点群データの処理と加工の流れは?各手順について詳しく解説

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2024/07/18

点群データの処理と加工の流れは?各手順について詳しく解説


 
点群データの処理と加工によって作成する3Dモデルは、さまざまな産業や研究分野において重要な役割を果たしています。
点群データは、3Dスキャニング技術やLiDARを使用して取得します。
 
本記事では、点群データの処理と加工の流れを、手順ごとに詳しく解説します。

点群データの処理と加工の流れ

点群データの処理と加工の流れについて、詳しく見ていきましょう。

【1】データ前処理

データ前処理では、ノイズや不要な点を除去し、フィルタリングやサンプリングを行います。
また、座標系の変換やスケーリングを行い、データを統一した形式に整えます。
点群データはソフトで処理・加工を行ってこそ、有益なデータとなります。

【2】アライメント(位置合わせ)

点群データはさまざまな角度から撮影した写真データを重ねたような状態であり、データを張り合わせたり、位置を合わせたりすることで精度の高い使い勝手の良いデータとなります。
測量時に「マーカー」を設けておくことで位置合わせの精度を担保できます。

【3】メッシュ生成

点と点を結んで三角形を作り、ポリゴンデータに変換します。

ポリゴンデータに張った面がメッシュであり、これを3DCADソフトなどに使用する際には、STLデータやSTEPデータといったファイル形式が用いられます。

【4】データ後処理

最終的な3Dモデルの品質を向上させるために、後処理を行います。

テクスチャの追加やエッジのスムージング、穴の修復などによって、モデルの外観と精度を向上させます。

点群データの処理と加工の注意点・ポイント

点群データの処理・加工においては、次の注意点とポイントを押さえましょう。

メッシュデータ変換の品質

点群データをポリゴンメッシュに変換する際、データの欠損や穴を埋める作業が必要です。
3Dスキャナーは対象物の表面の形状をスキャンするため、取得できなかったデータの穴を埋める作業が重要です。
自動補正機能を備えたソフトウェアを利用すると、作業時間を短縮できます。

内挿補間の手法

内挿補間は、欠損データを補完し既知データを平滑化するための手法です。

最近隣内挿法やバイリニア、逆距離加重平均(IDW)、クリギング、スプライン法など、さまざまな計算式があります。

対象物や用途に応じて適切な手法を選択することが重要です。

スムージングと自動クリーニング

スムージングは、対象物のデータを滑らかに整える工程であり、やりすぎると実物との誤差が大きくなるため注意が必要です。

また、自動クリーニング機能を備えたソフトウェアを利用すると、全体的なバランスを整えることができますが、完全に理想的なデータにするわけではありません。

点群データ処理・加工のソフトの選び方

点群データ処理・加工のソフトの選び方について、詳しく見ていきましょう。

データの処理能力が高い

点群データは膨大な点の集まりであり、対象が大きかったり広範囲であったりするほど、データの容量も大きくなります。

そのため、ソフトを選ぶ際には、処理できるデータの上限や処理速度の確認が必要です。

例えば、広範囲の都市モデルを作成する場合、高処理能力を持つソフトを使用することで、データのスムーズな処理が可能となります。

点群処理をワンストップで行える

点群処理には、データの前処理、解析、モデリングなど、さまざまな工程があります。

ソフトの中には一部の工程に特化しているものもあるため、全ての工程をカバーできるワンストップソリューションを選ぶことが重要です。

必要なデータ形式で出力できる

点群処理ソフトで処理したデータは、その後の作業に応じて別のソフトに取り込むことが一般的です。

点群データにはさまざまな形式があり、必要とする形式で出力できるソフトを選ぶことが大前提となります。

ノイズ除去の精度が高い

点群データの処理において、ノイズ除去は非常に重要な工程です。

たとえば、建築物の外観を3Dモデル化する際、周囲の不要なデータやノイズを適切に除去することで、精度の高いモデルを作成することができます。

ノイズ除去の精度が高いソフトを選ぶことで、データのクオリティが高まります。

まとめ

点群データの処理と加工は、適切なソフトの選定と適切な工程を踏んで行うことが成功の鍵です。
高い処理能力を持ち、ワンストップで対応できるソフトを選ぶことで、データの品質を最大限に引き出すことができます。
さらに、ノイズ除去や内挿補間の手法を駆使して、正確で詳細な3Dモデルを作成することが可能です。
 
ヤマイチテクノでは、3Dレーザースキャナーを数多く取りそろえておりますので、点群データの活用を検討される際はお気軽にご相談ください。

この記事の監修者

1989年入社以来、長年のCADシステムの営業経験を活かし現在3Dレーザースキャナーを中心に営業展開。東日本を担当する。

3Dレーザースキャナーの
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ハードウェア/ソフトウェアの販売から、機材のレンタル、計測業務受託まで
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