口腔内スキャナーとは?使用するメリット・デメリットを解説
口腔内スキャナーは小型カメラで口腔内を撮影し、リアルタイムに立体画像を生成する装置です。
高精度かつ迅速なデータ取得が可能で、細部まで詳細な情報を提供します。
これにより、従来のアナログの型取りよりもひずみが少ない型取りが可能になるうえに、患者さんが苦しい思いをすることもありません。
ただし、高い導入費用や保険適用外、専門的な訓練が必要などのデメリットも存在します。
今回は、口腔内スキャナーを導入するメリット・デメリットについて詳しく解説します。
口腔内スキャナーとは
口腔内スキャナーは、口腔内の状態を小型カメラで撮影し、その画像を立体化してモニター上に表示する装置です。
アメリカやヨーロッパでは一般的に使用されていますが、日本ではまだ普及率が低い状況です。
高い導入費用や保険適用外が普及の障害となっていますが、そのメリットを考慮し導入する歯科医院も増加しています。
口腔内スキャナーの用途
口腔内スキャナーは、矯正治療やむし歯治療、インプラント治療など、さまざまな分野で用いられています。
口腔内スキャナーの用途について詳しく解説します。
矯正治療
口腔内スキャナーは、歯並びや咬合の状態を高精度かつ迅速に捉え、矯正治療計画の立案や進行をサポートします。
患者さんの口腔内データをデジタル化することで、精密な補綴物の製作や治療経過のモニタリングが可能となります。
むし歯治療
むし歯治療において、口腔内スキャナーは患者さんの歯の状態を詳細に観察し、治療計画の立案に活用されます。
従来の型取りよりも迅速で正確な情報が得られるため、より精度が高い詰め物・被せ物の作製が可能です。
インプラント治療
インプラント治療では、患者さんの歯周状態やインプラントの埋入位置、インプラントの上部構造の作製に必要な情報などの取得に用いられています。
口腔内スキャナーはこれらの情報を高精度に取得し、デジタルデータとして保存・利用することで、安全で効果的なインプラント手術を支援します。
入れ歯治療
口腔内スキャナーは入れ歯治療においても重要な役割を果たします。
患者さんの歯並びの状態を精密にスキャンし、デジタルデータとして保存します。
このデータをもとに、入れ歯の設計や製作が行われ、患者さんにとってよりフィットした入れ歯の作製が可能となります。
口腔内スキャナーを使用するメリット
口腔内スキャナーを導入するメリットについて詳しく見ていきましょう。
高精度なデータ取得
口腔内スキャナーは微細な口腔の構造を小型カメラでリアルタイムに捉え、高い精度でデータを取得します。
これにより、異常や治療の進行状況を迅速に把握し、正確な治療計画を策定できます。
詳細な立体画像
モニター上に映し出される口腔内の画像は、多角的な視点から確認可能であり、必要に応じて拡大することができます。
歯科医師は細部までクリアに観察できるため治療の精度が高まります。
また、患者さんに治療に対する理解を深めてもらうのにも役立つでしょう。
ゆがみの少ない型取り
光学印象による型取りは、アナログ型取りに比べてゆがみが生じにくく、精密なモデルを得ることができます。
これにより、装置へのフィッティングや治療器具の精度向上が期待できます。
快適な型取り
口腔内スキャナーは非接触で使用され、従来のアナログ型取りに比べて患者さんに苦痛がありません。
粘土のような型取りを行う必要がないため、患者さんの負担を大幅に軽減できます。
データのデジタル保存
口腔内スキャナーにより得られたデータはデジタル形式で保存されます。
これにより、物理的なモデルを取り扱う必要がなくなり、データのバックアップや効率的な管理が可能となります。
口腔内スキャナーを使用するデメリット
口腔内スキャナーには、次のようなデメリットがあります。
導入費用が高い
口腔内スキャナーを導入するには高額な初期費用がかかります。
医療機関にとってはこの費用がハードルとなり、特に小規模なクリニックや診療所では導入が難しい場合があります。
ただし、導入後の効果が高いため、比較的早い段階で損益分岐点を超えるでしょう。
保険適用外
口腔内スキャナーの導入は現在、一部を除き、保険適用外となっています。
したがって、患者さんが口腔内スキャンを受ける際には追加の費用が発生することがあります。
これが一部の患者さんにとっては負担となり、利用を敬遠することになるかもしれません。
追加費用を設定しない場合は、保険適用外であることはデメリットとは言えないでしょう。
まとめ
口腔内スキャナーを導入することで精密なデータをスピーディーに取得できるうえに、患者さんにかかる大きな負担を軽減することができます。
そのため、苦しくない歯科治療ができる歯科医院という印象を与えられ、リピートにつながりやすくなると考えられます。
この機会に口腔内スキャナーの導入をぜひ検討してはいかがでしょうか。

1989年入社以来、長年のCADシステムの営業経験を活かし現在3Dレーザースキャナーを中心に営業展開。東日本を担当する。
3Dレーザースキャナーの
販売・レンタル・計測業務受託
ハードウェア/ソフトウェアの販売から、機材のレンタル、計測業務受託まで
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