形状測定機とは?種類・用途・活用方法について解説

【ヤマイチテクノ】大阪・東京・名古屋

  • 3D

2024/01/10

形状測定機とは?種類・用途・活用方法について解説

 

形状測定機は、対象物の表面をトレースしてその形状を精密に測定するための装置です。
接触式と非接触式があり、それぞれ異なる用途で活用されています。
 
この記事では、形状測定機の基本原理から種類、その活用方法などについて解説します。

形状測定機とは

形状測定機は、対象物の表面を精密にトレースしてその輪郭形状を高精度で記録する装置です。
この機器は、一般的な測定工具では測定が難しい、製品のねじ形状、面取り寸法など、複雑で微細な測定に対応できます。
 
例えば、エンジン部品の精密なねじの形状や、機械部品の微細な穴の寸法を正確に計測する際に、形状測定機が有用です。
通常の測定器では難解な形状や微細な部分でも、この装置を使用することで高い精度で測定できます。
形状測定機は製造業や品質管理などの分野で広く利用され、製品の品質向上や設計の精密化に寄与しています。

形状測定機の用途

形状測定器の用途について、さらに詳しく見ていきましょう。

製品の寸法確認

形状測定機は製品が仕様書や設計図にしたがって製作されているかどうかを確認するのに役立ちます。
製品の寸法や形状が正確であるかを高精度に測定し、品質の向上を図ります。

異常検知

製造ライン上で製品に異常がある場合、形状測定機がそれを検知し、異常が発生した製品を取り除くことができます。
これにより、不良品の混入を防ぎ、品質を保つことが可能です。

形状測定機のリバースエンジニアリングでの用途

形状測定機はリバースエンジニアリングにおいても有用です。
他社製品やデータが残っていない型式が古い製品などのデータを取得できます。
これにより、同様の製品を製造する際に必要な情報を得ることが可能です。

表面粗さ測定の追加

形状測定機の中でも接触式のものには、表面粗さ測定の検出器を追加できます。
これにより、微細な形状変化や表面粗さの測定も可能になります。

形状測定機の種類

形状測定器には、接触式と非接触式があります。
それぞれの特徴について詳しく見ていきましょう。

接触式

接触式の形状測定機は、「スタイラス(測定子)」と呼ばれる触針を対象物に直接接触させて測定を行うタイプです。
スタイラスを対象物に当て、XYZ軸に移動するスタイラスの動きをもとに対象物の形状を取得します。
 
接触式の形状測定機は、非接触式に比べて測定精度が高い特長があり、従来では接触式の形状測定機が主に採用されていました。
角度や円弧の半径、段差、ネジのピッチなど、高度な測定が可能なものもあります。
例えば、ねじ山の形状やミクロン単位の薄膜など、微細な形状の測定にも使用できます。

非接触式

非接触式形状測定機は、対象物に直接触れずに測定を行うタイプの装置です。主な方法として、レーザーや光学センサーなどを使用して対象物に照射し、その反射によって得たデータから形状を測定します。
メリットは、対象物に物理的な接触がないため、傷をつけずに測定できることです。
 
例えば、非接触式形状測定機を使用して工業製品の測定を行う場合、製品表面にキズがつくことなく、高精度で形状を計測することが可能です。
また、微細な部品や曲面など、対象物の形状にアクセスしやすいため、接触式測定機では難しい測定も行えます。
 
接触式に比べて測定精度が劣る傾向があるものの、精度向上が進んでいます。

形状測定器の使い方

形状測定器の接触式と非接触式のそれぞれの使い方について、詳しく見ていきましょう。

接触式

まず、形状測定器の本体に触針を取り付けます。
触針は対象物の表面をなぞるための重要な部品であり、正確な測定には適切な取り付けが必要です。
対象物の測定位置を決め、原点を設定します。これにより、測定の基準点を確立し、正確な形状データを取得する準備が整います。
 
Y軸テーブルや回転テーブルなどの治具を使用することで、測定プロセスを自動化できます。
これにより、大量の対象物や複雑な形状の測定も迅速かつ効率的に行えます。
 
測定されたデータはCADデータに変換することで、測定結果を他の設計や解析のプロセスに組み込んで利用できるようになります。

非接触式

測定する対象物に対して、形状測定器のレーザーまたは光学センサーを適切に設定します。
対象物の表面にレーザーを照射し、その反射データから形状を計測します。
 
測定によって取得した形状データは、データ処理ソフトウェアを使用して解析できます。

形状測定器の注意点

形状測定器を効果的に利用するにはいくつかの注意点があります。
まず、対象物の形状や測定の目的に適したスタイラスを選ぶことが重要です。
レーザー式の機種ではほこりのない環境が求められます。
 
高精度かつ正確な測定を行うためには、治具などを使用して測定機の上に対象物を正確に位置合わせする必要があります。

まとめ

形状測定器を活用することで、品質チェックやリバースエンジニアリングなど、さまざまな作業を効率化できます。
ヤマイチテクノでは、非接触式の形状測定器である3Dレーザースキャナーのご提案が可能です。
形状測定器の導入を検討されている方はお気軽にご相談ください。

この記事の監修者

1989年入社以来、長年のCADシステムの営業経験を活かし現在3Dレーザースキャナーを中心に営業展開。東日本を担当する。

3Dレーザースキャナーの
販売・レンタル・計測業務受託

ハードウェア/ソフトウェアの販売から、機材のレンタル、計測業務受託まで
ヤマイチテクノは幅広い「3D技術」でお客様のご要望を叶えるお手伝いをいたします。