点群データは、建設業界やプラントなどで広まりつつあるデータの種類です。写真との違いがわからない、写真の方がきれいに見えるため必要性がわからない、どのような活用方法が知りたいという方は多いのではないでしょうか。

そこで今回は、点群データとは何か解説するとともに、3Dレーザースキャナーでどのように取得するのかについても詳しくご紹介します。

点群データとは、点の集まりによって構成されるデータのことです。無数の点が集まると画像として視認できます。実は、写真も同じ原理であり、細かなドットが高密度で集合することで、細かな色や質感などを再現できるのです。点の密度が高くなればなるほどに高精度のデータとなります。

一般的なデジカメと一眼レフカメラでは、後者の方が高い密度でドットが並んでいるように、3Dレーザースキャナーにおいても機種によって点の密度が異なります。

点群データを使用することには、どのようなメリットがあるのか詳しくご紹介します。

デジタル活用は世界規模で推進されており、今後も拡大していくことが予想されます。急にデジタル活用を始めることは難しいため、点群データを早めに取り入れることが重要です。

点群データは、3Dレーザースキャナーだけではなく、ドローンやMMSなどでも計測できます。広範囲を一度に計測できるため、作業員の負担軽減や人件費の削減、コア業務にリソースを割くことによる売上アップなどのメリットを得られます。

点群データからCADモデルを作成し、そこから2Dの図面を作成できます。平面図や立体図、断面図など、さまざまな図の作成に役立ちます。

点群データから作成した3DモデルをPCに取り込むと、3Dシミュレーションが可能になります。例えば、作業現場のデータを用いて作業計画を立てたり、作業において発生し得る問題をチェックしたりと、さまざまな用途に使用できます。

それでは、3Dレーザースキャナーはどのように点群データを取得するのでしょうか。3Dレーザースキャナーの使い方は、計測したいエリアに設置して、計測開始ボタンを押すだけです。真下を除く360°の範囲を測定できます。そのため、3Dレーザースキャナーを使うのに専門知識や経験などはほとんど必要ありません。

3Dレーザースキャナーは、1回の計測で物体の全データを取得できるのか気になる方は多いのではないでしょうか。平面的な物体であれば1回の計測で全データを取得できるかもしれませんが、通常は複数回の計測が必要です。

3Dレーザースキャナーは、設置した場所から見える範囲のみ計測できます。例えば、物体の正面から計測する場合、側面や裏面などにはレーザーが届きません。物体に当たって返ってきたレーザーを受け取ることで計測するため、側面や裏面などを計測したい場合は3Dレーザースキャナーの位置を変える必要があります。

例えば、表と裏、両側面のデータを取得したい場合は、それぞれの正面に3Dレーザースキャナーを設置して、合計4回撮影します。一見、面倒に思うかもしれませんが、手作業の計測とどちらの方が手間がかかるかを考えてみてください。手作業の場合、計測する人の技術や経験次第で計測結果が変わる場合があります。

また、計測し直しが必要になった場合、現地に再び足を運ばなければなりません。3Dレーザースキャナーは、誰が計測しても同じ結果になるうえに、再検討が必要になってもPC上で調整ができます。

3Dレーザースキャナーで取得した点群データは、座標値と色の情報しか持っていません。そのままでは活用ができないため、専用ソフトで変換する必要があります。まずは、点群データを専用ソフトに読み込み、位置合わせやノイズ除去などの前処理を行います。

そして、寸法計測や干渉チェックといった解析作業を行い、3Dモデルやメッシュデータを作成します。最後に、用途やデバイスに合わせたフォーマットでファイルを出力すれば完了です。

出力したファイルは、ヘッドマウントディスプレイやCADソフトなどで開くことができます。

点群データは、膨大な密度の点の集合体です。写真と原理は同じですが、写真とは違ってPCに取り込むことで3Dモデルを作成できます。また、点群データの取得方法はとても簡単で専門知識や経験はほとんど必要ありません。

人件費削減や業務負担の軽減などのメリットも得られるなどメリットが非常に多いため、この機会に点群データの活用を検討してみてはいかがでしょうか。

3Dレーザースキャナーや点群データに関することは、ヤマイチテクノにお問い合わせください。