IPコード(保護等級)とは?防塵・防水性能の見方と選び方を解説

【ヤマイチテクノ】大阪・東京・名古屋

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2025/10/08

IPコード(保護等級)とは?防塵・防水性能の見方と選び方を解説


 
スマートフォンや産業用機器などの仕様に記載されている「IP67」「IP54」といった表示を目にしたことはありませんか?
これらは国際規格で定められた「IPコード(保護等級)」であり、防塵性能や防水性能のレベルを示しています。
 
IPコードを正しく理解することで、使用環境に適した製品選びが可能になり、思わぬ故障やトラブルを防ぐことができます。
本記事では、IPコードの仕組みから具体的な等級の意味、選定のポイントまでわかりやすく解説します。

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IPコードとは

IPコード(Ingress Protection Code:保護等級)とは、電気機器や電子機器の筐体(外郭)が、人体の接触や固形物・水の侵入からどの程度保護できるかを等級化した国際規格です。
国際電気標準会議(IEC)が定める「IEC 60529」に基づき、日本でもJIS C 0920として採用されています。
製品に表示されるIPコードは、規定された試験条件に適合して初めて使用できるため、信頼性の高い指標となります。

IPコードの構成

IPコードのどの部分が防塵性能を、どの部分が防水性能を示すのかを理解しておくことで、使用環境に適した製品を選びやすくなります。
IPコードの構成について見ていきましょう。

第一特性数字(防塵等級)

第一特性数字は「0~6」で表され、人体の接触防止や固形物(塵やほこり)の侵入に対する保護性能を示します。
数値が大きいほど防塵性能が高く、完全防塵は「6」となります。

第二特性数字(防水等級)

第二特性数字は「0~9」で表され、水の侵入に対する保護性能を示します。
「0」は無保護、「7」は一時的な水没に耐える、「8」は継続的な水没でも影響を受けないことを意味します。

付加特性文字と補助文字

必要に応じて「A〜D」の付加特性文字や、「H、M、S、W」などの補助文字を付けることで、より詳細な保護内容を示せます。

IPコードの見方と例

  • 【IP67】・・完全防塵(6)+一時的な水没に耐える(7)
  • 【IPX3】・・防塵等級は表記なし(X)、防水等級は「散水に耐える」(3)
  • 【IP3X】・・直径2.5mm以上の固形物が侵入しない(3)、防水性能は表記なし(X)
  • 【IP00】・・防塵・防水ともに保護なし

 
これらを理解することで、製品の使用環境に適した機器を選ぶ判断材料となります。

IPコードの基準について

前述のとおり、IPコードの保護等級は、第一特性数字と第二特性数字で表し、第一特性数字は「防塵性能(人体・固形物体に対する保護)」を、第二特性数字は「防水性能(水の侵入に対する保護)」を示し、それぞれ以下のような基準となっています。

防塵性能に関する第一特性数字

  • 0:保護なし
  • 1:直径50mm以上(手など)の固形物からの保護
  • 2:直径12.5mm以上(指先)の固形物からの保護
  • 3:直径2.5mm以上の固形物からの保護
  • 4:直径1mm以上の固形物からの保護
  • 5:有害な量の粉塵が内部に侵入しない
  • 6:粉塵が全く侵入しない

防水性能に関する第二特性数字

 

  • 0:保護なし
  • 1:真上から落下する水滴からの保護
  • 2:15度傾けたときに真上から落下する水滴からの保護
  • 3:角度60度以内からの水しぶきからの保護
  • 4:あらゆる方向からの水しぶきからの保護
  • 5:あらゆる方向からの直接噴流からの保護
  • 6:あらゆる方向からの強い直接噴流からの保護
  • 7:水深1m、30分以内の水没からの保護
  • 8:水没からの保護

 

ヤマイチテクノ所有機器のIPコード

ヤマイチテクノにて所有している「FARO・Leica機器」のIPコードは下記のとおりです。
 

  • 【FARO Focus Premium, S350, S150】・・IP54
  • 【FARO Orbis】・・IP54
  • 【FARO Freestyle 2】・・IP52
  • 【FARO ARM Quantum S ScanArm V1】・・IP52
  • 【Leica AT960】・・IP54

 
いずれも防塵性能(5=有害な粉じんが侵入しない)と防水性能(2〜4=水滴や飛沫に対する保護)を備えており、屋内外での利用に適した設計がされています。

防塵・防水性能の重要性

電子機器や計測機器を安全に長く使用するためには、防塵・防水性能を正しく理解することが欠かせません。
製品内部に粉じんや水分が侵入すると、基板やセンサーの故障、動作不良、最悪の場合はショートや発火などの重大なトラブルにつながる可能性があります。
特に建設現場や製造業のように粉じんや水しぶきが多い環境では、IPコードで定められた保護等級を満たしているかどうかが信頼性と耐久性を大きく左右します。
 
たとえば、屋外で使用する機器は少なくとも「IP54」以上の性能が求められ、粉じんの侵入を防ぎつつ飛沫に耐えられる設計が望まれます。
さらに雨天や水場での利用を想定するなら「IP67」や「IP68」といった、完全防塵かつ水没にも耐えられる等級が必要です。
 
つまり、防塵・防水性能は単なる付加価値ではなく、機器の寿命や安全性、さらには作業の効率性を守るために欠かせないものです。

まとめ

IPコードは、防塵・防水性能を数値化した国際規格であり、製品を使用する環境を選ぶうえで欠かせない指標です。
正しく理解することで、雨天時の使用や粉じん環境下での使用可否を判断でき、トラブルや故障リスクを軽減できます。
とはいえ、IP等級の数値は、あくまで特定の条件下で保証される性能です。機器選びの重要な指標になりますが、たとえ高い数値であっても、機器を長く使用するためにも出来る限り過酷な環境下での使用は避けるほうが賢明でしょう。
機器を選ぶ際は、必ずIPコードを確認し、用途に最適な製品を選定しましょう。
 
ヤマイチテクノでは、用途に応じた筐体・機器の選定に対応しておりますのでお気軽にご相談ください。

この記事の監修者

1989年入社以来、長年のCADシステムの営業経験を活かし現在3Dレーザースキャナーを中心に営業展開。東日本を担当する。

3Dレーザースキャナーの
販売・レンタル・計測業務受託

ハードウェア/ソフトウェアの販売から、機材のレンタル、計測業務受託まで
ヤマイチテクノは幅広い「3D技術」でお客様のご要望を叶えるお手伝いをいたします。