地上型レーザースキャナーとは?特徴や測量の流れを解説

【ヤマイチテクノ】大阪・東京・名古屋

  • 3D

2022/09/15

地上型レーザースキャナーとは?特徴や測量の流れを解説


対象物のXYZ軸の3次元座標を取得する際は、地上型レーザースキャナーやドローンなどを使用します。
この作業を3次元測量といい、近年多くの分野で取り入れられています。
3次元測量に欠かせない地上型レーザースキャナーは、どのような仕組みなのでしょうか。
ここでは、地上型レーザースキャナーの特徴や仕組み、測量の流れなどについて詳しく解説します。

レーザー測量とは

レーザー測量とは、対象物にレーザーを連続的に照射し、返ってきたレーザーを捉えることで対象物の構造や大きさなどの情報を点群データとして取得する測量方法です。
レーザー測量は対象物の形状や大きさ、周辺環境などに応じて適切な機器を使用する必要があります。

ドローンや航空機からレーザーを照射する空中レーザー測量、走っている車からレーザーを照射する車載レーザー測量、そして地上に設置した機器からレーザーを照射する地上レーザー測量などがあります。

地上型レーザースキャナーとは

地上型レーザースキャナーは、地上レーザー測量で使用する3次元測量器です。
対象物の大きさや、機器との距離などを考慮して設置場所を決めます。
そして、機器を回転させながらレーザーを照射することで、対象物までの距離と方向から点群データを取得します。

地上型レーザースキャナーの特徴

地上型レーザースキャナーは、面計測ができます。
1点ずつ計測するものとは異なり、短時間で点群データの取得が可能です。
ドローンを使った空中レーザー測量でも面計測が可能ですが、大量の写真から点群化する作業が欠かせません。

一方、地上レーザー測量では点群化の作業をせずに点群データを取得できます。
3次元測量は業務効率化のメリットがありますが、地上レーザー測量であればそのメリットを感じやすいでしょう。
また、航空法をはじめとした法規制の影響を受けずに使用できる点もメリットです。
天候の問題でドローンが飛行できないような心配もありません。

地上型レーザースキャナーの難点

地上型レーザースキャナーは高性能なだけあって、導入に高いコストがかかります。
また、軽量化が進んでいるとは言え、まだまだ重量があるものがほとんどです。
現場で持ち運びが必要なため、なるべく軽いものを選びたいところでしょう。
足場が悪い場所では、機器を正確な位置に設置できず、なかなか作業が進まないことも考えられます。

地上レーザー測量の流れ

地上レーザー測量は、次の流れで行います。

1.機器の設置位置の決定

地上レーザー測量は、地上型レーザースキャナーを正しい位置に設置することから始めます。
設置する位置に問題があると、このあとの工程を正しく行ったとしても、正確な点群データは取得できません。

まずは、計測の精度を維持できる距離を確認しましょう。
機器によって異なるため、取扱説明書を読み込み、適切な距離を調べてください。
また、計測結果に影ができないように、最低でも2方向からの照射が必要です。
対象物との位置関係によっては単一の方向からしか照射できないため注意しましょう。

2.機器の付属品やバッテリーの確認

地上レーザー測量の途中に電源が切れたり必要な付属品がなかったりすると、点群データを正確に取得できません。
問題なく測量できる状態にあるかどうか十分に確認しましょう。

3.機材の積み込み

地上型レーザースキャナーは精密機器のため、積み込み時には振動や傾きをなるべく抑えるように工夫が必要です。

4.機材の設置

事前に決めた適切な位置に機材を設置し、スキャン設定を行います。
測定密度やスキャン範囲などを設定します。

5.スキャン

地上型レーザースキャナーでスキャンを開始します。
スキャン中に機器に振動を加えると正確にスキャンできないため注意しましょう。
計測後は、点群データを正しく取得できているかどうかを確認します。

5.データの処理

取得した点群データを専用ソフトで処理・統合などを行います。
そして、3次元設計をはじめとした3Dデータの活用に向けて適切な形式に変換し、出力すれば3次元測量は完了です。

まとめ

地上型レーザースキャナーは、地上に設置して対象物の3次元座標を取得する機器です。
高機能で法規制の影響を受けにくく、手軽に使用できます。
その一方で、重量やコストの問題もあります。3次元測量は業務効率化や生産性の向上に繋がるため、多くの企業が導入しています。
3次元測量器を導入する際は、対象物の性質や大きさ、撮影環境などさまざまな条件をもとに、最適なものを選ぶことが大切です。

3次元測量器については、ヤマイチテクノまでお気軽にお問い合わせください。

この記事の監修者

1989年入社以来、長年のCADシステムの営業経験を活かし現在3Dレーザースキャナーを中心に営業展開。東日本を担当する。

3Dレーザースキャナーの
販売・レンタル・計測業務受託

ハードウェア/ソフトウェアの販売から、機材のレンタル、計測業務受託まで
ヤマイチテクノは幅広い「3D技術」でお客様のご要望を叶えるお手伝いをいたします。