リアリティーキャプチャーとは?3Dモデル制作の手法と活用例を解説

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2023/08/23

リアリティーキャプチャーとは?3Dモデル制作の手法と活用例を解説


 
3Dモデル制作において、リアリティーキャプチャーが注目されています。
従来では何もない状態から資料をもとに制作する方法が取られていましたが、リアリティーキャプチャーを活用すれば実物をもとにリアルな3Dモデルを制作できます。
 
今回は、リアリティーキャプチャーの概要と手法、活用例について解説します。

リアリティーキャプチャーとは

リアリティーキャプチャー(Reality Capture)は、現実世界に存在する物体や環境をレーザースキャナーや写真計測などの技術を用いて3Dモデル化する手法の総称です。

この手法は、元々は建築現場や航空測量などで使用されていましたが、近年ではエンターテイメント分野などでも幅広く活用されています。

リアリティーキャプチャーの手法

リアリティーキャプチャーの手法について詳しく見ていきましょう。

フォトグラメトリー(写真測量法)

フォトグラメトリーは、対象物を取り囲むように多数の写真を撮影し、専用のソフトウェアで解析することによって3Dモデルを生成する手法です。

大きな建物や構造物から小さなオブジェまで、さまざまな対象物を3D化できます。

例えば、ビルや城などの大きな建造物を3D化する場合、ドローンを使用して周囲を旋回しながら多角的な視点から撮影します。

高解像度で鮮明な画像を使用することで、3Dモデルのクオリティーを向上させることができます。

レーザースキャナー

レーザースキャナーは、自動的に回転しながら周囲の環境を3D計測する装置です。
対象物の周囲を複数の視点から計測することで、高精度な3Dモデルを生成します。
この手法は比較的短時間で広範囲なエリアを計測できるため、建築現場や大規模な環境のモデリングに向いています。
また、光源を必要としないため、夜間でも計測が可能です。

3Dデジタイザー

3Dデジタイザーは、物体の形状を非接触で取得するための装置で、固定式やアーム式、ハンディタイプなどさまざまな製品があります。
高精度なスキャナーを使用すれば、微細な凹凸まで精細に再現することができます。
スキャン回数が増えるにつれて誤差が大きくなることがあるため、適切なアングルとスピードでスキャンする必要があります。
 
この手法は、工業製品の形状解析や製品開発、文化遺産の保存など、さまざまな分野で活用されています。

リアリティーキャプチャーのメリット

リアリティーキャプチャーのメリットについて詳しく見ていきましょう。

再現性が高い

リアリティーキャプチャーを用いることで現実の対象物や環境を高精度で再現できます。

そのため、実際の対象物とほぼ同じ外観や形状の3Dモデルの制作が可能です。

効率性が高い

従来の手作業での測定やモデリングに比べて、リアリティーキャプチャーは迅速にデータを収集し、3Dモデルを作成できます。

これにより、作業時間やコストを削減し、プロジェクトのスムーズな進行を実現します。

対象物の品質に影響を与えない

リアリティーキャプチャーは非接触でデータを収集するため、対象物や環境に対して影響を与えることなくデータを取得できます。

これにより、貴重な文化遺産や繊細なオブジェクトを保護しながら3Dモデルの制作が可能です。

リアリティーキャプチャーによる3Dモデル制作の活用例

リアリティーキャプチャーによる3Dモデルの制作については、次のような分野で活用されています。

 

建築・土木工学

建設現場や遺産保護のために、建物や構造物の現状を正確にキャプチャして3Dモデルを作成し、設計や改修の基盤として活用されています。

文化遺産保護

重要な歴史的建造物や遺跡を3Dモデル化してデジタルアーカイブとして保存し、次の世代に残す取組がされています。

映画・ゲーム制作

セットやキャラクターのデジタルツインを作成し、バーチャル環境での撮影やVFXの制作に利用します。

リアルなゲーム環境を作り出すために、実世界の場所やオブジェクトを3Dモデルとして取り込みます。

教育

教育現場での学習教材として、歴史的な場所や事象の再現を行うためにリアリティーキャプチャーを活用します。

また、人体の3Dスキャンを行い、解剖学の研究や医療教育に役立つリアルな3Dモデルを提供します。

 

製造

工場内の設備や機械の3Dモデルを作成し、効率的な保守・点検・修理計画を策定します。

また、製品の試作品やプロトタイプを3Dスキャンしてデジタルツインを作成し、設計の改善や製品のカスタマイズに活用します。

自動車

車両の外観や内装を3Dスキャンしてデジタルモデルを作成し、デザインの評価や改善を行います。

また、車両の3Dモデルを使用してクラッシュテストのシミュレーションを行い、安全性の評価をサポートします。

まとめ

リアリティーキャプチャーを活用することで、従来の手作業での手法よりも早く高品質な3Dモデルを制作できます。

ヤマイチテクノでは、リアリティーキャプチャーの手法に用いる3Dレーザースキャナーを数多く取りそろえておりますので、ご興味のある方はぜひ一度ご相談ください。

この記事の監修者

1989年入社以来、長年のCADシステムの営業経験を活かし現在3Dレーザースキャナーを中心に営業展開。東日本を担当する。

3Dレーザースキャナーの
販売・レンタル・計測業務受託

ハードウェア/ソフトウェアの販売から、機材のレンタル、計測業務受託まで
ヤマイチテクノは幅広い「3D技術」でお客様のご要望を叶えるお手伝いをいたします。