、連続撮影が可能です。
一方、光切断方式は1~複数本のレーザーで断面形状をカメラで認識することで形状を読み取ります。位置座標を合わせるために、物体にマーカーシールを貼る必要があります。
座標認識方式
座標を認識する方法には、マーカーシール方式のほかに、トラッキング方式とベストフィット方式があります。トラッキング方式は、レーザートラッカーか画像トラッカーシステムでハンディースキャナーの座標位置と姿勢を認識します。
ベストフィット方式は、ランダムパターン投映方式に用いられることが多い方式です。スキャナーを動かしながら複数撮影し、スキャンデータの形状をつなぎ合わせます。短時間で広範囲をスキャンできるため、主にマーカーシールを貼り付けられない人体や芸術品などの3Dデータを取得する際に使用します。
解像度
解像度が高くなればなるほど再現度の高い3Dデータを取得できます。文化財や宝石、アニメーション、機器の品質管理などの用途で使用する場合は、より高い解像度のスキャナーを選ぶことが重要です。
速度
速度は、『物体のデータをどの程度のスピードで計測できるのか』のことです。速度が速くなればなるほど、計測にかかる時間が短くなり、生産性や業務効率が高まります。1秒間に撮影できるフレーム数を確認しましょう。
ソフトの品質
3Dスキャナーの機能を活用するには、3Dソフトウェアが必要です。取り込んだデータを素早く処理できるソフトが搭載されたものを選びましょう。
メンテナンスのしやすさ
3Dスキャナーの品質を維持するには、定期的なメンテナンスが必要です。メーカーによってメンテナンスサポートの内容が異なるため、事前に確認しましょう。例えば、光学クリーニングやキャリブレーションなどの方法があります。
対応できる環境
3Dスキャナーを使用する環境に耐えられるかどうか確認しましょう。例えば、直射日光を受けながら撮影する場合、高温に強いものを選ぶ必要があります。ただし、基本的には日陰を作って撮影しなければなりません。
暗い環境、湿気が多い場所など、悪い環境で一定の計測品質を維持するためには、そのような環境でも問題なく計測できるように設計された3Dスキャナーを選ぶ必要があります。
なお、どのような3Dスキャナーでも、極端に悪い環境下ではパフォーマンスを発揮できません。例えば、非常に高温の環境では、スキャナーが発熱する恐れがあります。反対に低温の環境では、スキャナーの精度が低下し、誤作動を起こすことが懸念されます。
価格とサポート
3Dスキャナーの価格を見る際は、機能性や品質、サポートなども一緒に確認しましょう。価格が低い3Dスキャナーが一概に低品質とは言い切れませんが、品質に不安が残るものは選ばない方が無難です。早期に故障すれば、修理に高いコストがかかります。また、価格が安い代わりにサポートがない場合も注意が必要です。
ハンディー型3Dスキャナーを選ぶときの流れ
ハンディー型3Dスキャナーは、次の手順で選びましょう。
用途や使用頻度などの明確化
どの製品がベストかは、用途や使用頻度、使用場面などで異なります。製品形状の検査、3DCAD化などの用途、使用頻度、屋内外のどちらで使用するのかなどを確認しましょう。
実機による比較
ハンディー型3Dスキャナーを実際に手に取って、スキャンの品質や持ちやすさ、取り回しのしやすさ、重量、スキャンスピードなどを比較しましょう。実際に手に取ることで気づけることもあります。ハンディー型3Dスキャナーが事業に必須な場合、自社に最も適した製品を慎重に選ばなければなりません。そのため、カタログ上の数値だけではなく、実機を手に取って比較することは必須です。
まとめ
ハンディー型3Dスキャナーを選ぶ際は、品質や価格、サポート体制、環境への適応範囲などを確認しましょう。また、提供企業に直接話しを聞きながら選ぶのがおすすめです。ハンディー型3Dスキャナーをお求めの際は、ヤマイチテクノにお問い合わせください。

1989年入社以来、長年のCADシステムの営業経験を活かし現在3Dレーザースキャナーを中心に営業展開。東日本を担当する。
3Dレーザースキャナーの
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