3Dレーザースキャナーのデメリットとは?計測できないものやリスクについて解説

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2024/06/01

3Dレーザースキャナーのデメリットとは?計測できないものやリスクについて解説


3Dレーザースキャナーは、建築や土木、製造業など多くの分野で革新的な技術として利用されていますが、全ての計測ニーズに完璧に応えるわけではありません。

本記事では、3Dレーザースキャナーのデメリットに焦点を当て、計測できない対象や潜在的なリスクについて詳しく解説します。

3Dレーザースキャナーのデメリット

3Dレーザースキャナーには、次のデメリットがあります。

光沢のある表面の計測が難しい

3Dレーザースキャナーは、反射する光を使用して物体の形状を計測します。
そのため、光沢のある表面や鏡面仕上げの物体はレーザー光を反射しすぎてしまい、正確な計測が困難です。
例えば、金属製の鏡や車のボディのような光沢の強い物体を計測する場合、データにノイズが発生しやすくなります。
 
この現象は、光の反射特性に起因します。
光沢のある物体は、入射光を反射する角度が特定の方向に集中する「鏡面反射」を引き起こします。
このため、スキャナーが適切な反射光を受け取れず、データに欠損やノイズが生じやすくなります。
例えば、鏡面仕上げのステンレススチールのパイプを計測する際、反射光が強すぎてスキャナーに戻る光量が不十分となり、形状の一部が欠落することがあります。

透明な物体の計測が不可能

透明な物体、例えばガラスやクリスタルのような素材は、レーザー光を透過してしまうため、3Dレーザースキャナーでの計測が非常に難しいです。
このため、ガラス製品の形状を精密に計測するには他の技術を併用する必要があります。

屋外での使用時には環境の影響を受けることがある

使用する環境により取得するデータに影響を受けることがあります。
厳密にいえば、気温・湿度・騒音・風・振動・明るさなど、あらゆる環境が影響する可能性はありますが、計測ができなくなるほどのことはほとんどありません。
ただし、降雨に関しては雨粒もデータとして取り込んでしまうなど、計測データの品質に影響するため雨天では計測できません。
また、降雪時や粉塵が多い場所も同様です。

高コストと運用の難しさ

3Dレーザースキャナーは高価な機器であり、導入コストが高いことが一つの大きなデメリットです。
さらに、操作やデータ処理には専門的な知識が必要であり、スタッフのトレーニングコストも発生します。
中小企業や予算の限られたプロジェクトでは、このコストが負担となる可能性があります。

3Dレーザースキャナーを利用するリスク

3Dレーザースキャナーを利用することには、次のようなリスクがあります。

データの取り扱いと管理のリスク

3Dレーザースキャナーで取得したデータは非常に大容量であり、これを安全に保管・管理することが求められます。
データが紛失したり、破損したりするリスクがあるため、定期的なバックアップとセキュリティ対策が必要です。

誤差の発生リスク

計測環境や物体の表面状態によっては、計測データに誤差が生じることがあります。
例えば、非常に細かいディテールや凹凸の多い表面では、正確なデータ取得が難しく、設計や分析に影響を与えます。

技術の依存リスク

3Dレーザースキャナーの導入により、技術者への依存性が高まる可能性があります。
例えば、操作やメンテナンスに熟練した技術者が不在の場合、機器のトラブルが発生した際に迅速に対応できないリスクがあります。

法的・倫理的なリスク

特定の場所や物体をスキャンする際には、プライバシーや著作権などの法的・倫理的な問題が発生することがあります。
例えば、公共の場所でのスキャンには事前に許可が必要な場合があり、これを怠ると法的なトラブルに発展しかねません。

3Dレーザースキャナーにはデメリット以上のメリットがある

3Dレーザースキャナーは、計測できない物体があることや高コスト、運用の難しさなどのデメリットが存在しますが、それ以上に多くのメリットがあります。
まず、3Dレーザースキャナーは非常に高精度なデータを迅速に取得できるため、建築や土木、製造業などの分野で効率的に作業を進めることができます。
例えば、建設現場では、スキャナーを使用して現地の状況を正確に把握し、設計図との整合性を確認することで、ミスを減らし、プロジェクトの進行をスムーズにすることが可能です。
 
また、3Dレーザースキャナーは複雑な形状の物体や広範囲のエリアを一度に計測可能なため、人手による計測よりも圧倒的に時間とコストの節約を実現できます。
さらに、3Dレーザースキャナーのデータはデジタル形式で保存されるため、容易に共有や分析が可能です。
設計や製造プロセスにおいて、デジタルデータを活用することで、異なる部署間での情報共有が迅速に行われ、協力作業が円滑に進むメリットがあります。

デメリットを理解し適切な対策を講じることで、その利点を最大限に活かすことができます。

まとめ

3Dレーザースキャナーは多くの利点を持つ一方で、計測できないものや特定の環境下での使用に制約があり、リスクも存在します。
これらのデメリットとリスクを理解し、適切な対策を講じることで、より効果的に3Dレーザースキャナーを活用することが可能になります。
 
ヤマイチテクノでは、3Dレーザースキャナーを数多く取りそろえておりますので、まずはお気軽にご相談ください。

この記事の監修者

1989年入社以来、長年のCADシステムの営業経験を活かし現在3Dレーザースキャナーを中心に営業展開。東日本を担当する。

3Dレーザースキャナーの
販売・レンタル・計測業務受託

ハードウェア/ソフトウェアの販売から、機材のレンタル、計測業務受託まで
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