3Dスキャナーとセットで使うターゲットとは?役割やポイントを解説

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2022/07/19

3Dスキャナーとセットで使うターゲットとは?役割やポイントを解説

3Dスキャナーを使用する際は、ターゲットについて確認しておくことが大切です。
ターゲットを正しく使用できない場合、正確な3Dデータを取得できません。
また、全てのケースにターゲットが必要なわけではない点にも注意が必要です。
ここでは、3Dスキャナーとセットで使用するターゲットの役割や押さえておくべきポイントなどについて詳しく解説します。

ターゲットとは

ターゲットは、直訳すると「標的」です。
そのため、3Dスキャンの対象をターゲットと呼ぶのでは?と思う方が多いのではないでしょうか。
3Dスキャンにおけるターゲットは、対象物に設置することで測定位置を定めるためのものです。
つまり、どの対象物を3Dスキャンするのかを決めるために使用します。

ターゲットの種類

3Dスキャンに使用するターゲットには、ターゲット型とスフィア型があります。
それぞれの特徴を詳しく見ていきましょう。

ターゲット型

ターゲット型は、四角や円形のプレートにチェッカー柄が描かれており、従来の測量で使用するものと使用方法が似ています。
3Dスキャナーの方向に向けなければならないため、設置に手間と時間がかかります。

スフィア型

スフィア型は、白色の球体です。
マグネットで取り付けたり三脚の上にのせたりできるため、例えば天井や壁などにも設置できます。
サイズもさまざまなため、小型から大型、シンプルな形状から複雑な形状のものまで対応可能です。

3Dスキャナーの原理

ターゲットについて理解を深めるために、3Dスキャナーの原理も確認しておきましょう。
3Dスキャナーは、立体物をスキャンして3Dデータを取得する機器です。
取得した3Dデータはコンピューターで処理することで3Dモデル化できます。
その情報をもとに金属や樹脂などから構造物を制作することも可能です。

3Dスキャンでは、ターゲットの凹凸を読み取ることで、対象物の幅や高さ、奥行きといった座標を取得します。
ターゲットに対してフリンジパターンを投影し、3D形状をデジタル情報に変換します。
スキャンが難しい部位は、専用ソフトで修正が必要です。

3Dスキャナーの種類

3Dスキャナーには、接触型と非接触型があります。
それぞれの特徴やターゲットとの関係について詳しく見ていきましょう。

接触型3Dスキャナー

接触型3Dスキャナーは、センサーやプローブなどでターゲットに接触させることで、凹凸を読み取って座標情報を取得するスキャナーです。
複雑な形状のターゲットではプローブが入り込めない場合があります。
また、測定できるターゲットのサイズに上限があり、またスキャンにも時間がかかります。

測定精度は非接触型3Dスキャナーよりも優れており、また製品の測定や検査に適しています。

非接触型3Dスキャナー

非接触型3Dスキャナーは、ターゲットに触れることなくターゲットの凹凸から座標情報を取得できるスキャナーです。
パターン光投影方式とレーザー光線方式があります。

パターン光投影方式は、ターゲットにパターンを投影し、それによって生じたパターンの歪みを読み取ることでターゲットまでの距離を計測し、座標を取得する方式です。
一度に広範囲をスキャンできるため、短時間で済むことがメリットです。

レーザー光線方式は、レーザー光線をターゲットに照射して、凹凸から座標情報を取得する方式です。

3Dスキャナーの位置合わせ方式

非接触型3Dスキャナーにおける位置合わせ方式についても確認しておきましょう。
1回のスキャンでは対象物の全ての座標は取得できないため、さまざまな角度からスキャンする必要があります。
そして、スキャンデータを組み合わせて1つの3Dデータを構築します。

スキャンデータを組み合わせる際は基準が必要になるのですが、それをどこに定めるのかを決めるのが「位置合わせ方式」です。
次のように、「マーカー位置合わせ方式」と「形状位置合わせ方式」があります。

マーカー位置合わせ方式

マーカー位置合わせ方式は、対象物にマーカーシールを貼る、もしくは台座に描かれたマーカーを基準に位置合わせをする方式です。

形状位置合わせ方式

形状位置合わせ方式は、スキャンデータの中から共通の形状を取得し、つなぎ合わせる方式です。
マーカーシールを貼り付けられない対象物に向いています。

まとめ

3Dスキャナーを使用する際は、対象物にターゲットを設置し、それに光を照射したりプローブを接触させたりすることで、ターゲットの凹凸を読み取って座標情報を取得します。
そのため、3Dスキャンにおいてターゲットは必要不可欠なものと言えるでしょう。
接触型と非接触型を用途や目的に応じて使い分けることがポイントです。

3Dスキャナーの利用を検討しており、使い方を詳しく知りたい方はヤマイチテクノまでお気軽にご相談ください。

この記事の監修者

1989年入社以来、長年のCADシステムの営業経験を活かし現在3Dレーザースキャナーを中心に営業展開。東日本を担当する。

3Dレーザースキャナーの
販売・レンタル・計測業務受託

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