点群データに必要な処理とは?メッシュデータへの変換方法も解説

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2022/03/18

点群データに必要な処理とは?メッシュデータへの変換方法も解説

 

3Dスキャナーで取得したデータは、そのままでは使用できません。
取り込んだデータは点群データの状態であり、適切な処理を施すことで3Dデータとして活用できるようになります。
ここで必要なのが点群データのメッシュデータ化と、メッシュデータの処理です。
ここでは、点群データに必要な処理、メッシュデータへの変換方法などについて詳しくご紹介します。

3Dスキャナーで取得する点群データとは

 

3Dスキャナーで取得する点群データとは、X軸・Y軸・Z軸の三次元座標を含むデータの集合体です。
そのままでは3Dプリンターなどに取り込んでも、使用できません。
点群データの処理、およびメッシュデータの変換、さらにはメッシュデータの処理まで行って初めてデータとして使えるようになります。

点群データの処理・変換の流れ

それでは、点群データはどのように処理し、メッシュデータに変換するのか詳しく見ていきましょう。

1.ノイズを除去する

3Dスキャナーでデータを取得する場合、対象物の周りのものまでスキャンしたり、手ぶれによってノイズが入ったりします。
そのままメッシュデータ化すると、当然ながら不要なデータまで含まれてしまいます。
このようなノイズを除去してから、次の工程へ進むことが重要です。
専用ソフトに3Dデータを取り込み、削除したい箇所を選択して削除します。
作業としては簡単で、ソフトウェア上で削除したい部分を選択し消していくだけです。

2.合成・位置合わせ

点群データはさまざまな角度から撮影した写真が重なっているデータのため、合成や位置合わせが必要です。
位置合わせが不十分だと、1つのデータとして成り立ちません。
ソフトウェアを使って位置合わせを行いますが、全自動で完璧に行ってくれるわけではなく、場合によっては位置合わせの精度が低くなります。

このような事態を防ぐために使用するのが、「マーカー」と呼ばれるものです。
対象物に貼り付けることで精度の高い点群データを取得しやすくなります。

3.メッシュデータに変換する

合成と位置合わせが完了したら、点と点を結んで三角形を作り、面を貼ったSTLデータ、多角面が集合して成り立つポリゴンデータといったメッシュデータに変換します。
メッシュデータへの変換はソフトウェアが全自動で行うため、知識や技術は必要ありません。
エクスポートと同時にメッシュデータへ変換してくれます。

点群データの手動での処理・変換の流れ

3Dスキャナーに付属するソフトウェアで点群データのメッシュデータ化が可能ですが、中には手作業で行わなければならないケースもあります。
手作業で行う点群データの処理・変換の流れを詳しく見ていきましょう。

1.スムージング

3Dスキャナーで取得したデータのノイズを除去するさご湯をスムージングといいます。
角度やエッジの長さ、精度の設定などをすることでスムージングが行われます。
ここで注意したいのは、滑らかにしすぎると実物との誤差が大きくなることです。

例えば、本来は角があるところが丸くなるケースがあります。

2.穴埋め

3Dスキャナーは、光やレーザーの反射、歪みなどを捉えて対象物の表面の形状をスキャンします。
そのため、穴の奥の形状までは取得できません。
このような3Dスキャナーの仕様上、取得できなかったデータの穴を埋める作業を行います。

周囲の形状から欠損部の形状を予測し、違和感なく埋めることがポイントです。
これは手作業ではなくソフトウェアが行うため、どれだけの精度で穴埋めできるのかは事前に確認しておきたいところです。

3.橋渡し(ブリッジ)

橋渡し(ブリッジ)とは、面と面の端をつなぎ合わせることで形状を作ることです。
全周が囲まれていない場合に行います。

4.面の表裏の反転

メッシュデータには表裏があるため、必要に応じて反転を行います。

5.要素の抽出・境界の編集

3Dスキャナーで取得したデータは、平面や穴が認識されないため、これらの要素を抽出する必要があります。
また、必要に応じて形状の境界の編集を行います。

6.修復(自動クリーニング)

ソフトウェアによっては自動修復機能が搭載されています。
全ての箇所を修復できるわけではありませんが、データの品質を底上げできるでしょう。

まとめ

3Dスキャナーで取得した点群データは、そのままでは使用できません。
必要な処理・変換を行う際は専用のソフトウェアが必要です。
ソフトウェアによって仕様や種類、機能、精度などが異なります。
目的に沿ったソフトウェアを導入するためにも、プロのアドバイスを受けることをおすすめします。
ヤマイチテクノでは、3Dスキャナーのレンタル、ソフトウェアの提案などにも対応しておりますのでお気軽にご相談ください。

この記事の監修者

1989年入社以来、長年のCADシステムの営業経験を活かし現在3Dレーザースキャナーを中心に営業展開。東日本を担当する。

3Dレーザースキャナーの
販売・レンタル・計測業務受託

ハードウェア/ソフトウェアの販売から、機材のレンタル、計測業務受託まで
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