3D形状測定機とは?活用方法や仕組み・メリットを解説

製造業や研究開発の現場では、製品の高精度化や品質管理の高度化が求められています。
その中で注目されているのが、対象物を三次元で測定できる「3D形状測定機」です。
従来の測定器では難しかった複雑形状の測定や、高精度な寸法検査を実現できることから、自動車・航空宇宙・医療機器・精密機械など、さまざまな分野で活用されています。
また近年では、3Dスキャナーやレーザートラッカー、ハンディ型3D形状測定機なども登場し、現場での測定効率やデータ活用の幅も大きく広がっています。
本記事では、3D形状測定機の仕組みや活用方法、種類、導入メリットについて詳しく解説します。
3D形状測定機とは?
3D形状測定機とは、対象物の形状や寸法を三次元で測定する機器で、三次元測定機とも言います。
対象物の位置情報をX・Y・Zの三軸座標として取得し、立体的な形状データとして解析します。
一般的なノギスやマイクロメーターでは難しい、複雑な曲面や立体物の測定も可能です。
特に近年は、サブミクロンレベルの高精度測定が可能な機種も増えており、電子部品や半導体、精密加工部品などの品質検査にも活用されています。
また、取得したデータはCADデータとの比較や3Dモデル化にも利用できるため、設計・試作・品質保証など幅広い工程で活躍しています。
3D形状測定機の活用方法
3D形状測定機は、さまざまな業界や工程で利用されています。
寸法測定・品質検査
製造した部品が図面通りに仕上がっているかを確認するために使用されます。
例えば、以下のような高精度な品質管理が可能です。
- ●部品の寸法測定
- ●幾何公差測定
- ●平面度測定
- ●真円度測定
- ●段差測定
特に自動車部品や精密機械分野では、わずかな誤差が品質へ大きく影響するため、3D形状測定機が重要な役割を担っています。
表面粗さ・形状解析
3D形状測定機は、表面の凹凸や粗さの解析にも利用されます。
代表的な測定内容には以下があります。
- ●線粗さ測定
- ●面粗さ測定
- ●うねり測定
- ●厚み測定
表面状態を立体的に可視化できるため、加工品質の向上や不良解析にも役立ちます。
CAD比較・リバースエンジニアリング
取得した3DデータをCADデータと比較することで、製品誤差の確認が可能です。
また、既存部品を3Dスキャンし、データ化することで、以下のような活用がされています。
「現物を測定し、そのままデータ化できる」ことは、製造現場の大きなメリットといえるでしょう。
- ●試作品製作
- ●リバースエンジニアリング
- ●金型修正
- ●保守部品製作
3D形状測定機の仕組み
3D形状測定機にはさまざまな測定方式がありますが、代表的なのが「接触式」と「非接触式」です。
接触式測定
接触式は、プローブを対象物へ直接接触させて座標を取得する方式です。
高精度な測定が可能であり、3D形状測定機では一般的な方式として広く使用されています。
特に、以下のようなケースなどに適しています。
- ●寸法測定
- ●幾何公差測定
- ●高精度検査
一方で、測定に時間がかかる場合がある点や、柔らかい対象物には不向きな場合がある点には注意が必要です。
非接触式測定
非接触式は、レーザーや光を利用して対象物を測定する方式です。
対象物へ直接触れないため、以下のようなケースなどに適しています。
- ●大型ワーク
- ●柔らかい素材
- ●複雑形状
- ●高速測定
また、近年ではレーザースキャナーやレーザートラッカーなど、高速かつ高精度な非接触測定機も増えています。
大型構造物を現場に置いたまま測定できる点は、大きなメリットです。
白色干渉方式
3D形状測定機では、白色干渉方式が採用されることもあります。
白色干渉方式とは、光の干渉現象を利用して表面の凹凸を測定する方法です。
対象物表面の凹凸によって光路差が発生し、その差によって現れる干渉縞を解析することで、高精度な形状測定を実現しています。
電子部品や半導体など、微細な凹凸測定に適している点が特徴です。
3D形状測定機の種類
3D形状測定機には、用途に応じてさまざまな種類があります。
据え置き型3D形状測定機
工場や検査室に設置して使用するタイプです。
高精度測定が可能であり、品質保証工程などで広く使用されています。
一方で、以下のような特徴があります。
- ●設置スペースが必要
- ●大型ワーク測定が難しい
- ●持ち運びできない
ハンディ型3D形状測定機
近年増えているのが、ハンディ型の3D形状測定機です。
手持ちプローブを対象物へ当てるだけで測定できるため、現場での使いやすさに優れています。
また、以下のようなメリットがあり、測定者の熟練度に依存しにくい点も特徴です。
- ●コンパクト
- ●持ち運び可能
- ●測定場所を選ばない
- ●直感的に操作できる
レーザートラッカー
レーザートラッカーは、対象物へレーザー光を照射して三次元位置を測定する光学式測定機です。
レーザー光を追従させながら測定するため、広範囲かつ大型ワークの測定に適しています。
例えば、以下のような大型構造物の測定に活用されています。
従来の3D形状測定機では難しかった、大型ワークの現場測定を実現できる点が大きな特徴です。
- ●大型設備
- ●航空機部品
- ●自動車ボディ
- ●製造ライン設備
3D形状測定機を導入するメリット
3D形状測定機を導入することで、製造現場ではさまざまなメリットがあります。
高精度な品質管理ができる
三次元で高精度に測定できるため、製品品質の安定化につながります。
また、人による測定誤差も軽減しやすくなります。
測定時間を短縮できる
従来は複数工程が必要だった測定作業も、3D形状測定機によって効率化できます。
特に非接触型では高速測定が可能であり、作業時間短縮に大きく貢献します。
データ活用の幅が広がる
取得した測定データは、以下のように多目的な活用が可能です。
近年では、バーチャル空間上で形状確認を行うケースも増えています。
- ●CAD比較
- ●3Dモデル化
- ●品質管理
- ●試作品製作
- ●解析業務
3D形状測定機の課題
高性能な3D形状測定機ですが、導入時にはいくつかの課題もあります。
例えば、以下のようなケースです。
- ●導入コストが高い
- ●設置スペースが必要
- ●測定対象サイズに制限がある
- ●専門知識が必要になる場合がある
そのため近年では、ポータブル型やレンタルサービスを活用する企業も増えています。
必要な時だけ機器を利用できるため、コストを抑えながら高精度測定を実現できます。
まとめ
3D形状測定機は、対象物を三次元で高精度に測定できる機器です。
寸法測定や品質検査だけでなく、CAD比較やリバースエンジニアリング、試作品製作など、幅広い分野で活用されています。
株式会社ヤマイチテクノでは、3Dスキャナーやレーザートラッカーなどの各種機器販売をはじめ、レンタルや計測業務受託まで幅広く対応しております。
「製造した部品を高精度で測定したい」「大型ワークを現場で測定したい」「3Dデータを活用したい」という方は、ぜひヤマイチテクノへご相談ください。
1989年入社以来、長年のCADシステムの営業経験を活かし現在3Dレーザースキャナーを中心に営業展開。東日本を担当する。
3Dレーザースキャナーの
販売・レンタル・計測業務受託
ハードウェア/ソフトウェアの販売から、機材のレンタル、計測業務受託まで
ヤマイチテクノは幅広い「3D技術」でお客様のご要望を叶えるお手伝いをいたします。