CAD・CAM・CAEとは?それぞれの違いや使用方法を解説

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2023/08/23

CAD・CAM・CAEとは?それぞれの違いや使用方法を解説


 
製造業においては、CAD・CAM・CAEが欠かせないものとなっているものの、それぞれの違いや関係性が今ひとつ理解できないという方は多いのではないでしょうか。
そこで今回は、CAD・CAM・CAEの意味や特徴からそれぞれの違い、使用方法などについて詳しく解説します。

CADとは

CADは「Computer Aided Design」の略称で「キャド」と読みます。
コンピュータ上で設計や製図を行うためのツールを指します。

2D CADは2次元の平面図を作成し、3D CADは立体像のモデリングを行います。
3D CADは曲面や複雑な形状も可視化でき、従来の紙を使った製図とは異なり設計データの管理、共有、修正、転用などが容易に行えます。

CADの種類は汎用CADと専用CADの2つです。汎用CADは製品設計から治工具の設計まで多岐にわたる用途に使用され、専用CADは建築土木や配管、電気、服飾デザインなど、特定の用途に特化した設計に利用されます。

CAMとは

CAMは「Computer Aided Manufacturing」の略称で「キャム」と読みます。
製品や部品を作る際に、コンピュータを使って製造プロセスを支援する技術を指します。

CADで作成された設計図面を基にして、工作機械での加工に必要な指示や命令を生成するのがCAMの役割です。
この指示や命令は数値制御(NC)プログラムであり、工作機械がこれに従って材料を切削・成形します。
 
通常、製品の設計はCADで行われ、その後CAMによって製造プロセスが計画されます。
CADとCAMの工程を統合したツールは「CAD/CAM (キャドキャム)」とも呼ばれ、設計と製造がシームレスに連携します。
CAMの使用によって工作機械との連携が効率化され、高精度での製造を実現できます。

CAEとは

CAEは「Computer Aided Engineering」の略称で「シーエーイー」と読みます。
コンピュータ上で行われるエンジニアリング作業をサポートするためのツールを指します。

CAEは主に仮想試作や試験のシミュレーション、解析を行うために使用されます。
これにより、物理現象(力の状態、流体、熱など)や目に見えない現象(応力、温度、電磁場など)を計算し、可視化できます。
例えば、新しい製品の設計段階で、実際に物理モデルを作成せずにその性能を予測することが可能です。

CAD・CAM・CAEの関係性

これらの技術は、製品開発の各段階で連携して使用されることで、効率的な設計から製造、試験、改善までのプロセスを支援します。

CADでデザインされたモデルはCAMによって製造プロセスが計画され、最終的にCAEで性能や挙動を評価できます。

CAD・CAM・CAEの統合は製品開発全体の効率を向上させ、品質の向上や生産性の向上に寄与します。

 

CAD・CAM・CAEの使用方法

CAD・CAM・CAEの使用方法について詳しく見ていきましょう。

CADの使用方法

CADは、次の流れで使用します。
 

(1)モデリング CADソフトウェアを使用して、製品や部品の3Dモデルを作成します。
これにより、形状や寸法、外観などの設計を行います。
(2)図面作成 3Dモデルから2D図面を生成し、寸法や仕様を詳細に表現します。
(3)データ管理 データを保存します。
複数の設計データを管理し、変更履歴を追跡するためのツールとしても使用できます。

CAMの使用方法

CAMは次のように使用します。
 

(1)CADデータの取り込み CADで作成された設計データをCAMソフトウェアに取り込みます。
(2)加工プログラム生成 CAMソフトウェアは、工作機械の動作や工具の選択、加工経路などを基に数値制御(NC)プログラムを生成します。
(3)工作機械への転送 生成されたNCプログラムを工作機械に転送し、実際の製造加工を実行します。

CAEの使用方法

CAEの使用方法は次のとおりです。
 

(1)モデル作成 製品やプロセスのモデルをCAEソフトウェアで作成します。
これには物理的な特性や境界条件などが含まれます。
(2)シミュレーション設定 解析のために必要な条件やパラメータを設定します。
たとえば、荷重や熱源の設定などがあります。
(3)解析実行 CAEソフトウェアはこれらの条件を基にシミュレーションや解析を実行し、製品やプロセスの挙動を予測します。
(4)結果の評価 シミュレーション結果を評価し、設計の問題点や改善の余地を確認します。

CAD・CAM・CAEのいずれにおいても、予算内で使いやすいソフトウェアを使用することが大切です。
専門家に相談のうえで、自身にとって最適なソフトウェアを見つけましょう。

まとめ

CAD・CAM・CAEは、それぞれ密接に関係しており、製造業において欠かせない技術となっています。
いずれも専門知識が必要なため、使い方をマスターするには専門書での独学やプロによる指導などが欠かせません。
また、自身にとって使いやすいソフトウェアを選ばなければ作業効率が低下し、スムーズな製造ができなくなります。
 
今回、紹介した内容を参考に、CAD・CAM・CAEの理解を深めましょう。

この記事の監修者

1989年入社以来、長年のCADシステムの営業経験を活かし現在3Dレーザースキャナーを中心に営業展開。東日本を担当する。

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